社会福祉法人岡山県視覚障害者協会 令和４年度 事業報告（案） 　本会は昭和２年１１月６日の創立当初に掲げた「自助自立と相互扶助」の理念を基本とし、社会福祉法人制度改革に基づき、平成３０年４月１日より、新定款第１条に規定する目的を達成するため、令和４年度において、次の重点課題を設定するとともに、新型コロナウイルス感染症防止対策を実践して、下記の社会福祉事業を実施した。 【１】令和４年度の重点課題 　１　岡星寮の建替えについては、所轄庁の補助金交付決定が得られ、借入金も福祉医療機構及び協調融資銀行との協議調整が整ったことから、年度初め４月に競争入札により建設業者を選定し、６月に着工して、令和５年２月に完成、３月に竣工した。 　２　障害者制度改革に対する対応、障害者差別解消法の普及、啓発 　　　各障害者施策の会合等で、視覚障害者の接し方についてのＧＵＩＤＥＢＯＯＫを配布した。 　　　点字ブロック記念日を中心に点字ブロックの必要性に対する啓発活動に参加した。 　３　支部組織会員の充実強化と活動の活性化 　　　コロナ禍のため、支部活動が十分できなかった。 　４　デジタル庁発足にともない情報社会への対応 　　　視覚障害者に使いやすい機器の開発や改良、人的サポートの必要性を、日視連等をとおして要望をした。 　５　雇用と福祉の連携による、あん摩はり灸業や一般就労に対する視覚障害者の就労支援を、事例に応じて関係方面へ要望した。 　６　相談支援事業所の設置運営 　７　視覚障害、中途失明者等生活訓練事業所の運営 　８　社会的啓発広報活動の促進 【２】令和４年度において実施した社会福祉事業 １　第一種社会福祉事業 （１）障害者支援施設「岡星寮」の設置経営 　　　障害者総合支援法に基づき、入所定員４０名をもって視覚障害と知的障害の重複障害者の自立支援に努めた。 　　　施設の老朽化に対応し、利用者の安全快適な生活環境を確保するため、岡山市中区土田９６−１に施設を建て替え、令和５年３月３１日に移転した。 ２　第二種社会福祉事業 （１）指定管理事業 　　　岡山県視覚障害者センター（視覚障害者情報提供施設、以下「センター」と略す）の指定管理 　　　岡山県から指定を受けて同センターの管理運営にあたり、下記の事業を実施した。 　　　ア．視覚障害者に対する点字及び録音物による情報提供 　　　イ．点訳・朗読奉仕者の新規養成並びに奉仕者研修事業 　　　ウ．点訳・朗読奉仕者の協力を得て行う点字及び録音図書の作成 　　　エ．視覚障害者の研修・教養・趣味・娯楽等、各種活動に対する会場提供 （２）受託事業 　　　ア．点訳・朗読奉仕者養成事業 　　　　　視覚障害者の福祉に理解と熱意を有する者に、点訳・朗読技術の指導を行うことにより、点訳・朗読奉仕者を養成して視覚障害者の情報環境の整備を図った。 　　　イ．自立支援拠点活動支援事業 　　　　　視覚障害女性、視覚障害青年および中途視覚障害者などに対して、地域における日常生活を支援するとともに必要な相談に応じるなどの事業を行った。 　　　ウ．視覚障害者生活訓練等事業 　　　　　岡山市と倉敷市を除く県下の視覚障害者を対象に家庭訪問型の生活訓練を実施した。 　　　エ．移動支援事業者情報提供事業 　　　　　重度の視覚障害者が、都道府県、政令指定都市間において移動する場合、その目的地において必要とするガイドヘルパーを確保する 　　　　ための事業所情報を提供した。 （３）みちしるべ事業所において、指定特定相談支援事業ならびに指定障害児相談支援事業を実施した。 ３　補助事業 　　地域生活支援事業所みちしるべの運営 　　岡山市と倉敷市の視覚障害者を対象に白杖歩行訓練、日常生活訓練、点字指導、パソコン・スマートフォン等使い方の指導を、家庭訪問により生活訓練を実施した。 ４　職員研修事業 　　施設職員など視覚障害者の支援に携わるものに研修の機会を与えて、専門性や資質の向上を図った。今年度は、対面で虐待防止についての研修を行った。その他オンライン等での研修に参加した。 ５　自主事業 （１）更生相談事業 　　　随時本会事務所、センター等において、視覚障害者の更生相談に応じ、自立生活の援助を図った。また、相談体制を強化するため、毎月第一火曜日に窓口を設置し相談に対応した。 （２）支部助成事業 　　　寄付金の一部をもって支部活動を助成した。 （３）指導者研修事業 　　　新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係各大会および研修会は、オンラインで開催され役員が参加した。 （４）会員研修事業 　　　新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係各大会や研修会は、オンラインで開催され、多くの会員が参加した （５）顕彰事業（共同募金配分事業） 　　　本会顕彰内規に基づき、会員、並びに本会事業に協力された団体、または個人を顕彰した。 （６）共済事業 　　　各支部長の申告により、長期入院者等の該当者に寄付金の一部をもって、歳末見舞金を贈った。 （７）交通安全対策事業 　　　バリアフリー法や岡山県福祉のまちづくり条例の精神に基づき、視覚障害者の安全な移動を確保するため、必要な箇所に音響式信号機やエスコートゾーンの設置を各関係方面へ要望、点字ブロックの破損箇所の修繕や歩道の上に放置されて歩行の障害となっている自転車・看板などの除去や、盲導犬に対する理解の促進など、必要な点検、啓発活動を行ったほか、各種安全施設の規格統一やマニュアルの遵守を関係方面に要請した。 （８）視覚障害者情報化推進事業 　　　パソコン初心者を対象として、音声装置や拡大画面を使った視覚障害者向けのパソコン講座、パソコントラブルの支援、情報機器等の使用方法の講習をセンターにおいて行った。 （９）第６４回岡山県視覚障害者福祉大会の開催（共同募金配分事業） 　　　令和４年１１月２０日、岡山市のＮＰＯ会館において開催した。関係者１００余名が参加して、上記（５）の顕彰を行った。 （10）文化事業 　　　以下の事業を行った。 　　　ア．文芸作品コンクールの開催 　　　　　会員から短歌・俳句・川柳の短詩型文芸を募集し、短歌・俳句を土師康生先生、川柳は従野健一先生に選を依頼して、優秀作には記念品を贈って創作活動を奨励した。上記（９）の大会で表彰した。 　　　　　今年は、川柳に１４名から４１句、俳句に１２名から３３句、短歌に１１名から３０首が寄せられた。受賞者は以下のとおり。 　　　　川柳の部 　　　　　天；竹内昌彦さん、地；鈴木鈴子さん、人；井上健一さん 　　　　　佳作；末安章雄さん、松下陽子さん、久保　瞳さん 　　　　俳句の部 　　　　　天；小原伸一郎さん、地；武藤孝夫さん、人；小林政利さん 　　　　短歌の部 　　　　　天；竹内昌彦さん、地；武藤孝夫さん、人；藤澤弘一さん 　　　イ．オセロ大会 　　　　　岡山市視障協との共催で、５月２９日（日曜）センターで開催した。参加者１９名。受賞者は以下のとおり。 　　　　　１位　大賀　淳さん、２位　桐野裕司さん、３位　大橋祥明さん 　　　ウ．カラオケ大会 　　　　　６月２６日（日曜）カラオケ・グレートパンプキンで開催した。 　　　　参加者　１９名。受賞者は以下のとおり。 　　　　　１位　大橋祥明さん、２位　筱原春樹さん、３位　藤澤弘一さん 　　　エ．点字に親しむ会の開催 　　　　　１１月２７日（日曜）センターにおいて開催した。点字離れの進む中で、点字に関心を持ってもらおうと、点字の校正問題やクイズゲームで実施した。参加者１７名。受賞者は以下のとおり。 　　　　　１位　藤澤弘一さん、２位　大賀　淳さん、３位　松下陽子さん （12）スポーツ事業 　　　ア．卓球競技 　　　　　毎年、日視連卓球連盟登録会員を中心に、卓球愛好者が盲学校等において活動しているが、今年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止した。 　　　イ．フロアーバレーボール競技 　　　　　毎年、日本フロアバレーボール連盟登録会員を中心とするフロアバレーボール愛好者が、盲学校や身体障害者スポーツセンターで活動しているが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止した。 　　　ウ．グランドソフトボール競技 　　　　　毎年、日視連グランドソフトボール連盟登録会員を中心とするグランドソフトボール愛好者が、盲学校等において活動しているが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためあまり練習ができなかった。５月１５日、広島県で、第５０回中国ブロックグランドソフトボール大会兼第２２回全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技中国地区予選会にも、本県からは参加を中止した。 （13）女性部事業 　　　毎年、自立支援拠点活動支援事業を中心に、県下各地で料理等の日常生活訓練を行っているが、コロナ禍のため料理、掃除の仕方等座学での研修を行った。関係の大会、研修会には、オンラインで参加し研修を深めた。 （14）青年部事業 　　　毎年、自立支援拠点活動支援事業を中心に、県下各地で各種体験交流や研修を行っているが、コロナ禍のため、各種大会、研修会には、オンラインで参加し研修を深めた。その他、コロナ感染防止対策をして、毎月１回程度ヨガ教室を実施した。 （15）老人部（さわやかクラブ）事業 　　　自立支援拠点活動支援事業の一環として「さわやか交流会」を実施した。 　　　７月１７日（日曜）カラオケ・グレートパンプキンで、カラオケ交流会を行った。参加者２１名 （16）あはき部事業（あんまマッサージ指圧、はり、きゅう） 　　　あはき業従事会員をもって組織し、今年度は中国ブロック三療研修会を岡山県で実施した。１０月２９日、岡山盲学校元教頭竹内昌彦先生による作業所における「あはき治療院」の経営についての講演。１０月３０日、（公社）日本あん摩マッサージ指圧師会専務理事の田辺和泉先生による、「情けは人のためならず、帳簿は税務署のためならず」―あはき事業者の視点で考えてみよう―の講演を感染防止対策をして座学で行った。　参加者のべ５４名 　　　１１月１３日（日曜）岡山総合グランドで、おかやまマラソンケアステーション、マッサージ・はり施術奉仕活動。参加者・会員と関係者１４名 （17）音楽部事業 　　　箏曲師範等の音楽家会員をもって組織し、毎年、日視連の「音楽家協議会」活動に参加して研修をするとともに、伝統音楽の継承発展に努めているが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため本県からは参加を中止した。 （18）情報宣伝・啓発事業（共同募金配分事業） 　　　本会の活動状況等を収録した「視障協だより」（デイジー版）を年２回発行し、会員に配布したほか、日視連発行の「愛盲時報」を県下の各市町村に配布するとともに、本会の経営する施設においても機関誌を発行するなど啓発・情宣活動と情報開示に努めた。 （19）視覚障害者用具の斡旋販売事業 　　　一般の商店においては入手困難な視覚障害者用具を斡旋・販売し、会員の利便を図った。　ここまで