視障協だより 第48号(R04.01)
視障協だより 第48号
令和4年1月発行
※この会報は音声版を文字起こししたものです。
目次
1 会長声の挨拶 …… 片岡 美佐子(かたおか みさこ)
2 声の日視連中央情勢報告 …… 日視連会長 竹下 義樹(たけした よしき)
3 視覚障害者協会の動き …… 会長 片岡 美佐子(かたおか みさこ)
4 第63回岡山県視覚障害者福祉大会の報告 …… 副会長 川口 常雄(かわぐち つねお)
5 文芸作品コンクール結果報告 …… 担当理事 竹内 昌彦(たけうち まさひこ)
6 点字に親しむ会報告 …… 担当理事 大賀 淳(おおが じゅん)
7 本会関係者の栄えある受賞
8 眼の障害で2級または3級の障害年金を受給されている方へ
9 編集後記 …… 岡山県視覚障害者センター所長 川田 忠茂(かわだ ただしげ)
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1 会長声の挨拶 会長 片岡 美佐子(かたおか みさこ)
視障協だよりをお聴きの皆様。
明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、コロナ禍のなかではありますが、令和4年の新春をお健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。旧年中は、公私共に大変お世話になりました。
そして、会員の皆さまには、平素より、本協会の諸活動に対して、ご理解と、ご協力をいただいておりますことに感謝し心よりお礼申し上げます。
コロナ禍は、3年目に入りました。まだまだ収まってはいません。昨年も、日視連の理事会、評議員会その他委員会、全国大会、全女大会全青大会等も、オンラインで開催されました。
そこで、今年もこの号で、日視連竹下義樹会長の声で中央情勢報告を録音したものを、皆様にお届します。ゆっくりお聴きください。
本会でも、理事会、評議員会、福祉大会は感染防止対策をして開催しましたが、その他の行事はほとんど中止しました。
昨年11月に、福祉大会で、皆様と久しぶりにお会いできたことが、なんだか懐かしいような嬉しいような気持ちで、和やかなひと時を皆様と共有することができました。
さて、昨年9月には、不安と期待の現状のなかで、デジタル庁が発足しました。視覚障害に配慮したICTの研修や、サポート体制の充実、音声対応の機器の開発等が望まれます。
また、視覚障害者が適職としてきたあん摩はりきゅう業では、学校法人平成医療学園グループが「あん摩師等法19条は違憲」として、5年前より東京・大阪・仙台の各地裁に国を相手とする訴訟を提起していますが、東京、大阪、仙台ともに、高裁でも国が勝訴しました。
しかし、裁判は最高裁まで続きます。これからも、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
次に、令和4年度の、第75回全国視覚障害者福祉大会は、名古屋市で開催されます。コロナ対策を十分にして、令和4年5月31日(火曜日)・6月1日(水曜日)の2日間で、参加者の規模を縮小してオンラインで開催されるようです。多くの皆様は、YouTubeをご視聴いただくようになります。従って今回は、旅行を計画しておりません。
一昨年から引き続き、新しい生活様式を実践しなければなりません。早くコロナ感染症に対して有効なお薬ができることを念じて、今は、お互いに我慢をし耐えて乗り切りましょう。
年頭にあたり皆様の益々のご繁栄とご健康をお祈りいたしますとともに、皆様方からのお力添えをいただきながら、視覚障害者の福祉向上を目指して努力する所存ですので、より一層の温かいご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
これから、寒さが厳しくなってきます。
皆様どうかくれぐれもお身体を大切にしてお元気でお過ごしくださいますように。
また、皆様とお会いできる日を楽しみにしています。
2 声の日視連中央情勢報告 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合 会長 竹下 義樹(たけした よしき)
1.はじめに
全国の皆さん、こんにちは。
新型コロナウイルスの感染拡大のために、各地の大会や研修会に私自身が出かけて中央の動きや、あるいは日視連の活動の状況を報告する機会がないので、録音という形で皆さんにお届けしたいと思います。
私は、日視連の会長になってほぼ10年という月日が流れてきましたけれども、私たちの声がどれほど国に届き、社会を動かし、制度が改善されてきたかということを10年という節目で分析も、あるいは反省もする必要があるのかとは思いますけれども、1つ1つの積み重ねということでしか我々の声は届きませんし、一歩前進、時には半歩後退ということも時にはあります。
そういう流れの中で、この1年間も少しずつではありますけども改善してきていると思いますし、これからの動きに結びつけていかなければならない部分もたくさんあると思いますので、そういうことがこの中央情勢報告の中でみなさんに伝わればと思っておりますのでよろしくお願いします。
2.重要課題(障害者基本計画、デジタル庁、加盟団体支援プロジェクト委員会、新型コロナウイルス)
まず最初に、大きな枠組みの話から始めたいと思います。私たちの国では、障害者基本計画というものが制定されて、その計画に基づいて国全体の障害者政策が進められているんですけれども、現在は、第4次障害者基本計画のもとで国が動いているわけですけれども、この第4次障害者基本計画は令和5年の3月末で終了します。すなわち、令和5年の4月からは、第5次障害者基本計画というものが建てられて、それに基づいて国の政策が進められるわけです。したがって、現在は第4次障害者基本計画が進められる中で、1年半後の第5次障害者基本計画の準備もしなければならないという時期に入ってきたわけであります。障害者政策委員会というところで、その論議が始まりました。この12月から来年の秋にかけて、ほぼ1年近くの議論を続けて現在の状況、世界的な動き、あるいは今までに現場でどういう矛盾や問題が起こっているのか、こういうことを順次考えていこうということが議論の中心であります。各障害者団体からもヒアリングが行われました。日視連からも現状報告や課題についても、あるいは要求内容についても、既にこの委員会に報告済みであります。私も障害者政策委員の1人として、この議論の中で障害者全体の住みやすさ、暮らしやすさ、視覚障害者が抱えてる問題について、十分に議論をしていただけるような機会を作っていきたいと思っております。皆さんの、もし今どうしても訴えたいようなことがあれば日視連に声を寄せていただければ、それを第5次障害者基本計画に反映できるものがあるかもしれませんので、是非またお声をお聞かせてください。
