視覚障害者センターだより 〜ロバと五つのにんじん〜 平成27年11月(通巻302号) 発行 岡山県視覚障害者センター 郵便番号 700−0927 岡山市北区西古松268−1 電話 086−244−1121 FAX 086−244−1043 Eメール ossfc@nifty.com 声の欄は随時募集しています。 内容とその形式は問いませんが、ワープロやエディタのデータ、あるいはメールが可能な方は、これらでいただければ大変助かります。 皆さまからの原稿をお待ちしています。 読み始めたら途中でやめられなかった面白い本、おいしかった飲食店、便利グッズ、趣味など何でもけっこうですので、ぜひ声の欄に原稿をお寄せください。 センター便りは、ほぼ同文のものをセンターの点訳・音訳奉仕員に配布しています。 「声」欄の内容を奉仕員にもお届けすることになりますので、ご了承ください。 今月の内容  お知らせ(4件) ・平成27年度中国ブロック三療研修会のご案内 ・メンタルマップの紹介 ・文芸作品コンクール作品募集について ・声 影山 智雄さんから「続原尾島キッド2」   ・声 岡ア 起惠子(たえこ)さんから「わたしは勝った!」 ・原本価格で「日米の架け橋 ヘレン・ケラーと塙保己一を結ぶ人間模様」が発売されました。 ・「視覚に障害のある方のICT機器活用法」iPad・iPhoneユーザー交流会 新刊案内をお伝えします。 《 お知らせ 》 1.2015年12月の休館日と図書整理日   休館日は毎週火曜日と23日(水)の天皇誕生日です。   また、年末年始の休館日は12月28日(月)〜28年1月4日(月)です。   図書整理日は24日の第4木曜日です。この日は終日留守番電話対応とさせていただきます。 2.初心者対象音声パソコン講座のご案内   今年度も当センターの登録者を対象にした音声パソコン初心者講座を実施します。   今年からは、受講される方の時間に合わせる形式のみとします。   原則4日間、1日3時間、延べ12時間の講座になります。   センターの開館時間が9時〜17時のため、最も遅い場合でも、17時には終了します。     以前受講された方も、もう少しスキルアップを目指す方でも、その内容によっては対応が可能かもしれません。   講座を受けてみようと思われる方は、希望する4日間をお知らせください。   講師の都合のため、日時を変更していただくこともあります。 3.点字に親しむ会のお知らせ   2015年度の「点字に親しむ会」を次のように開催いたします。   例年通り点字に関するゲーム・クイズ・読みの問題等で2時間余りを楽しみたいと思います。   点字のルールに自信のない方も、お気軽にご参加ください。   なお、参加された方には、ささやかですが昼食を差し上げます。 とき 11月22日午前10時〜12時 電話 086−244−1121 場所 岡山県視覚障害者センター 参加申し込み 11月19日(木)までに、電話で視覚障害者センターまでお申し込みください。 4.秋の歌声   11月29日午後1時半より視覚障害者センターで、例年通り「秋の歌声」の集りを持ちたいと思います。   さわやかな秋の午後、アコーディオンとギターをバックに思いきり歌って過ごしましょう。   前もっての申し込みは不要です。   昨年から新しい歌集も加わっています。 ◇平成27年度中国ブロック三療研修会のご案内 主催 岡山県マッサージ師会・岡山県視覚障害者協会 日時 11月29日(日)10時〜15時15分 場所 ピュアリティまきび       〒700−0907 岡山県岡山市北区下石井2−6−41       TEL 086−232−0511 日程 受付 9時30分〜10時 講師 筑波技術大学保健学科准教授 藤井 亮輔先生 講演 10:10〜12:10 演題 あん摩マッサージ指圧の姿〜業・教育・研究の現状と課題を中心に 12:10〜13:00 昼食 13:00〜15:15 研修 演題 慢性膝痛に対するマッサージ療法の実際 受講料 2,000円(付き添いの方は昼食代実費)  なお、この研修会では東洋療法試験研修財団より6単位が取得できます。 