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第74回全国視覚障害者福祉大会(岡山大会)行われる

 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合(竹下義樹会長)と社会福祉法人岡山県視覚障害者協会(片岡美佐子会長)の主催による第74回全国視覚障害者福祉大会が、5月24日(月)、岡山県倉敷市の倉敷アイビースクエアを会場に開催された。

 今大会は、新型コロナウイルス感染症の影響により、参加者及び大会関係者の安全を考慮しオンラインで開催するとともに、例年3日間で開催している大会を1日とした。なお、オンラインでの開催は初の試みであった。

 午前の部では、全国団体長会議、午後の部は全国大会(大会式典、大会議事)を行った。全国団体長会議は、令和3年1月26日に開催した令和2年度臨時評議員会において各加盟団体長の声を反映させる場として設置することが承認されたもので、今大会では第1回を開催した。

 会議は、橋井正喜日本視覚障害者団体連合常務理事の司会、片岡美佐子岡山県視覚障害者協会会長と田中伸明名古屋市視覚障害者協会会長の議事進行で、全国の加盟団体の代表者(代理含む)が参加。令和3年度運動方針(案)を議論し、その後、団体提出議案の中で特に要望が多かった(1)同行援護、(2)情報保障の2つのテーマに関し、活発な議論と地域の取り組み状況等の情報提供が行われた。

 令和3年度運動方針(案)では、竹下会長よりデジタル化への対応、情報保障、無人駅を含む鉄道のバリアフリー、あはき、就労、合理的配慮の拡大等の本年度取り組むべき運動方針を提案した。

 団体提出議案では、制度が開始されて10年が経過した同行援護事業について、さらに制度の充実を図ることを求められる旨の意見が出された。また、情報保障では、ICT機器のユーザビリティの向上及びアクセシブルな環境の整備を求める意見が出された。竹下会長からは、寄せられた意見を含め、改善を求めて、国及び関係機関へ陳情していく旨の報告があった。

午後には、第74回全国視覚障害者福祉大会が全国団体長会議と同様にオンラインで行われた。大会の模様は、YouTubeでライブ配信され、全国の視覚障害者が視聴した。なお、編集動画は、日視連YouTubeチャンネルで後日、公開する予定。

 第1部の大会式典では、岡山県視覚障害者協会川田忠茂常務理事の開会宣言、国家・会歌斉唱の後、岡山県視覚障害者協会片岡美佐子会長から歓迎の挨拶が述べられた。

 次に、日本視覚障害者団体連合竹下義樹会長から主催者挨拶があり、「第74回岡山大会がオンラインという形でしか開催できなかったことを非常に悔しく思っています。昨年、第73回宮城大会を中止した私たちとしては、2年連続で大会を中止することはとても辛く、団体として全国の皆さんの結集を何としても実現したいという思いから、オンラインという形で、今日、岡山県で実現することができました。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中で二転三転する状況を踏まえながらも、今日まで準備を進めていただいた片岡会長をはじめ、地元岡山県視障協の皆さん、自治体、関係者の皆さんにお礼を申し上げます」と謝意を表した。

 更に74年間に渡り積み上げてきた日視連の運動は、国を動かし、社会を変えていったと述べた上で「私たちの運動というのは、一人ひとりの人権や人間性を大事にすること。視覚に障害があってもそのことは決して軽く考えてはならないということを社会に知っていただくのが運動の柱です。それだけにこの大会を成功させることは、リアルでの交流に加え、オンラインで繋ぐ広がりもあるような、来年度からの新たな形式を模索する第一歩だろうと思います」と語った。

そのほか、日視連顕彰表彰式、加藤勝信内閣官房長官からのビデオメッセージ、田村憲久厚生労働大臣、萩生田光一文部科学大臣、伊原木隆太岡山県知事、伊東香織倉敷市長からの祝辞、祝電披露が行われた。

 第2部の大会議事では、令和2年度決議処理報告、令和3年度運動方針を執行部の原案通り全会一致で可決。続いて宣言・決議も全会一致で採択された。さらに、次年度の第75回大会開催地団体を代表して、名古屋市視覚障害者協会田中伸明会長から挨拶があり愛知県名古屋市で開催することが報告された。

 最後に、岡山県視覚障害者協会竹内昌彦副会長から閉会が宣言され、拍手の中、オンライン開催という新しい形の大会が幕を閉じた。(日視連)