また、全体の中で次に重要なのは、デジタル化への動きであります。本年の9月1日にデジタル庁が発足しました。社会全体がどんどんデジタル化が進むわけでありますが、そういう動きの中で視覚障害者が取り残される、あるいはより不便になることがあってはならないと思っております。そのためには、私たちがどういうところに不便を感じて、どういう声をデジタル庁に届けることが大事かということが問われているわけであります。例えば、お金の面で言いますと、どんどんどんどんキャッシュレスというのは進んでいます。あるいは、スーパーであったり、コンビニでレジの無人化が進んでおります。あるいは、行政手続きが全部をオンラインでできる時代になってきています。パソコンや携帯端末などで、全ての手続きや買い物ができる時代になってきております。銀行の取引もそうです。それらの全てのものがデジタル化される時に、私たちがどうすればそういう社会に置いてきぼりを食らわないか、私たち自身が生きづらくならないようにはどうしていくことが必要なのか、デジタル化が進む中にあっても、人の力をどうしても借りたい私たちのことをどういう形でそこに組み込んでいただけるのか、こういうことについて、私たちの声が届くようなことをしていきたいということで、デジタル庁に要求もしましたし、ごく最近デジタル庁から障害者団体に対してヒアリングをやりたい、各障害者団体が抱えてる問題、各障害別の課題についてもう一度話を聞きたいということで、デジタル庁からの連絡がありました。少しずつ私たちの声も届くようになってきたかなと思っております。
次に、私たちの日視連は全国60の加盟団体によって構成されているわけです。都道府県の47団体、政令指定都市の一部で独立して作られている団体、そして職業あるいは青年女性といった協議会、こういう団体のいわば塊としての存在が日視連ということになるわけです。それだけに、各団体が元気であることが大事です。残念ながらどの団体も会員数が減少しております。役員のなり手がないということで非常に困っておられます。財政的にも自治体からの援助がどんどんなくなってきております。そういう中にあって、地域の団体がどういう形でこれからも生き残っていくのか、地域の1人1人の視覚障害者の問題を解決するためにも、各地域の団体がどういう活動が必要なのか、その地域の団体が今後も活発に活動していくためには何が足りないのか、日視連としてどういう援助が可能なのか、そういうことについて考える委員会を立ち上げて、この間、活動してきました。全国に対してアンケート調査をして、その分析も終わりました。その中で、今すぐにでも応援しなければならない団体に対して、団体ヒアリングをやろうということで、この間、山形県に出向いて山形県の視障協の実情をお聞きするということを実施しました。これ以外にも、会員数がもうすでに100人以下になっているとか、1年間の活動費に非常に行き詰まっているという団体に対して、直接役員さんとお会いして、日視連との懇談を持つことも計画しております。これらの聞き取りを行う中で、我々がどういう提案をし、どういう具体的な政策提言をしていくのかということを詰めていきたいと思っております。
もう1つは、これは早く終わってほしい問題でありますけども、新型コロナウイルスの問題でありますが、とりあえず、この時点で必要なのは、ワクチンを確実に受けることができるという体制作りかと思っております。地方によっては、非常に嫌な思いをしながらワクチンを接種したという話も入ってきております。逆に十分なサポートをしてもらって、気持ちよくワクチンを接種できたという話もあります。そういう好事例をきちっとお聞きしながら、それを全国にまた伝えるということもやってきました。また、我々の声が十分に届いてワクチン接種がスムーズに行くようにということで、要望書も出した上で、その当時の担当大臣であった河野太郎大臣との面談をオンラインで行って、私たちの声を伝えることもできました。第3回目のワクチン接種も来年3月から始まるようでありますので、第3回のワクチンも私たちがスムーズに受けられるように引き続き働きかけをしていきたいと思っております。
3.情報保障
さて今度は、個別の課題について報告したいと思います。まず1番目は、情報保障の問題であります。情報保障のトップは、選挙について報告します。今年の衆議院議員選挙でも点字、拡大文字、音声版の選挙公報を配布したわけでありますが、一部の区域で残念ながら誤配があったようであります。非常に残念なことでありますけれども、こうした過ちが起こらないように引き続き体制を取りたいと思っております。この問題は、日本盲人福祉委員会等が中心になって進めております。また、島根県で起こったことでありますけれども、候補者に同姓、同じ苗字の方が2人出てきたそうです。この場合に、点字で我々が書くと漢字の違いが出てこないわけですから、同じ苗字で音が同じ場合、非常に問題です。例えば、「たけした」というのは松竹梅の竹と武士の武があるわけですけども、「たけした」という候補者が2人いて武士の武下か松竹梅の竹下か点字ではわからないじゃないかと、こういう問題が起こってきたようであります。こうした問題を解決することをどうするんだということを島根県から問題提起されました。この点については、残念ながらそれに十分な答えをできるというところまでは行けませんでしたけれども、これからこういう問題も当然起こり得るわけでありますから、より私たちの1票が確実に生かされていくような安全性をも考えながら、投票の1票が行使されるように働きかけをしていく必要があるかなと思っております。
次に、オリンピック・パラリンピックについて、少し我々の声が届いた部分も報告したいと思っております。この新型コロナウイルスのために無観客でほとんどの競技が行われましたけれども、音声解説が一部の競技において実施されました。もちろん、開会式、閉会式も音声解説が十分に届くような形では実施されました。でも、閉会式も開会式も残念ながら会場には視覚障害者はいけないわけでありますから、あまり効果はなかったという言い方もできるわけでありますが、各競技全てではなかったけれども音声解説が実施されたことは、今後に結びつく第一歩であったかなと思っております。ところが、一般のテレビの場面では音声解説放送があまり伸びておりません。国の発表によると、15~6%の番組で音声解説がついたようでありますけれども、聴覚障害者に対する手話による放送や字幕放送が広がってきてるわけですが、字幕放送はほぼ100%付くようになりました。それに対して、視覚障害者のための音声解説がまだまだ10%台しかないというのは、我々の声が非常に届いているにも関わらず尊重されていないということを言わざるを得ません。この点が、第5次基本計画の中でさらに大きな課題にしていくことも必要だと思っております。
次に、読書バリアフリー法について触れさせていただきます。読書バリアフリー法が昨年から動き出してる事によって、いくつかの前進がありました。例えば 全視情協が管轄しているサピエに対して大きな補助金が付くようになりました。これは読書バリアフリー法の施行に伴うものであります。また、都道府県の基本計画の策定もいくつかの自治体で進んでおります。しかし、我々が47都道府県全てに地域ごとの読書バリアフリーが前進するための基本計画を立ててほしいってことをお願いしてるんでありますが、これが遅れているというところが現実かと思っております。この点は、国の動きも大事ですけれども、何としても各地域での取り組みが進むようにと思っております。そのこともあって、研修会でもこの問題を取り上げて1つ1つが一歩前進するようにということでやっておりますので、各地域での取り組みが皆さんの地元でどう進んでいるかについて日視連に報告をいただければありがたいと思っております。