締切 11月10日 申し込み先 一般社団法人岡山県マッサージ師会 〒714−0081 岡山県笠岡市笠岡3046 TEL0865−62−2455 担当:玄場義明までお願いします。 ◇メンタルマップの紹介  視覚に重度の障がいがあって困ることには、情報入手と移動の困難があります。  情報入手に関しては、音声パソコン、サピエ図書館などを利用すれば、様々な情報を選択する時代となりました。  しかし移動の自由度は情報入手に比べるとどうでしょうか。  白杖・盲導犬を利用し単独歩行されておられる方は、各自がメンタルマップ(頭の地図)を描き、様々なランドマークで確認し、移動していると思います。  「岡山県視覚障害者センター」では、皆様がメンタルマップを作るのに役立つ「岡山県下の主要部分」のデータ作りに2013年4月から取り組み、ようやくいくつか公開できるようになりました。  サピエ図書館に完成したものから順次登録していきます。  登録するデータ形式は、点字・音声デイジー・テキストデイジーです。  これらを何度も読み返し、メンタルマップが作れれば、移動の自由がかなり獲得できます。  ふるってご活用ください。  サピエ図書館からの入手が困難な方で、点字印刷物、音声デイジー・テキストデイジー・点字データ・テキストデータ(word版)が必要な方はお知らせください。  データの中には店名など多くの固有名詞が出てきます。  これらは、しばしば変わるため、今後定期的に中身をチェックし、データを更新していく予定にしています。 ◇文芸作品コンクール作品募集について  本会(岡山県視覚障害者協会)では恒例の文芸作品コンクールを今年度も実施します。  内容は短歌、俳句、川柳の3部門で、応募は各部門とも一人3首または3句以内で未発表のものといたします。  なお、川柳の場合は3句の内、1句以上は「渡す」(荷物を渡すなどの渡す)という言葉に関連したものにしてください。  残りの句は自由とします。  また、普通文字で応募される場合は、短歌・俳句・川柳とも作品に必ず振りがなを付けてくださるようお願いいたします。 応募方法 郵便・FAX・メールのいずれか 送り先  〒700−0927 岡山市北区西古松268−1                岡山県視覚障害者協会 事務局         FAX番号   086−250−9913        メールアドレス  ossk-33@po1.oninet.ne.jp  選者は土師 康生(はじ やすお)先生 (「龍」(りゅう)短歌会同人)  問い合わせは、竹内 昌彦(たけうち まさひこ)まで (電話086−275−0112)  応募締切は平成28年1月10日(日)必着  なお、各部門とも天(てん)・地(ち)・人(じん)に入選された方には記念品をお送りいたします。  また、応募くださった皆さん全員に参加賞を考えております。  皆さん奮ってご応募下さい。 《 声 》 続原尾島キッド 2 センター利用者 影山 智雄  (原尾島キッド)  〜空を見たけりゃ食堂の屋根〜  岡盲の寄宿生には、二通りの形がありました。  一つは今でいうところの文科省直轄の学校付属のもの。  そしてもう一つは厚労省直轄の児童福祉施設〜この解釈に間違いがあれば謹んでお詫びいたします。〜  岡盲の場合は、盲児施設岡星寮です。  昭和25年あの大きな火災のあった年、岡星寮が開所し、そのためもあってその年の新入生は今までにない位多かったのだとか。  そして6月1日大元の地、西古松の寄宿舎の一角に炊事場の付いた10畳ほどの和室1部屋が完成して、寄宿舎生と寮生が部分的に独立した形をとっていくことになったのです。  しかし、それも束の間、半年ほどであの火災となり、寄宿舎生も寮生もほとんど一緒に生活することになりました。  