岡星寮 令和4年度事業報告 1.利用者の状況 (1)入所定員38名 (令和5年3月31日在籍数 男性24名、女性14名、合計38名) (2)入退所状況 ・入所 1名 ・退所 1名 (3)障害支援区分  (令和5年3月31日現在) 障害支援区分 男性(人数) 女性(人数) 合計(人数)の順 区分6 21 14 35 区分5 2 0 2 区分4 1 0 1 合計 24 14 38 ※参考  療育手帳 A ……… 31名(男22名・女 9名) B ………… 7名(男 2名・女 5名) 身障手帳 1級 …… 32名(男18名・女14名) 2級 ……… 3名(男 3名・女 0名) 3級以下 … 2名(男 2名・女 0名) (4)年齢別(令和5年3月31日現在) 区分、10代、20代〜50代まで、その後60歳〜64歳、65歳〜74歳、75歳以上、合計の順 男性 0 2 4 3 8 1 5 1 24 女性 0 0 0 2 4 3 1 4 14 合計 0 2 4 5 12 4 6 5 38   ※平均年齢 55歳 (男性52歳・女性61歳) 2.職員の状況 (1)職員配置(令和5年3月31日現在職員数 26名内兼務2名) (嘱託医師2名を含む) 施設長 1名 生活支援課長 1名 栄養士 1名 事務員 1名 サービス管理責任者 1名 調理員 3名 看護師 1名 生活支援員 17名 嘱託医師 2名(内科1名、精神科1名) 調理員 (2)採用・退職・異動 ・採用………2名 ・退職………3名 3.日常生活の状況 (1)作業 作業内容 箸袋詰・箱づくり 実施内容 16名で週5日実施 作業工賃額 年間50,430円 ストロー入れや、ビーズ入れ、おはじき入れ等の創作活動及び散策、ルームランナー、ドクタ−エア−、SIX PADを実施した。 (2)運動……主として原尾島公園を利用して実施した。ほか、3Dマシンでのトレーニングを行った。 (3)歩行……2名について単独歩行の訓練を実施した。 (4)行事……日帰り旅行、岡星寮まつり、忘年会を計画し、新型コロナウイルス感染防止対策を講じながら、次のとおり実施した。 日帰り旅行は5月20日にバスで熊山英国庭園へ行き石鹸、アロマスプレー作りの体験をした後、英国庭園内のホールで食事をする旅行。 6月9日には、岡星寮を拠点に石鹸・アロマスプレー作りの体験を行い、オムライス・アイスの昼食後に公用車でドライブに行った。実に3年ぶりの旅行で利用者の方はとても楽しまれていた。 岡星寮まつりはキッチンカーを誘致し、肉巻きおにぎり、チキンサンド、冷製パスタ、クレープを提供。 3年ぶりにご家族も招待。新型コロナ対策で、外来者は、寮の玄関前で抗原検査を実施し、各テーブルに消毒液を配備、工業用扇風機を2台レンタルし、感染防止に努めた。のど自慢大会、大正琴演奏会、個人の利用者による独演会で、利用者の発表の場を設け要望の多かった抽選会も実施。 忘年会は利用者と職員で、午前はタブレットによるくじ引き、昼食は利用者の希望にあわせてキッチンカーの食事を提供した。午後からは出張落語による噺を楽しんだ。また、浴槽に檜ブロックを浮かべ檜風呂として入浴をした。 (5)クラブ活動……運動、茶道、カラオケ、大正琴を実施した。 (6)ゆとり活動……新型コロナウイルス感染防止の観点から外食は控えて、利用者が要望するものをテイクアウトし里山センターや寮内でいただいた。また、買い物などは職員が代行したほか、利用者が要望する散策やドライブなどを実施した。 4.食事の状況   健康に配慮しながら利用者個々の状態に応じた調理を行い、楽しんで食事ができるよう次のとおり実施した。特に病弱者に対する特別献立、おやつ、嗜好等に配慮した。 (1)利用者の健康状態に配慮した栄養摂取量をもとに、利用者の嗜好を取り入れつつ給食委員会で検討し、創意工夫しながら献立を作成した。 @嗜好調査、残食調査の実施 A四季を通じて季節感のある献立 B誕生日会、特別メニューによる食事の提供 C糖尿病、炎症性腸疾患など治療食への対応の他、刻み食、ミキサー食、ペースト食など利用者の健康状態に配慮した調理 (2)利用者の健康について維持増進の一翼を担い、その中に心温まる「心配り」ができる食生活を目指した。 @食器、調理の工夫、味付け、盛り付け等の配慮 A食事環境の整備 B適温の心がけ (3)岡星寮調理施設衛生管理マニュアルに基づき、食品衛生及び厨房の衛生管理(手指、まな板、包丁などすべての備品の消毒)を徹底した結果、感染性胃腸炎等の発生はなかった。   