次に、代読・代筆という問題があります。最近は、日常生活、社会生活でこの代筆・代読サービスというものが大きなウエイトを占めるということが意識され始めました。厚生労働省もこの点は意識してくれるようにはなってきたんですけれども、残念ながらこの代読・代筆が地方であまり広がっておりません。いくつかの自治体、例えば千葉県の安孫子であったり、あるいは京都市においても入院中の視覚障害者に対する代読・代筆制度がスタートしたりしてるわけではありますけれども、こういう動きがまだまだちらほらという程度でありますから、全国にもれなく広がって、どの地域にいても代筆・代読サービスが受けられる、いろんな手続きが不安なく進められるということができる体制作りを早く実現したいと思っています。その一歩として、代筆・代読をやっていただける支援者、ヘルパーをどう養成するかということが進みつつあります。神奈川県でも始まってるようでありますし、これを全国にどうやって広げるかということで、今、日視連は厚生労働省との協議を始めた段階であります。これらが、我々の日常生活を大きく支えることになる。先ほど申し上げたデジタル化の所でも、この代読・代筆というもののあり方が問われてくるということも感じております。自分でオンラインの操作ができない場合に、それを補助するのも代筆・代読の1つとして考える必要があるというふうにも考えております。そういうことも今後考えていくことをお伝えしておきたいと思います。
もう1つは、我々の情報保障の中で、点字というものが意外とおろそかにされてきてるんではないかということを心配しております。我々の仲間にも、もう点字はいらないんだっていう馬鹿げたことを口にする人もいます。私は、それは間違ってると思います。例えパソコンが大きく広がろうと、デジタル化が定着しようとも、点字の役割というものは失われることはないと思っております。視覚障害者にとって唯一、自分で書いて自分で読めるのは点字しかありません。このことを絶対に忘れてはならないと思うんです。そのために、2025年が点字制定200周年という節目になるんだそうです。そこで関係者が全部集まりまして、点字200周年をどういう形で迎えるかということを四年間のスパンで活動しようということで点字200周年の記念事業を推進する実行委員会を立ち上げました。その中で1つ話題なってることを申し上げると、韓国では障害者差別禁止法とは別に韓国点字法という法律ができております。これは何かと言いますと、韓国においては全ての場面で点字をどう保証するのか、点字をどう普及するのかということを定めた法律なんです。聴覚障害者は手話言語法、あるいは手話言語条例というものを運動しておられますけれども、我々もこの日本における点字がどの場面でも保障されるということを安定的に確立させるためにも、点字法、あるいは日本における点字普及法というものの実現を考える必要があるのかなということも考えております。そのことを韓国から学ぼうということで、この実行委員会で計画もしております。そういうことで、情報保証という分野は、我々視覚障害者にとっては永久の課題ではありますけども、時代の進展に即して新しい動きもする、逆に点字という我々にもたらされた素晴らしいツールを失うことのないように、きちっとそのことも考えていくということが、現在の活動の内容であります。
4.移動のバリアフリー
次に、2つ目の話題として、バリアフリー法について触れさせていただきます。ご存知の通り、バリアフリー法というのは正式名称ではありませんけども、我々の社会生活の障壁を取り除くうえでの重要な法律です。正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」という名前なんですけども、通称「バリアフリー法」と呼ばれております。これは、建物におけるバリアフリー、道路におけるバリアフリー、あるいは公共交通機関におけるバリアフリー、全ての事についてのバリアを取り除くということを内容としている法律です。その中で、この問題がどれだけ地方に広がっているかということが心配なんですけれども、この最近のバリアフリー法の改正で、各地域ごとにバリアフリー法を進めるための協議会を作ることになっているんですね。これがどこまで進展するか、その地域ごとの協議会に視覚障害者が十分に参画しながら、その私たちの声が生かされた形で協議会でのバリアフリーの取り組みが進むかということが大事なんです。そのためにも、我々がこのバリアフリー法を学ぶためにこの前、団体長会議でバリアフリー法の研修会を行いました。国交省の担当室長に来ていただいて報告いただきました。これは報告にとどまっておりますけども、この研修を通じてさらに我々が主体的に各地域の協議会に参画する、そういうきっかけになればと思っております。その中で朗報とも言うべきものがありましたので報告させていただきます。
まず1つは、我々は割引切符を買う時に、その都度窓口で手帳を見せて割引切符を買うわけでありますが、これをインターネットで買えるようにできないのか、今ほとんどの方はインターネットで新幹線とか特急のチケットを購入しておられるわけですよね。我々もインターネットで割引チケットは買えないのかという声があったわけですが、これが、今実現に向けて検討されております。中身としては、マイナンバーカードを組み込んだ形で、それを利用した形で障害者もオンラインで割引チケットは買えるようにするかどうかという検討が始まっております。それからもう1つは、高速道路において今までは事前に福祉事務所に行って手続きをしなければならなかったわけですけども、障害者手帳を見せるだけで高速道路の割引が受けれるようにしてほしいという声がいつ地方に行っても聞かされるんでありますが、これを実現する方向で検討してるという話もありました。それからもう1つ、ICカードで割引のサービスも受けれるようになるという動きも出始めました。すなわち、今ほとんど電車を利用する場合は、ICカードで乗る時も降りる時も精算するわけでありますが、我々の場合にはそういうICカードの割引サービスが利用できるのはごく一部の地方なんですね。例えば、関西にはスルッとKANSAIというICカードがありまして、これはJR以外の私鉄が全部加盟しているので、関西ではJR以外の私鉄を利用する場合にICカードで半額で電車に乗れるわけです。名古屋とか札幌の地下鉄も利用できるんだそうです。しかし、それが全国に広がってない中で、関東地区では来年の10月を目処にICカード化が進むということで検討が進められております。これを全国に広げるという、これをきっかけになればとも思ってるわけであります。まあもう1つ、我々直接関係ありませんが、精神障害者の方も割引の対象になるということも、今準備されてるということも報告がありました。そういう意味では、我々にとっての1つ1つの声が国に届いているということがこういう内容でも確認できるのかなと思いますので、是非とも我々の声は引き続き届けていきたいと思うんです。