そして26年の同盟休校と、授業どころではない日々を過ごしていたのです。  それにもかかわらず入学してくる生徒数は増加する一方で、学齢期も標準に近づき、若い人達がさらに増えました。  昭和27年度当時、新築の建物は朝日寮と平和寮のみ、部屋数は10畳が6つ、そして暁寮が2つ、そこに寄宿舎岡星寮二つの組と男女の兼ね合い、本当にすし詰め状態でした。  私は原尾島の盲学校で10年お世話になりましたが、その間ずっと建築ラッシュが続いていました。  校内西側の運動場をつぶして、新校舎の建設が始まりました。  中央道路の東側には校門、入ってすぐの所にバスの車庫と運転手さんの家族のための寮、その南に大きな炊事室を備えた食堂は、これは今でいえば多目的ホールのようなもので講堂にもなりました。  朝日寮の西と食堂の間に、石炭で沸かせる風呂場と炊事の先生の仮眠室、平和寮と食堂の間に洋室1部屋と和室5部屋を備えた舎務室〜ここには放送設備が整って、舎務室の南側の広場で朝のラジオ体操ができるようになります。  この頃のキッズ(悪がき)の興味は建築現場の大工さんと遊ぶこと、そして夜になると、建築現場に入ってどこまでできたのかを確かめることでした。  昭和28年の秋、この年の岡盲創立45周年の行事はとてもにぎやかなものでした。  夏休みが終ると、運動場をつぶして完成した北館(中等部棟)と南館(小学部棟)への引っ越しがあり、落成式も兼ねて新しく建った食堂を使い、とてもにぎやかだったのです。  その一方で、岡星寮でも新しい宿舎の準備が着々と進んでおり、新しい住まいは門田屋敷の三勲小学校の斜向かいにありました。  昭和25年、岡盲への入学とともに岡星寮に入れていただくことが決まっていました。  その理由は満州からの引き揚げ者の子供であったことです。  そしてこれが基で学生生活に色々な変化を与えてくれることとなりました。  昭和29年の夏、岡星寮の第1期分が完成し、生徒達(寮生)がスムーズに通学できるかどうかの試みが始まりました。  これから先20年ほどの間(三勲寮)という愛称で呼ばれた場所から原尾島への通学がスタートしたのです。  まるで普通の民家を思わせるようなたたずまいで、南北を走る国道2号線沿いにかわいらしい門がありました。  そこを西向きに入ると西北の角にかわいらしいという感じで、6畳2間と、炊事場に風呂を備えて、玄関脇には洋室の6畳ほどの治療室も備えられた木造平屋建ての建物、ここが岡星寮(三勲寮)のスタート地点でした。  まず7月から1カ月交代で、8人ほどのグループに分かれて通学の練習が始まりました。  本来は寄宿舎生のお兄さんの手も借りて、小学部生から高校生までのチームが編成されました。  私はこの1番最初の組に入れられました。  そして翌年には2階建ての本館と平屋建ての食堂、風呂場が完成し、通学も学期毎の交代となりその生活にも段々慣れていったのです。  昭和30年6月1日、この日は岡星寮誕生5周年記念の式典が、原尾島の食堂でにぎやかに、そして華やかに行なわれました。  原尾島でも寄宿舎ではテニスコートの空地に儒教寮が、学校では小学部棟の南に特別教室を中心にした高学年の教室の建物、更にその南には上下2教室ずつを備えた2階建ての建物も完成していました。  そんなこともあってか、岡星寮5周年記念は当時では珍しいpA装置も借りてきて、本当に楽しい会が開かれたのでした。  寮生は三勲寮に入り切れない人数を残して、その拠点を門田屋敷に移していました。  三勲寮はその敷地いっぱいに建物が建つために、余分な場所はほとんどありませんでした。   それでまず困るのは、布団干しです。  そこで考え出したのが食堂や炊事場、そして風呂場のある建物の屋根です。  1番最初にできた平屋を旧館、そして次にできたものを新館と呼んでいたのですが、その新館の2階の窓から食堂の屋根に降りて、そこに布団を敷き詰めて干すのです。  〜空を見たくなりゃ食堂の屋根〜  干すだけならまだいいのですが、秋になって気候が良くなると干すのは布団ばかりではなく人間も……。  