社会福祉法人岡山県視覚障害者協会平成29年度事業報告  本会は昭和2年11月6日の創立当初に掲げた「自助自立と相互扶助」の理念を基本とし、社会福祉法人制度改革に基づき、平成29年4月1日より、新定款第1条に規定する目的を達成するため、平成29年度において、次の重点課題を設定するとともに、下記の社会福祉事業を実施した。 【1】 平成29年度の重点課題  1 厳しい経済情勢に対応した今後の施設経営の検討  2 支部員の高齢化にともなう今後の組織強化  3 パソコン等の普及にともなう情報社会への対応  4 無資格類似業者の取締り強化、平成医療学園あはき法19条無効訴訟への対応など視覚障害者の職域擁護  5 相談支援事業所の設置運営  6 中途失明者生活訓練事業所の運営  7 社会的啓発広報活動の促進 【2】 平成29年度において実施した社会福祉事業  1 第一種社会福祉事業  (1)障害者支援施設「岡星寮」の設置経営     障害者総合支援法に基づき、入所定員40名をもって視覚障害と知的障害の重複障害者の自立支援に努めた。  2 第二種社会福祉事業  (1)指定管理事業     岡山県視覚障害者センター(視覚障害者情報提供施設、以下「センター」という)の指定管理     岡山県から指定を受けて同センタ-の管理運営にあたり、下記の事業を実施した。    ア.視覚障害者に対する点字及び録音物による情報提供    イ.点訳朗読奉仕者の新規養成並びに奉仕者研修事業    ウ.点訳朗読奉仕者の協力を得て行う点字及び録音図書の作成    エ.視覚障害者の研修・教養・趣味・娯楽等、各種活動に対する会場提供  (2)受託事業    ア.点訳朗読奉仕者養成事業      視覚障害者の福祉に理解と熱意を有する者に、点訳・朗読技術の指導を行うことにより、点訳・朗読奉仕者を養成して視覚障害者の情報環境の整備を図った。    イ.自立支援拠点活動支援事業      盲女性、盲青年等および中途視覚障害者などに対して、地域における日常生活を支援するとともに必要な相談に応じるなどの事業を行った。    ウ.移動支援事業者情報提供事業      重度の視覚障害者が、都道府県、政令指定都市間において移動する場合、その目的地において必要とするガイドヘルパーを確保するための事業所情報を提供した。  (3)みちしるべ事業所において、指定特定相談支援事業ならびに指定障害児相談支援事業を実施した。  3 委託・補助事業    生活訓練事業所みちしるべの運営    県下の視覚障害者を対象に白杖歩行訓練、日常生活訓練、点字指導、パソコン指  導等、家庭訪問により生活訓練を実施した。  4 職員研修事業    施設職員やガイドヘルパーなど視覚障害者の支援に携わるものに研修の機会を与えて、専門性や資質の向上を図った。  5 自主事業  (1)更生相談事業     随時本会事務所、センター等において、視覚障害者の更生相談に応じ、自立生活の援助を図った。また、相談体制を強化するため、毎月第一火曜日に窓口を設置し相談に対応した。  (2)支部助成事業       寄付金の一部をもって支部活動を助成した。  (3)指導者研修事業     関係各大会および研修会に役員を派遣して研修するとともに、必要に応じて各種研修会を開催した。  (4)会員研修事業     関係各大会や研修会への会員の参加を助成し、また、必要に応じて各種研修会を開催した。  (5)顕彰事業     共同募金配分金を受けて、本会顕彰内規に基づき、会員、職員、並びに本会事業に協力された団体、または個人を顕彰した。  (6)共済事業     各支部長の申告により、長期入院者等の該当者に寄付金の一部をもって、歳末見舞金を贈る。本年度は該当者がなかった。  (7)交通安全対策事業     交通バリアフリー法や岡山県福祉のまちづくり条例の精神に基づき、視覚障害者の安全な移動を確保するため、点字ブロックや歩道の上に放置されて歩行の障害となっている自転車・看板・自動販売機などの除去や、盲導犬に対する理解の促進など、必要な点検、啓発活動を行ったほか、各種安全施設の規格統一やマニュアルの遵守を関係方面に要請した。3月18日、点字ブロックの記念日に、点字ブロックに関わる安全確保推進のため、街頭でチラシとティッシュを配布した。  (8)視覚障害者情報化推進事業     パソコン初心者を対象として音声装置や拡大画面を使った、視覚障害者向けのパソコン講座をセンターにおいて開催した。  (9)第59回岡山県視覚障害者福祉大会並びに平成29年度本会総会の開催     共同募金配分金を受けて、平成29年10月22日、岡山市のNPO会館において開催した。関係130名が参加して、上記(5)の顕彰を行った。  (10)文化事業     共同募金配分金を受けて、以下の事業を行った。    ア.文芸作品コンクールの開催      会員から短歌・俳句・川柳の短詩型文芸を募集し、土師康生先生に選を依頼して、優秀作には記念品を贈って創作活動を奨励した。川柳に15名から45句、俳句に13名から36句、短歌に8名から23首が寄せられ、上記(9)の大会で表彰し、選者による講演会を催した。    イ.カラオケ大会の開催      9月に広島県で開催される、中国ブロック盲人カラオケ大会出場選手の選考を兼ねて、7月16日、岡山市内カラオケボックスにおいて開催した。15名の参加者が自慢の喉を競った。    ウ.オセロ大会の開催      6月25日、センターにおいて開催し、中国ブロック盲人オセロ大会(9月16日広島県において開催)選手選考を兼ねて、16名の参加者が日頃の腕前を競った。    エ.点字を楽しむ会の開催      11月26日、センターにおいて開催した。展示離れの進む中で、点字に関心を持ってもらおうとゲーム性の高い内容で開催した。13名の参加者が楽しく過ごした。  (11)スポーツ事業    ア.卓球競技      日盲連卓球連盟登録会員を中心に、卓球愛好者が盲学校等において活動した。    イ.フロアーバレーボール競技      日本フロアバレーボール連盟登録会員を中心とするフロアーバレーボール愛好者が、盲学校や身体障害者スポーツセンターで活動するとともに、3月11日、第24回全日本選抜フロアバレーボール愛知大会ANGEL CUP 2018に出場し、第7位となった。    ウ.グランドソフトボール競技      日盲連グランドソフトボール連盟登録会員を中心とするグランドソフトボール愛好者が、盲学校等において活動した。5月20日~21日、広島県立広島中央特別支援学校で、第46回中国ブロックグランドソフトボール大会兼第17回全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技中国地区予選会に参加したが、惜しくも優勝は逃した。  (12)女性部事業     自立支援拠点活動支援事業を中心に、県下各地で料理等の日常生活訓練を行うほか、関係の大会、研修会に参加し研修を深めた。  (13)青年部事業     自立支援拠点活動支援事業を中心に、県下各地で各種体験交流や研修を行うほか、各種大会、研修会に参加し研修を深めた。  (14)老人部(さわやかクラブ)事業     自立支援拠点活動支援事業の一環として「さわやか交流会」を10月29日、センターで実施した。17名の参加者が、認知症サポーターの研修を受けたほか、本会カラオケ大会等にも参加して生活の充実を図った。  (15)あはき部事業(あんまマッサージ指圧、はり、きゅう)     あはき業従事会員をもって組織し、日盲連「あはき協議会」活動に参加して、技術の向上や業権の擁護に努めた。8月6日には岡山駅地下街で500枚のチラシとティッシュペーパーを通行人に配布して無資格者に関する啓発を行った。     また、平成医療学園あはき法19条無効訴訟の裁判傍聴3回大阪地裁へ行った。  (16)音楽部事業     箏曲師範等の音楽家会員をもって組織し、日盲連の「音楽家協議会」活動に参加して研修をするとともに、伝統音楽の継承発展に努めた。  (17)点訳・朗読奉仕者活動助成事業     第65回全国盲人福祉施設大会(岐阜)で岡山県点訳・朗読奉仕者グループ連    絡協議会会員が表彰されるにあたり、交通費を補助した。  (18)情報宣伝・啓発事業     共同募金配分金を受けて、本会の活動状況等を収録した「視障協だより」(デイジー版)を年2回発行し、会員に配布したほか、日盲連発行の「愛盲時報」を県下の各市町村に配布するとともに、本会の経営する施設においても機関誌を発行するなど、啓発・情宣活動と情報開示に努めた。  (19)視覚障害者用具の斡旋販売事業     一般の商店においては入手困難な視覚障害者用具を斡旋・販売し、会員の利便を図った。