もう1つ報告したいと思います。それはですね、ホームにおける安全対策ということと、無人駅における安全対策ということも、常に我々は声を出してるわけでありますが、この2つについて国土交通省で検討がされておりまして、中間報告がされております。無人駅においてはどういう安全対策が必要かということについて検討がされております。我々の希望通りにはなってるとは言いませんけれども、私たちの不安な思い、あるいは不便な思いが少しでも解消されていく流れが、こういう中間報告のとりまとめの中でも取り上げられておりますので、何としてもそういうことが形になるところまで働きを続けていきたいと思っております。9月に出たこの無人駅における安全対策についての中間とりまとめについては、どこかで詳しい報告をまた組織部か情報部から皆さんにしていただくことも考えたいと思っております。ガイドライン作りが進む中で、そのガイドラインの中でどういう形で私たちの声が含まれてくるかということに具体的になっていくのかと思っております。
道路におけるバリアフリーと言いますか、安全対策についてでありますが、この問題の中で信号の問題があります。音声の信号機が夜間は停止してしまうわけでありますが、この夜間に音声が止まってる場合に現に事故が起こっております。私の親友が、2年前に東京で残念ながら、早朝に音声が止まっている信号機を渡る時に、車に跳ねられて即死してしまいました。非常に悲しい、私自身も経験をしております。そういう夜間における音声信号機が、我々の危険を惹起するんではなくて、夜間であっても地域に反対されることなく我々が安全に横断歩道を渡るためにシグナルエイドという商品もあるわけですけども、これを全ての信号機について利用できるようにしてほしいというお願いをしてるわけです。そういう中で、夜間の音声信号機を作動させるための新しいシステムも出てきてるようであります。私は、正確にはまだ内容を理解してないわけでありますが、高度化PICSというシステムが開発されたそうです。これは、携帯端末のアプリを立ち上げて反応させると、その時だけピンポンピンポンという音声信号が作動するんだそうです。これが、まだ140台しか準備されてないようでありますので、これが全国にどう普及するかも我々は注目していきたいと思います。さらには、押しボタンを押すとその時だけ音声が出るというシステムも考えられているようであります。これらのいくつかの形が、どういう形で広がるにせよ、私たちが十分に安全に横断できるような仕組みを作っていただくための検討をお願いしていきたいと思っております。有識者会議などで私たちの声を引き続き述べながら、全国で安全な地域作りに結びつけていくまで、この声を出し続けていきたいと思っております。
5.同行援護
次に3番目に、同行援護について話を移します。同行援護事業は制度として出来てから10年が経ちました。この10年間で大きく広がってはきているんですけど、未だ同行援護事業のサービスを受けられない地域がまだあるって事は非常に残念であります。全国津々浦々で同行援護事業が利用できるそういう体制を作ることは、1つは引き続き考えていかなければなりません。と同時に、同行援護事業が実施されている地域においても、問題がたくさん起こっているわけです。それらを解決するために、個々の課題について同行援護事業所等連絡会と連携しながら厚労省との話し合いを持っております。
その中で、いくつかの動きがあるとして報告しなければならないのは、1つは、同行援護従事者の養成のためのテキストが改訂されて、これまで以上に電車とかタクシーの乗り降りとか、そういうことも含めたガイドヘルパーさんのより的確なサポートが受けられる養成のためのテキスト作りが進みました。
それからもう1つは、大事なのは今まではガイドヘルパーの養成を20時間で基本として養成してきたものを、30時間前後のより充実した内容にしてほしいってお願いをしてきたわけでありますが、この点が今検討されております。多分ですけれども、今まで20時間の養成研修というものが、28時間程度の養成研修を基本とする内容に組み替えられることになるだろうと思っております。そのための研究会で、そのまとめをしておられます。来年3月までにはその報告書が提出されて、近いうちには今の20時間研修から、28時間研修に変わっていくだろうと思います。ここの問題がさらに報告できる段階には今日は来てませんが、近いうちにこの1週間から2週間先になるかと思いますけども、同行援護事業所等連絡会の皆さんと厚生労働省に要望に行くことになっております。
6.就労問題
次に4番目に、就労問題について話を進めていきます。就労問題の中では目玉として報告したいのは、雇用と福祉の連携という事業の中で、通勤や職場介助が今まで以上にサービス提供を受けられるようになったことであります。すなわち、これまでは通勤・通学にはガイドヘルパーは利用できなかったんですが、その中で通勤についてはガイドヘルパーが利用できるようになりました。さらには、自営業者についてもガイドヘルパーが利用できるようにしてほしいという声が強かったわけでありますが、ようやくこの点についても自営業者が外出する時、往診に行く時とか、あるいは、さらには診療所の中でもサポートを受けたいって場面があるわけですね。例えば保険請求の書類を作成するとか、そういう時の支援を実施するための制度が去年の10月からスタートしました。まだまだこれも使い勝手も良くありませんし、普及もしていないわけでありますが、令和3年になってから大きく前進しております。29自治体でさらにこの福祉と雇用の連携による支援を開始するという情報が届いております。私の地元である京都市ではですね、この9月からスタートしました。その中で自営業者、あはき師とか、音楽の教授、お琴のお師匠さんとか、こういう人達がこの制度を利用していろいろなサービスを受けることができるようになりました。往療の場合、それからお琴のお師匠さんが弟子のところへでかける場合、音楽会に出かける場合、そういう時にもちゃんとこの同行援護事業ガイドヘルパーが利用できるようになってきております。こういうサービスを全国で周知する、全国で広げるためには、地方団体の皆さんにもこの制度を十分理解いただいて、自治体に働きかけていただくことが必要だろうと思っております。
それから私は、何としても日視連の中で1年を通じて就労問題を考える専門のチームを作りたいと思って、この間動いてきました。今日の時点ではまだ立ち上がってはおりません。この間、公務員の視覚障害者のみなさんに集まっていただいたり、あるいは新規受験の方々に一定のアドバイスをするってことはしてきましたけれども、今、現に働いている一般就労の方々が抱えてる問題を日視連として整理しながら国に働きかける、あるいは企業に働きかける、こういう事を行えるためのチームを是非とも立ち上げたいと思って準備を進めております。
今、厚生労働省の中で障害者雇用促進法の改正に向けた議論であるとか、あるいは福祉と雇用の連携策を更に充実させるための議論も進んでいるわけでありますが、それの詳しい報告は今日のこの議論の中では時間的にちょっと触れるのが難しいかなと思うので、項目だけ言っておきます。例えば一般就労と A型事業所との関係を今まで以上に垣根を取り除いて、 A型事業所で働いてる人が一般就労も経験するとか、一般就労している人が現場で難しくなった時に A型事業所でもういっぺんこれにトレーニングをやり直すとか、そういうことを今検討してるとか、あるいは障害者が就職しようとするときにA型事業所へ行く方がいいのか、一般就労がいいのかをアセスメントという形でふさわしい職場を検討する、そういうシステムも考えようではないかとか、あるいは福祉と雇用に精通した専門的なアドバイスができる人を育てようではないか、ジョブコーチという制度があるんですが、これを福祉制度にも精通したそういうジョブコーチを育てようではないかとか、こういう議論がされていることも報告しておきます。