干してあるはずの布団の上で眺めた空、感じた風はとてもさわやかでした。  また、上ったところは屋根ばかりではありません。  移転してきた原尾島でも、キッズ達はすでに朝日寮や平和寮の天井裏散歩を盛んに行なっていました。  ところがその中にそそかっしいのがいて、天井板を踏み破りそのまま落ちてしまった者がいました。  そのため、舎監の先生からお叱りを受け、この遊びは禁止とされてしまったのでした。 《 声 》 わたしは勝った!            センター利用者 岡ア 起惠子(たえこ)  「先生、らい病ってどんな病気?」  わたしが先生にそう聞いたのは、小学校1年生のお弁当の時間でした。  「あんた、汚いこと言いなさんな……」  それが先生の答えでした。  子供って、とんでもない時に、とんでもない質問をしたりするものですよね。  わたしも、ラジオか何かでそんな病名を聞き、それがとても「大変な」病気だということを、なんとなく記憶していたのでしょう。  でも、先生の思いがけない答えは、無知な子供にとって、衝撃以外の何物でもなかったのです。  それ以来わたしは、ことあるごとに、「らい病」とはどんな病気なのかを、いろんな人に聞きまくりました。  ご想像のとおり、わたしの心の中には、「らい病」に対するマイナスのイメージばかりが積み重なっていったのです。  世にも恐ろしい病気。  不治の病。  最もおぞましく、忌まわしく、人に遷る(うつる)呪われた病気。  そして、「もしそんな病気にかかってしまったらどうしよう……」なんて、まったく意味のない取り越し苦労に苛まれることになるのです。  その時点で、わたしの「心そのもの」は、すでに「らい」に蝕まれていたのです!  わたしは、はじめに、あえて「らい」という言葉を使いましたが、今は「ハンセン病」といいます。  ところが医学ということになると、今もって「らい」あるいは「らい菌」という呼び方をします。  まあそれはともかくとして、日本にはハンセン病の療養所が13ヶ所あります。  そのうちの3園が瀬戸内海の二つの島にあります。  大島の青松園(せいしょうえん)と長島の光明園(こうみょうえん)と愛生園(あいせいえん)です。  長島には1988年に、長島大橋がやっとかけられたのです。  それまでは、船で渡らなければならない離れ小島でした。  このように、人里離れた所に療養所があるということ自体、いかにもハンセン病が恐い病気だというイメージを、人々の心に植えつけるのに余りあることではありませんか。  さて、わたし自らのことに話を戻しましょう。  わたしは、病気を怖がっている割には、ハンセン病の「詳細」について知りたくて知りたくてたまりませんでした。  なぜなのかはわかりませんでしたがずっとそうでした。  学生時代も、卒業してからもずっと。  そして1981年、わたしが嫁いだ岡山県には、なんと長島愛生園があったのです。  「障害者の生活と権利を守る岡山県連絡協議会」という団体で、長島愛生園を訪問したのが、1984年の9月でした。  虫明港(むしあげこう)から、小さなフェリーに乗って蠣筏の間をぬって、船はすさまじい音を立てて進んでいきます。  これからわたしたちが訪ねようとしている方たちは、ハンセン病を発症したことで、まるで罪人の様な扱いを受けながら、この船に乗ったのだろうか。  全身に伝わってくる振動と激しい音に、どれほどの辛さ・悲しさを味わったのだろうか。  そんなことを考えながらも、わたしはとても緊張していました。  やがて船が島に接岸して、わたしたちも上陸しました。  「ああ、いらっしゃい!」  自治会の役員の方々がにこやかに出迎えてくださいました。  その中には、わたしが一目ぼれしてしまったKさんもいました。  その日は、自治会の方たちからお話を聞いて、その後盲人会の役員の方たちとお会いして、いろいろお話していただきました。  