5.保健衛生の状況 今年度も引き続き医師の指示のもと、利用者の年齢、病状に応じた通院と投薬、個々の利用者の特性に沿った食事の提供や変更、適度な運動を促し健康維持に努めた。 今年度は新型コロナウイルス感染の発生があり、利用者と職員合わせて6名の感染者が出た。それに伴い、新型コロナウイルス感染症対策マニュアルを新たに作成し、職員全体で対応策を共有し感染防止に取り組んだ。 なお、利用者の健康管理と維持増進のため下記のとおり実施した。 (1)健康診断(年1回) (2)体重測定(月1回) (3)体温・脈拍・血中酸素飽和濃度測定(毎日) (4)嘱託医師による診察等…内科(月1回寮内診療)、精神科(月1回寮内診療) (5)歯科通院(治療を要する利用者の歯科治療)及び寮内訪問歯科検診(週1回) (6)眼科通院、その他の通院等はその都度対応 (7)寮内訪問散髪(月2回) (8)定期投薬者(年度内に在籍した利用者38名中 37名) ・抗てんかん薬 13名 ・内科系薬 36名 ・精神科系薬 12名 ・点眼薬 11名 ・その他投薬 1名 ・脳神経科系 1名 定期投薬 朝 37名 昼 20名 夕 37名 夜 7名 (9)入院…5名 (内1名は退院後退所、3名は新型コロナ感染のため) (10)事故…2件、ひやり・はっと…25件(うち投薬関係8件) 6.研修 (1)内部研修・・・16回実施(ハラスメント研修、虐待防止・権利擁護研修など) (2)外部研修・・・15回参加(強度行動障害、コロナ下での健康づくり、施設の事業計画(BCP)など延べ21人参加) 7.施設の建替移転   原尾島の旧岡星寮が築51年経過し老朽化が著しいこと、居室面積等が現行の施設基準に適合していないこと等から、施設を建替え、令和5年3月31日に引っ越しを行った。   施設の設計は利用者や職員の意見を聴取して行った。具体的には、利用者の快適性を第一に考え、使用頻度の高い食堂や作業室を南側に配置し、利用者が居場所を把握しやすいよう手摺りの形状を場所によって変える等の工夫を行った。また、雨の日でも運動ができるよう、中廊下やテラス・バルコニーを回廊状としたほか、交通量の少ない東側市道に出られるよう階段を設けた。   ○施設概要 住所 岡山市中区土田96番地1 敷地面積 3,129.64平米 建物 鉄筋コンクリート2階建て 延床面積 2,603.46平米 工事費 825,000,000円(税込み) 着工 令和4年5月6日 竣工 令和5年2月28日 施行 蜂谷工業株式会社 設計監理 株式会社木村設計 8.障害者虐待防止法に係る通報   正確な時期は不明であるが、令和4年の夏頃、岡星寮内で不適切な支援ないし虐待が行われている旨の通報が監督官庁である岡山市に対してなされた。その概要は、@利用者に物を放り投げて渡していた、Aコミュニケーションと称してベッドに腰掛けている利用者の足首を掴んで揺すっていた、B利用者の体に痣が出来ていても視覚に障害があり物にぶつかるのは仕方ないとして原因究明がなされていない、というものであった。   10月上旬に市による職員への聴き取りがあり、その結果、不適切な支援ないし虐待が見受けられるとして、改善計画を作成・提出するよう指導があった。   指導内容は利用者に大きな声を出し威圧的、食事支援で口いっぱいに食べ物を詰め込んでいるなどの「職員個人の専門意識・専門知識の欠如」と、不適切な支援を見てもお互いに注意し合えるような雰囲気でない、相談しにくい環境があるなど「組織の統制が不十分」というものであった。   虐待防止委員会を中心として、職員会議でも話し合いを行い、11月下旬に改善計画書を提出した。   これを踏まえて、法人役員や外部講師による研修をはじめ、目安箱の設置、職員アンケートにより把握した不適切な支援のケース会議での検討などに着手しており、引き続き改善に取り組んで行く。 7.その他 (1)広報誌「岡星寮だより」を年2回発行し、家族他各種団体等へ配布してPRに努めた。 (2)コロナウイルス感染拡大防止のため、各種行事は施設内にて実施した。 (3)岡星寮家族会については、コロナウイルス感染拡大防止のため活動は実施していないが、広報誌等を通じて、岡星寮の運営等への一層の理解と協力を要請した。 (4)苦情、要望受付件数…0件 利用者からのヒアリングを行ったが、建替後の岡星寮での生活について思いを巡らせる話ばかりで、苦情・要望に該当するものはなかった。 ここまで