7.あはき
次に、5番目になりますかね。あはきについて少し喋りたいと思います。あはき法19条訴訟が闘われているわけであります。これはご存知の通り、平成医療学園グループというところが4つの専門学校ないしは大学で晴眼者のためのマッサージの養成課程を設置したいということを国に申請して、国がそれを却下したために裁判を起こしてきたわけであります。そのために仙台、東京、大阪の裁判所でこの裁判が継続してきたわけでありますが、第1審の地方裁判所、第2審の高等裁判所で全て国の主張が認められて、平成医療学園グループの主張は退けられました。しかし、彼らは諦めておりません。その3つの裁判は現在、最高裁で審議されることで継続審議となっております。年内には判決はないかもしれませんが、来年には確実に最高裁の判決が言い渡されます。その最高裁において、万が一国が否決されることがないようにするためにも、国の主張が正しいんだということ、晴眼者の養成課程はこれ以上増やしては困るんだと、これ以上晴眼者のためのあんまマッサージの養成課程が増えると視覚障害者の働く場所はなくなるんだということを十分に裁判して分っていただいて、最高裁でも我々の声が届いた判決になることを運動してきたいと思っております。
次に、自営業者の関係ではですね、いくつかの動きが出てきております。先ほどですね、はり、きゅう、マッサージに対する福祉と雇用の連携による職場支援と言うか、おるいは往診、往療の場合のガイドヘルパーの話はしましたけども、それ以外のところで、例えば労災の関係の動きが出てきました。あはきの自営業者が労働災害保険の特別加入に入れるような制度はどうだと、すなわち、自営業者のはり、きゅう、マッサージ師が例えば往療の途中で事故にあったりすると、我々はあまり保証を受けられません。しかし労災の特別加入というものが実現しますと、仕事中の事故について労災保険による補償が受けられるようになる。こういうことが今、検討が開始されております。
それからもう1つ。自営業者の関係では、保険の取り扱いを1年前から実現してるわけでありますけども、この保険の取り扱いの中で、さらに今までに抱えている問題を解決するための議論を引き続きしていく必要があるということで、議論もされております。今はまだ具体的な報告できる項目としてありませんけれども、マッサージの取り扱いをどうするのかということについても議論されていることだけは、中間として報告しておきます。
8.教育分野
次に6番目には、教育分野について触れさせていただきます。日視連は、運動課題として教育問題を掲げてはいるんですけども、あまり十分な活動、取り組みはできておりません。そういう中にあって、今年少し動きが出てきました。それは何かと言いますと、筑波技術大学の鍼灸専門課程と、それから筑波大学の附属盲学校の鍼灸課程の問題と、そして全国の盲学校における理療課の現状の問題、これらを1つの塊として考えていく必要があるということで、筑波技大の学長、附属盲の校長、全国盲学校長会の会長さんと私が加わりまして懇談会を開きました。今後、引き続きこの懇談会で議論していくことになるわけですが、最も新しい情報として、付属の盲学校で鍼灸マッサージの課程の廃止につながる情報が入って来たので驚いております。そういう情報も入ってきた時だからこそ、理療科教育の将来をどうするのかということについてこの懇談会を中心に真剣に考えていく段階に来ているということを、今日の時点で報告させていただくことに止めます。非常にこの鍼灸の養成課程というものを我々は将来どう安定させるのかっていう事が緊急課題と私は思っております。全国の盲学校もそうですけども、筑波技大の鍼灸専門課程と合わせてこの問題をきちっと議論しないと、10年20年後にはあはき法19条どころか、我々にとっての将来性がこの教育分野から崩れてくるんではないかということを心配しております。
次に、盲学校でもデジタル教育が進展しつつあるわけですけれども、この分野において日視連として何をすべきなのか、どういうことが支援として考えられるか、これも検討しようということにはなっているんですけど、今日の時点で残念ながら、まだ報告できるような内容にはなっておりません。1日も早く全国の盲学校や統合教育を受けてる児童生徒がですね、デジタル化、デジタル教育に置いてきぼりを受けないような形で日視連としてのサポートができることを何か考えてみたいと思っております。
9.文化芸術活動
次に、7番目であります。文化芸術活動であります。この分野についてはオリパラの所で少し触れた程度のことはありますけれども、それ以外のところとしては、パラリンピックを日本で行ったことによって障害者スポーツはどれだけ一般に知られたか、あるいは地域にどれだけ障害者スポーツが広がるかということが、何て言いますかね、我々は一番大事にする必要があるわけですけども、よく言うレガシーというやつですかね、パラリンピックがどういう遺産を残してくれるのか、どういう広がりを我々にもたらしてくれるかということになるわけでありますが、この部分は、あまり今のところ形になっていないのかなという風に率直に感じております。
芸術分野ではですね、来年2月に滋賀県で開催される障害者の文化芸術祭典の中で、音楽協が初めて出場することになりました。それは1つの前進ではありますけれども、もっともっと視覚障害者の音楽家がですね、活躍する場を広げるということをもっとできないかいう事を皆さんと共に考えたいし、日視連としても何らかの提案ができるようにしていきたいと思っております。
10.災害対策
8番目であります。災害対策です。日視連の災害対策は独自のものとしては災害地に対する見舞金等の配布をしてきてるわけでありますけれども、それだけでは不十分でありますから、これは日本盲人福祉委員会との連携によって進めてきております。今年は災害支援員というものが登録制度としてスタートしてるわけでありますが、それのさらなる取り組みの一歩として、12月19日からですねステップアップ研修というものを予定しております。こういう研修会を通じて、災害時に全国のどの地域に対してでも、専門的な知識やあるいは供えを持った支援員が現地に駆けつけて、直ちに支援体制を作る個々の被災者の支援に動き出せるというものを、より確実にしていきたいと思っております。
ちなみに、熱海とか北九州で災害も発生してるわけでありますが、日視連がお聞きしてる限りでは、視覚障害被災者は出ていないと聞いておりますので、特別に今日は報告する項目はございません。
11.合理的配慮