この訪問がきっかけとなって、その翌年は、泊まり込みの新年会をしたのです。  岡山県視覚障害者友の会は、それから毎年、長島盲人会の方々と交流し、ライトハウスという建物で、カラオケやマッサージなどをすることになりました。  お知り合いになった方もだんだん多くなり、わたしは個人的に子供連れで遊びに行ったりもしました。  ある年の交流会の時のこと、Yさんが、「たえちゃん、鍼もっとるか?」と言われました。   「鍼はもってますけど、ちゃんと治療できるかどうか自信ありません」と言うと、「わしが実験台になるからやってみろ」と言ってくださいました。  ハンセン病の特徴の一つは、末梢部の感覚神経が麻痺してしまうというのがあります。  それで、熱い物に触れていても気がつかずにやけどをしたりするのです。  わたしもそのことは知っていましたが、侵された神経が痛むということは知らなかったのです。  麻痺ばかりか、神経痛にも耐えなければならないのです。  それを知った時、わたしはとてもショックでした。  特に「雷神経痛」と呼びならわしているものは、「大の男が悲鳴をあげるような」激しい痛みが断続的に起きるのです。  Yさんの神経痛は顔面でした。  わたしはそこへ、そおっと鍼を接触させて、「気を補う」治療をしました。  ありがたいことに、Yさんの神経痛は治まってくれました。  このことがきっかけとなって、わたしは愛生園で鍼治療をさせていただくことになったのです。  1988年に瀬戸大橋が完成しました。  でも、同じ年に長島大橋が実現したことの方が、わたしにとって嬉しいことでした。  「橋渡胸が震える風が笑む(はしわたる、むねがふるえる、かぜがえむ)」  これは、わたしが一目ぼれしたKさんの奥様YKさんの川柳です。  毎日新聞にも載りました。  長島大橋、それは「人間回復の橋」でもあったのです。  ここで「らい菌」についても少し書いておきます。  まずこの細菌は、未だに培養できません。  それほど弱い菌なのです。  まして治療を始めた人から感染することなど100%ありえないのです。  その証拠に、療養所の職員で、ハンセン病を発症した人は皆無です。  それなのになぜ、日本はここまで「隔離政策」を強制したのでしょう。  差別と偏見に凝り固まった人たちは、みんなわたしと同じように、「心がらいに蝕まれて」いたのだと思います。  「ハンセン病」だけが独り歩きしていて、恥ずかしいことに、「人間の存在」にまで思いが至らなかったのです。  でも、今では「心のらい」を完全に治癒させた人は少なくありません。  わたしもその一人です。  わたしは「らい」に勝ったのです!「ばんざあい」  もう一つ、わたしは全盲であることを嬉しいなんて思ったことはないのですが、1つだけ、「外見で人を判断したり、偏見をもったりしない」と、自信をもって言うことができます。  これはすばらしいことだし、これからも大切にしたいと思います。  27歳になった次女の充子(みつこ)は、5歳の時、「初めてのお泊り」で、Kさんのお宅に1人で泊めていただきました。  小さい時から愛生園でいろいろな人と話したり遊んでもらったりしたことは、人として生きていく上で、どれほど有意義だったかわからないと言っています。  「外見で人を判断しない」ということは、人間として、最も大切なことなのですね!! ◎日米の架け橋  ヘレン・ケラーと塙保己一を結ぶ人間模様  日米の架け橋  −ヘレン・ケラーと塙保己一を結ぶ人間模様−  点字版・デイジー版完成のお知らせ 社会福祉法人桜雲会(理事長 高橋昌巳)では、「日米の架け橋・ヘレン・ケラーと塙保己一を結ぶ人間模様・」(点字版・デイジー版)を製作致しました。  福祉や教育の分野で障害のある人々に多大な影響を与えた、ヘレン・ケラーと塙保己一。  この二人の盲偉人が残した輝かしい功績の裏には、周囲の理解と大きなサポートがありました。  自身の取り組みもさることながら、この人々の繋がりこそが、それぞれの分野の発展を後押ししたのではないでしょうか。  