次に9番目に、合理的配慮というテーマで少し報告したいと思っております。ご存知でしょうけれども今年の5月に、障害者差別解消法が改正されました。そして、これまでは努力義務とされていた民間企業の合理的配慮の提供が法的義務に格上げされました。それ以外にも改正があったわけですありますが、現在はその5月に法律が改正された障害者差別解消法を実施するための基本方針の改訂作業が、障害者政策委員会で進められております。いろんな項目があります。相談体制をどう確立するのか、あるいはたらい回しにされないようにはどうしたらいいのか、あるいは現実に差別が起こった時にどういう形で解決するのか、好事例というものをどうやって活かしていくのか、また地域協議会というものがあるんですけど、この地域協議会がより地域で問題解決のためにどう動けばいいのか、これらを基本方針の中で検討するわけであります。国と都道府県と市町村の役割というものも考えながら、どう連携するかということも議論され始めております。これらの問題が基本方針の中できちっと定められると、その今度は改定された基本方針に基づいて各省庁が対応要領、対応指針の改定を行います。そういう一連の作業が進んだ後に、多分再来年の4月ぐらいになるでしょうかね、障害者差別解消法がいよいよ改正法のスタートということになるわけであります。今、その作業の途中だということをお伝えします。
ちなみに、相談体制の確立に向けては、名古屋の田中会長がこの相談体制の検討会の検討チームの委員として派遣されております。
12.ワクチン接種
次に、10番目の報告であります。ワクチン接種について少し先ほど報告しましたけれども、このワクチン接種について予防接種のことは報告したんですけれども、それだけじゃなくて残念ながら感染してしまった人に対して、十分な看病体制と言うんでしょうか、あるいは治療体制と言いましょうか、そういうものができてるかということも議論してきました。いくつかの事例も報告をお聞きしております。今のところ視覚障害があるために十分な治療が受けられなかった看病もうけられなかったということにはなってはいませんけれども、こういう体制がこれからもきちっと全国の自治体に届くことが必要だろうと思っております。現に感染した視覚障害者の体験というものを、場合によってはペーパーにして報告書にしてこれを自治体に届けるということも必要かなということも考えております。まだまだこの問題は終わらないと思いますので、そうした好事例も皆さんに報告できればなと思っております。自治体に届くということがもっと大事かもしれません。
13.日視連の活動
今日の報告の最後になりますが、日視連そのものの動きであります。日視連の全国大会は、今年も残念ながらオンラインの形でやるしかありませんでした。来年名古屋で大会の準備を進めておりますけれども、現在のところはハイブリッド方式と言いましょうか、一部の方には名古屋に来ていただく、そうじゃない方々についてはオンラインで全国を繋ぐ、すなわち全国の代表者だけを名古屋にご参加いただいて、それ以外の会員の方々は各地方でオンラインで参加していただくというシステムを今準備していきたいと思っております。
それ以外のことで申しますと、この1年間は理事会も評議員会も、あるいはブロック長会議も団体長会議も、オンラインで進めてきてるという状況であります。これから先は、こうしたオンラインでの委員会や、それから組織運営や各研修会などが広がっていく、安定してくんだろうと思いますけども、そういうオンラインでの研修の中でも、我々視覚障害者が十分な研修も受けられる、組織運営に参加できる、そういうことも考えていくことになるんだろうと思っております。オンラインという名で私達の交流ができなくなるということは非常に残念ではありますけども、新型コロナが早く収まって元の我々の生活が取り戻したいということになるかもしれませんが、多分ですけども、元の形を取り戻すというよりは新しい生活スタイルというものがこれから作られていくんだろうと思いますけれども、その時に我々の外出の自由も、オンラインによるコミュニケーションも、全てがうまく噛み合った形で新しい時代を迎えることになればと思っております。
私の報告は以上です。
3 視覚障害者協会の動き 会長 片岡 美佐子(かたおか みさこ)
このコーナーでは、令和3年7月~12月末までの活動内容を大まかに報告いたします。
毎月第1火曜日13時から16時まで、本会事務所において相談窓口を設置しています。
7月 3日(土) オンラインで社会福祉法人日本視覚障害者団体連合(日視連) 弱視問題対策部会総会
7月26日(月) オンラインで日視連 正副会長会議
8月 6日(金) オンラインで日視連 理事会
8月 8日(日) センターでヨガ教室
8月11日(水) 県庁で県と協会との意見交換会 読書環境の充実を図るため、岡山県視覚障害者センター(センター)に対する予算要求
8月12日(水)~9月30日(木)第29回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会 in 岡山 YouTubeで視聴
8月16日(月) 岡山県総合グラウンド陸上競技場で、東京2020パラリンピック聖火リレー 岡山県聖火フェスティバル YouTubeで視聴
8月17日(火) オンラインで日視連 令和3年度 スポーツ協議会 代表者会議
9月 1日(水) 第67回 全国視覚障害 女性 研修大会(鹿児島大会) YouTubeで視聴
9月10日(木) オンラインで日視連 加盟団体 支援プロジェクト委員会
9月19日・20日(日・月)第67回 全国視覚障害青年研修大会(神奈川大会) YouTubeで視聴
10月 3日(日)本会表彰委員会・理事会
10月 5日(火)オンラインで日視連と日本眼科医会との意見交換会
10月 6日(水)オンラインで日視連 正副会長会議
10月 6日(水)センターでさんすい川柳・短歌教室
10月 9日(金)オンラインで日視連 弱視問題対策部会 令和3年度 第2回委員総会
10月14日(木)センターでヨガ教室
10月18日(月)岡山市民会館で、本会顧問 あいさわ一郎 選対会議
10月19日(火)本会顧問 橋本がく 出陣式
10月26日(火)岡山県立岡山盲学校 学校運営協議会
10月27日(水)本会 勝英支部を美作支部へ名称変更
10月27日(水)センターで、視覚障害者多機能型事業所みずのわ 歩行訓練士の研修依頼について、みちしるべと事業所と懇談
10月28日(木)倉敷市民会館で、本会顧問 橋本がく 総決起大会
10月29日(金)オンラインで日視連 令和3年度 全国団体長会議
10月30日(土)笠岡市の加藤勝信(かとう かつのぶ)事務所訪問
11月 2日(火)岡星寮(こうせいりょう)で、法人(本協会)・岡星寮監査
11月 8日(月)ほっとプラザ大供で令和3年度 社会福祉施設 整備等審査会
11月11日(木)オンラインで日視連 令和3年度 中間監査
11月11日(木)センターでヨガ教室
11月15日(月)県議棟で自民党へ陳情 視覚障害者等、読書環境の充実を図るための予算要求。点訳朗読奉仕者養成講座の募集案内を、令和4年県の広報誌「晴れの国おかやま」2月号へ掲載していただけることになりました。
11月21日(日)きらめきプラザで、第63回岡山県視覚障害者福祉大会
11月25日(木)センターで倉敷市、新中央斎場建設のバリアフリーについて懇談
11月26日(金)日本視覚障害者福祉センターで、日視連 理事会
11月28日(日)センターで点字を楽しむ会
11月28日(日)倉敷アイビースクエアで、本会顧問 千田博通県議会議員 役員総会
11月29日(月)きらめきプラザで第7回 岡山県バリアフリー等 地域連絡会議
12月 1日(水)センターでさんすい川柳・短歌教室
12月 8日(水)オンラインで日視連 ブロック長会議
12月26日(日)倉敷アイビースクエアで、本会顧問 衆議員 橋本がく さらに前に進む集い 2021
以上、関係の皆様には、大変お疲れさまでした。ありがとうございました。
4 第63回岡山県視覚障害者福祉大会の報告 副会長 川口 常雄(かわぐち つねお)
第63回岡山県視覚障害者福祉大会は、11月21日、岡山市北区南方2丁目13-1の岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館(きらめきプラザ)において、さわやかな秋晴れの中、会員・関係者120余名が参加して開かれました。
第1部の式典では、片岡美佐子会長の開会の挨拶に続き、組織功労の会員に対する表彰状、点訳・朗読奉仕活動の感謝状等の贈呈が行われ、来賓の皆様から祝辞をいただきました。
第2部の議事では、大会決議処理報告ならびに令和2年4月~令和3年10月事業報告、令和3年4月~令和4年10月運動方針ならびに事業計画に続いて、大会宣言と7項目の決議を採択しました。
議事終了後、視障協文芸作品授賞式が行われ、川柳・俳句・短歌と3部門、各々3名の表彰と作品の紹介がありました。最後に閉会の挨拶とコロナ禍でもあるので、心の中で視障協のさらなる発展を願って万歳三唱をして、盛会の内に閉会となりました。
この大会で決議された要望事項は次のとおりです。
(1)「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)に基づいて、地方自治体が計画作成と予算化を進めるよう要望する。
(2)同行援護事業所、従業者数を確保するとともに、同行援護事業における地域間格差をなくし、個人のニーズに合った支給量を得られるように要望する。
(3)重度障害者等就労支援特別事業として、通勤に同行援護が利用しやすいものにすることを要望する。
(4)あん摩師等法19条を死守し、視覚障害あはき師への支援策の確立や無資格医業類似行為者の取り締まり強化によって、視覚障害あはき師の生計と職業領域が維持されるよう要望する。
(5)視覚障害者が必要とするすべての交差点への、音響式信号機、エスコートゾーンおよび誘導用ブロックの設置を要望する。
(6)スーパーマーケットやコンビニ等がセルフレジ化した場合でも、視覚障害者が1人で利用できるよう、店員(支援者)の配置や、店員対応のレジを残すことを要望する。
(7)視覚障害者が使いやすい音声機能対応のフィーチャーフォンの製造を続けていただくよう要望する。
5 令和3年度 岡山県視覚障害者協会主催文芸作品コンクール結果報告 担当理事 竹内 昌彦(たけうち まさひこ)
今年度も多くの方からたくさんの応募があり、関係者としてうれしく思うと同時に、ご協力くださった皆さんに心から感謝いたしております。
今回は川柳に12名から35句、俳句に9名から26句、短歌に11名から30首が寄せられました。その中から入選された作品をご紹介します。川柳の場合は作品が多いこともあり、今年度も佳作を3句選んでいただきました。来年度も今年と同じように行いますので、皆さんふるってご応募ください。お待ちしています。
文芸作品審査結果および講評
《川柳の部》
選者 従野 健一(よりの けんいち)先生
天:松下 陽子(まつした ようこ)さん
空高く 供えたような 柿ひとつ(そら たかく そなえたような かき ひとつ)
(評)秋も深まってくると、柿もだんだん減り、ついにはひとつになったとき、下から見ると、供えたような柿に見えるのです。「供えたような」の表現がうまい。
地:久保 瞳(くぼ ひとみ)さん
母の背が 生きる私の 羅針盤(ははの せが いきる わたしの らしんばん)
(評)母は子供の頃から、褒めたり、叱ったり、して懸命に育ててくれる。いつになっても母はよき鏡です。
「羅針盤」の表現がよかったです。
人:竹内 昌彦(たけうち まさひこ)さん
何食べた 母の電話は 糖度100(なに たべた ははの でんわは とうど 100)
(評)母と電話をしていると、つい長くなり、いつも心配してくれる。いつになっても、優しさが。「糖度100」の表現がよかったです。
佳作1:中村 恒子(なかむら つねこ)さん
土砂降りを 泳いで帰る 濡れネズミ(どしゃぶりを およいで かえる ぬれねずみ)
(評)今はあっというまに土砂降りになり、でも、急いでいるときは、走って帰る。「濡れネズミ」がよかった。
佳作2:柴田 富夫(しばた とみお)さん
新米の 握り飯こそ 秋の味(しんまいの にぎりめしこそ あきの あじ)
(評)秋空で、おにぎりを食べるとおいしい。それが、新米となれば、なおさら。「新米の握り飯」でじゅうぶん、秋のようすが出ています。
佳作3:川田 弘美(かわだ ひろみ)さん
神様が 笑った夢が 実りそう(かみさまが わらった ゆめが みのりそう)
(評)神様に、お願いすれば、なんとか気持が収まる。でも、怒られたり、笑ったり、結構楽しくもある。「神様が笑う」とは、おもしろい表現です。
《俳句の部》
選者 土師 康生(はじ やすお)先生
天:藤澤 弘一(ふじさわ ひろいち)さん
勾玉に似たる形の胡瓜もぐ(まがたまに にたる かたちの きゅうり もぐ)
(評)勾玉は、「曲がっている玉」の形状がそのまま名前になったらしい。上五で勾玉を思い浮かべ、中七の説明から、下五で決着する。季語の「胡瓜」を結句に置いたことで、句が落ち着いたものとなった。
地:小林 政利(こばやし まさとし)さん
リンゴ買う善悪を知る罪の実を(リンゴ かう ぜんあくを しる つみの みを)
(評)楽園に住むアダムとイブは蛇に「食べれば賢くなれる」と誘われ、禁断の実を食べる。そして、賢くなる=善悪を知る=己の罪を知る人になってしまった。本能を除けば、人間に最後に残る欲は、知識欲とも聞く。
それも悲しいことかもしれないと考えさせられる一句。
人:川田 弘美(かわだ ひろみ)さん
大輪の向日葵塀を越えにけり(たいりんの ひまわり へいを こえにけり)
(評)正岡子規は「ありのまま」を詠むことを説いた。この句もありのままの情景を詠みながら、印象深い味わいがある。
《短歌の部》
選者 土師 康生(はじ やすお)先生
天:武藤 孝夫(むとう たかお)さん
患者の硬き肩を揉むなり深爪の指にずうんと力を入れて
(かんじゃの かたき かたを もむなり ふかづめの ゆびに ずうんと ちからを いれて)
(評) 句を七音でスタートさせているが、この歌では「硬き」が効いていて、必要な字余りと言える。「深爪の指」といった具体性、「ずうん」という副詞の表現を取り入れて、歌が読む者に迫ってくる一首である。
地:藤澤 弘一(ふじさわ ひろいち)さん
薄ピンクに熟せし梅を収穫す軽くつまめば掌に落つ
(うすピンクに じゅくせし うめを しゅうかく す かるくつまめば てのひらに おつ)
(評)「軽くつまむ」という具体的な動作の表現がよい。歌末を「落つ」という古語の終止形で止めたことも効果的である。
人:久保 瞳(くぼ ひとみ)さん
遠くからキャンディ売りの笛の声5円握って追いかけた夏
(とおくから キャンディーうりの ふえの こえ 5えん にぎって おいかけた なつ)
(評)私の幼かったころ、おやつは「はったいこ」や「ふかし芋」が主だった。キャンディはちょっとしたぜいたく品であった。作者の弾む心がよく表現されている。本来、声と音は同じ意味であり、ここでの「笛の声」を「音」に改めなくてよい。郷愁漂う昭和の夏である。
6 点字に親しむ会報告 担当理事 大賀 淳(おおが じゅん)