本書では、そんな二人を支えた人々を多数紹介しています。  また時代も国籍も違う二人がなぜ繋がっていたのか、その関係性にも着目。  著者の佐藤隆久氏が長年の研究によって集めた資料とともに、独自の視点から解説しています。  製作にあたりましては、東京日本橋ライオンズクラブ立川福祉基金の助成を受け、完成の運びとなりました。  現在、本書の入手を希望する個人・団体の方へ原本価格(下記参照)での配布を12月25日まで受け付けております。  ご希望の方は、以下お申込み先へご連絡ください。 原本価格   点字版(全3巻、デイジー版付):¥5,000   ※デイジー版のみの入手も可能ですが、同一価格(¥5,000)となります。 お申込み・お問い合わせ        社会福祉法人桜雲会 〒169−0075 東京都新宿区高田馬場4−11−14−102   TEL. 03−5337−7866  FAX. 03−6908−9526       E−MAIL.ounkai@nifty.com ◎11月22日(日曜) 講演会・交流会 開催のご案内  「視覚に障害のある方のICT機器活用法」  iPad・iPhoneユーザー交流会  パソコン、タブレット、スマートフォン等々、情報を得たり、コミュニケーションや娯楽のツールとして、日常的に活用されている機器がたくさんあります。  それぞれに一長一短があり、どれを選んだらいいのか迷います。  また、買ったはいいけれど使い方がいまいち分からない、思っていたようなことができないなどということがあるでしょう。  今回は、日本ライトハウス情報文化センターで、視覚に障害のある方から、様々な機器についての相談を受けておられる松本さんに、ICT機器の紹介とそれを使えばどんな事ができるか、どんな問題が生じやすいかについて、お話ししていただきます。  ウインドウズ10の情報ももちろん紹介していただきます。  午後からは、松本さんにも参加していただき、iPad、iPhoneのユーザー交流会を行います。  普段使っていて困っていることの相談や、こんな使い方があるといった情報交換の場になればと思います。  これから使ってみようかと思われている方、ご家族を含めた支援者の皆様の参加も歓迎します。  また、便利グッズ、白杖を中心に、機器展示も行います。   日時   11月22日(日) 講演会 10:00〜12:00   交流会 13:30〜15:30   機器展示 12:00〜16:00   講師 日本ライトハウス 情報文化センター 松本 一寛氏   会場   きらめきプラザ705小会議室 (岡山市北区南方2丁目)   参加費 500円(付添の方は無料)    準備の都合上できるだけ11月20日までにお申し込み下さい。  機器展示で見たい商品がありましたらご連絡下さい。  お問い合わせはこちらまで  NPO法人 岡山県視覚障害者自立支援センター TEL:086−250−8278/FAX:086−250−8279 E−mail:info@ovssc.sakura.ne.jp 《 新刊案内 》  センターで新しく受け入れた図書をご紹介します。どうぞご利用ください。  今月は、デイジーが17タイトル、点字が6タイトルです。  なお、返却期限は資料が届いてからお手元に2週間です。  延長を希望される場合は、ご連絡をお願いいたします。 ●録音図書 ◎一般向け図書 〇哲学(1タイトル) 書名 神さまとのおしゃべり あなたの常識は、誰かの非常識 さとう みつろう 著 デイジー8時間48分 伊丹 明美 音訳 発行 ワニブックス 2014年 内容 ある日突然、おしゃべりな神さまと出会った。神さまとの対話を通して、思い通りに現実を変える方法、簡単にお金持ちになる方法、この世の仕組みと真の幸せなどを説く。 〇歴史(4タイトル) 書名 迷宮への招待世界史15の謎 徳間文庫 桐生 操 著 デイジー9時間59分 石井 昌子 音訳 発行 徳間書店 2003年 内容 病死したナポレオンの遺髪から砒素が出た!?