11月28日(日)10時から12時、岡山県視覚障害者センターで開催。参加者は11名。点字校正問題の出題は点字技能師の竹野磨智子さん。
点字校正問題は、点字用紙1枚に書かれた文章の中の文字と分かち書き(マスアケ)の誤りを見つけ、丸付け用赤青鉛筆で印を付けて得点を競います。
点字の手紙や広報誌などを読んでいる方には、簡単に解ける程度の問題です。
校正問題の他にも、クイズやゲームで楽しく点字のルールを学びながら、皆さんと交流を深めることができました。
成績は以下の通り。
1位 浅野 紀美江(あさの きみえ)さん
2位 藤澤 弘一(ふじさわ ひろいち)さん
3位 大賀 淳(おおが じゅん)さん
7 本会関係者の栄えある受賞者
第71回障害者自立更生等厚生労働大臣表彰において、身体障害者又は知的障害者の社会参加の促進のため、率先して障害者対策(事業)を実施し、その内容が特に顕著であると認められる者に授与される「社会参加促進功労者表彰」に竹内 昌彦副会長が選ばれました。国内での講演活動、海外での視覚障害者支援が評価されました。お体を大切になさって、末永くご活躍ください。
コロナ禍でなければ天皇から授与される大変名誉ある大臣表彰です。
岡山県総合社会福祉大会は今年、新型コロナウイルスで開催中止となりましたが、表彰は従来どおり行われました。
門木 昇さんが心身障害者福祉功労で、 朗読ボランティアの伊丹 明美(いたみ あけみ)さんと岡星寮職員の有本 玲子(ありもと れいこ)さんが社会福祉功労で、岡山県知事表彰を受賞されました。
岡山県保健福祉部長表彰は 身体障害者福祉功労で福原 隆行(ふくはら たかゆき)理事、社会福祉功労で朗読ボランティアの辻田 峯夫(つじた みねお)さんと点訳ボランティアの藤原 美雪(ふじわら みゆき)さん、みちしるべ職員の東 直美(ひがし なおみ歌詞さんと岡星寮職員の渡辺 弘(わたなべ ひろし)さんが表彰されました。
皆様に心よりお祝いを申し上げますとともに、ますますのご活躍をお祈りいたします。
次に11月21日に開催されました本会主催の第63回岡山県視覚障害者福祉大会では、以下の顕彰をいたしました。
本会の活動によく協力し、社会生活においても他の範となすべき実績をあげている方にお贈りする会長賞に岡山支部の岡田 保子(おかだ やすこ)さん、篠原 春樹(しのはら はるき貸さん、下津 恵美子(しもつ えみこ)さん、須川 和洋(すがわ かずひろ)さん、倉敷支部の古川 陽一(ふるかわ よういち)さん、津山支部の小坂 幸司(こさか こうじ)さん。
これからも皆様のご協力に支えられて、会を運営してまいります。引き続きよろしくお願い申し上げます。
また、長年にわたり点訳・朗読奉仕活動を続けてこられたボランティアの方に感謝状とささやかな記念品を差し上げ、日ごろの感謝の意を表しました。
倉敷音訳の会の佐藤 節子(さとう せつこ)さん、西原 慧子(にしはら けいこ)さん
津山朗読ボランティアの会の柴田 真由美(しばた まゆみ)さん、富山 マリ子(とやま まりこ)さん、本山 孝子(もとやま たかこ)さん
ともしび点訳グループの小松原 伸二(こまつばら しんじ)さん
朗読ボランティアグループふらここの濵口 智子(はまぐち さとこ)さん
朗読ボランティア レディーボイスの入江 寿美江(いりえ すみえ)さん
皆様のおかげで読書の世界が広がり、人生が豊かで潤いのあるものとなります。心よりお礼を申し上げます。
次に本会が主催する旅行を長年にわたりサポートしてくださっている下電観光バス株式会社さんにも、感謝状で謝意を表しました。心のバリアフリーを実践し、視覚障害に配慮した旅行をいつもありがとうございます。
本会に関係する受賞された皆様、誠におめでとうございました。
8 眼の障害で2級または3級の障害年金を受給されている方へ
「眼の障害」の認定基準の改正による額改定請求のご案内
厚生労働省、日本年金機構
令和4年1月1日から「眼の障害」の認定基準を一部改正します。
改正のポイント
1 視力障害の認定基準を改正します。
良い方の眼の視力に応じて適正に評価できるよう、「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」による認定基準に変更します。
○眼の障害で2級または3級の障害年金を受給されている方については、「眼の障害」の認定基準の改正(令和4年1月1日改正)により、障害等級が上がり、障害年金額が増額となる可能性があります。
○認定基準の改正に伴って、障害等級が上がり、障害年金額の増額を希望される場合は、令和4年1月以降、額改定請求のお手続きを行ってください。
○額改定請求の具体的な手続き方法やご不明な点については、文末でご案内している「ねんきんダイヤル」またはお近くの年金事務所や年金相談センターまでお問い合わせください。
【額改定請求に当たっての注意点】
・「眼の障害」の認定基準の改正に伴う額改定請求は、令和4年1月以降いつでも行えます。
・額改定請求の結果、障害等級が上がり、障害年金額が増額改定される場合、請求された月の翌月分から障害年金額が増額となりますので、該当される方は、令和4年1月以降、お早めに額改定請求のお手続きを行ってください。
・現在、3級の障害厚生年金を受けている方のうち、1級または2級に該当したことがない方については、65歳を過ぎてからの額改定請求は行えません。
【ねんきんダイヤル】
0570-05-1165
050から始まる電話でおかけになる場合は(東京)03-6700-1165
<受付時間>
月曜日(午前8:30~午後7:00)
火~金曜日(午前8:30~午後5:15)
第2土曜日(午前9:30~午後4:00)
※月曜日が祝日の場合は、翌日以降の開所日初日に午後7:00まで相談をお受けします。
※祝日第2土曜日を除く、12月29日~1月3日はご利用いただけません。
【年金事務所や年金相談センターの所在地】
https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html
9 編集後記 岡山県視覚障害者センター所長 川田 忠茂(かわだ ただしげ)
視障協だより令和4年正月号をお送りします。
例年1月1日に発行する視障協だよりでは、様々な活動報告をしていましたが、今号はそれらが昨年度に続き新型コロナのため、ほとんどが中止となりました。
活動のあった行事報告と、竹下日視連会長の声の日視連・国の動きなどの中央情勢報告をいただき、入れています。約45分の音声メッセージです。
この中の「8 教育」で、盲学校の職業教育過程の理療科に関し、動きがある旨話されていました。今後見守っていく必要があると思われます。
一同に集まっての会議を避けるため、多くの方面で、ズーム会議が催されました。
この1年点字図書館関連でも、ズーム会議が多数催され、職場にいながら参加できることもあり、研修参加者が顕著に増えたことがありました。予想していなかったメリットの一つだと思います。
来年度の日視連第75回全国視覚障害者福祉大会(名古屋大会)は、ハイブリッド方式で、代表者が名古屋に集まり、他の会議はオンラインで計画されています。
最近は新型コロナ感染者数が0か一桁が続き、トンネルの先が見えてきた気もしますが、まだ、先行きは未確定です。
次号のたよりが皆様のお手元に届くころまでには、日常生活が元に戻ることを期待し、編集後記を終ります。