封印された遺言状、一致しないDNA、暗殺前夜に流れる死亡ニュース。偉人たちが残した多くの謎に科学のメスが挑む。歴史に名を残す「迷宮入り事件」を惜しみなく詰め込んだ一冊。 書名 ある自転車屋のおはなし History of 河原自転車商会 河原 京子 著 デイジー1時間53分 加藤 智子 音訳 発行 丸善書店株式会社岡山シンフォニービル店出版サービスセンター 2014年 書名 三輪田眞佐子 教へ草/他 人間の記録 167 三輪田 眞佐子 著 デイジー5時間29分 発行 日本図書センター 2005年 内容 女子教育に尽力し、三輪田学園を創立した教育者・三輪田真佐子。彼女の思想や人生を知る手掛かりとなる自伝や和歌、漢詩などをまとめる。 書名 柳田国男 炭焼日記 人間の記録 170 柳田 国男 著 デイジー10時間14分 発行 日本図書センター 2005年 内容 雑誌『郷土研究』の刊行、民俗学研究所の開設などをすすめ、柳田学と呼ばれる日本民俗学を創始した著者の生涯を描く。 〇社会科学(1タイトル) 書名 萱野茂 アイヌの里二風谷に生きて 人間の記録 165 萱野 茂 著 デイジー6時間18分 発行 日本図書センター 2005年 内容 アイヌ伝統文化の収集・記録を続ける民族文化研究家の著者。全ての生き物の生きる権利とアイヌ語の継承を訴え続ける男の生き様を綴った自伝。 〇自然科学(3タイトル) 書名 世界一賢い鳥、カラスの科学 ジョン・マーズラフ、トニー・エンジェル 著 東郷 えりか 訳 デイジー13時間39分 発行 河出書房新社 2013年 内容 カラスは記憶し、会話し、思考する!? ウィンドサーフィンをしたり、道具を使ったり、驚くべき知能の高さを見せるカラスの脳・言語・心理・習性を、PETスキャンなどの科学研究で読み解く。 書名 素顔の山中伸弥 記者が追った2500日 毎日新聞科学環境部 著 デイジー7時間59分 発行 ナカニシヤ出版 2013年 内容 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授。その素顔とノーベル賞の舞台裏、iPS細胞研究の最前線に密着したドキュメント。 書名 嚥下障害のことがよくわかる本 食べる力を取り戻す イラスト版 健康ライブラリー 藤島 一郎 監修 デイジー5時間3分 発行 講談社 2014年 内容 嚥下障害は食物をうまく飲み込めない状態のこと。食べる喜び、楽しみを早々に手放すことなく、味わい深い人生を全うできるように、誤嚥を防ぎ、食べる力を取り戻すリハビリ術を、イラストとともに解説します。 〇産業(1タイトル) 書名 犬と人の生物学 夢・うつ病・音楽・超能力 スタンレー・コレン 著 三木 直子 訳 デイジー9時間46分 発行 築地書館 2014年 内容 犬もうつ病になる? 犬がお腹を見せて眠るのはどんなとき? 50年間、犬の行動について学び研究している心理学者が、犬の不思議な行動や知的活動を、人間と比較しながら解き明かす。 〇芸術・美術(6タイトル) 書名 藤子不二雄(A) 藤子・F・不二雄 二人で少年漫画ばかり描いてきた 人間の記録 171 藤子不二雄(A)、藤子・F・不二雄 著 デイジー9時間32分 発行 日本図書センター 2010年 『オバケのQ太郎』『忍者ハットリくん』『ドラえもん』などの作品で知られる著者二人の、漫画家を志した頃や、同じ夢を追いかける仲間との交流を描く。 書名 畦地梅太郎 画文集とぼとぼ六十年 人間の記録 162 畦地 梅太郎 著 デイジー6時間8分 発行 日本図書センター 2004年 内容 「山の版画家」と呼ばれ、山と自然をモチーフにした作品を数多く残した著者。その若き日から晩年までの思い出をつづったエッセイ集。 書名 中村メイコ メイコめい伝 人間の記録 166 中村 メイコ 著 デイジー7時間54分 発行 日本図書センター 2005年 内容 作家・中村正常の長女として生まれた著者。テレビ・ラジオ・舞台・執筆活動など多彩な活躍を続ける女優が、その半生を綴る。 書名 近藤乾三 能−わが生涯 人間の記録 168 近藤 乾三 著 デイジー5時間2分 発行 日本図書センター 2005年 内容 宝生流16代宗家宝生九郎知栄に師事。重厚堅実な芸風で知られ、人間国宝となった能楽師が、演じた能や弟子時代のことなどを語る。 書名 変わるしかなかった。 野村 謙二郎 著 デイジー5時間 辻田 峯夫 音訳 発行 サンフィールド 2015年 内容 意気込みが空回りして負け続けた1年目、勝つために引くことを選んだ2年目、土壇場でAクラスを掴み損ねた3年目…。広島東洋カープ元監督・野村謙二郎が、5年間の葛藤の日々を振り返る。 書名 登山と日本人 角川ソフィア文庫 小泉 武栄 著 デイジー8時間51分 福島 五重 音訳 発行 KADOKAWA 2015年 内容 日本人はいつから山に登るようになったのか。多くの人が山に魅了されているのはなぜか。富士講をはじめとする信仰に基づいた登山から、スポーツ的要素が強くなった近代登山まで、日本の登山史を辿りつつ、そのルーツに迫る。 〇文学(1タイトル) 書名 早乙女勝元 炎の夜の隅田川レクイエム 人間の記録 153 早乙女 勝元 著 デイジー7時間 発行 日本図書センター 2004年 内容 12歳で東京大空襲に遭い、その体験を生涯のテーマとして作家活動を続けてきた著者が、青春時代の困難と挫折、下町庶民の哀歓を描く。 ●点字図書 ◎一般向け図書 〇社会科学(1タイトル) 書名 池上彰の選挙と政治がゼロからわかる本 河出文庫 池上 彰 著 点字2巻 発行 河出書房新社 2013年 内容 衆議院と参議院、マニフェストと公約、一票の格差など、選挙と政治に関する疑問をわかりやすく解説。税金を有効に使う政治家を賢く見抜くための本。 〇文学(1タイトル) 書名 人生をひもとく日本の古典 4 たたかう 久保田 淳、佐伯 真一、鈴木 健一、高田 祐彦、鉄野 昌弘、山中 玲子 編著 点字4巻 発行 岩波書店 2013年 内容 お互いを支え合い助け合うのが人の常ですが、生きるうえでは、さまざまな揉めごと、争いごとを避けて通ることはできません。負けるが勝ちを実践した藤原道長、殿上人のいじめに立ち向かう平忠盛、継母からの辱めに耐える小林一茶…。 ◎児童向け図書 〇歴史(1タイトル) 書名 旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる 岩波ジュニア新書653 近藤 雄生 著 点字3巻 発行 岩波書店 2010年 内容 将来への不安や悩みを抱えながら海外へ旅立った若者が、オーストラリア、ユーラシア大陸、ヨーロッパ、アフリカへと続く5年にわたる旅で体験し、学んだものは何だったのか。 〇自然科学(2タイトル) 書名 深海の怪物ダイオウイカを追え! ポプラサイエンスランド(1) 窪寺 恒己 著 点字1巻 発行 ポプラ社 2013年 内容 2012年1月、ひとつのニュースが日本中、そして世界中を駆け巡りました。「世界で初めて、深海で生きているダイオウイカの動画撮影に成功!」。深海にすみ、最大で全長18メートルをこえるといわれる「海のモンスター」ダイオウイカ。 書名 おどろきのスズメバチ 世の中への扉 中村 雅雄 著 点字2巻 発行 講談社 2013年 内容 都市部にも巣をつくり、人を襲う恐ろしい「害虫」として悪名高い存在のスズメバチ。しかし、スズメバチの立場から人間や環境を見てみると、一概に害虫と決めつけられないことに気づかされます。 〇産業(1タイトル) 書名 アナウンサーになろう! 愛される話し方入門 心の友だち 堤 江実 著 点字1巻 発行 PHP研究所 2014年 内容 なりたい職業への第一歩はきれいな話し方を身につけること。元アナウンサーの著者が、発声、発音、敬語のルールなど、日本語の常識と、素敵に見せる笑顔や姿勢についてアドバイス。