社会福祉法人岡山県視覚障害者協会平成２８年度事業報告 　本会は昭和２年１１月６日の創立当初に掲げた「自助自立と相互扶助」の理念を基本とし、定款第１条に規定する目的を達成するため、平成２８年度において、次の重点課題を設定するとともに、下記の社会福祉事業を実施した。 【１】　平成２８年度の重点課題 　１　厳しい経済情勢に対応した今後の施設経営の検討 　２　支部員の高齢化にともなう今後の組織強化 　３　パソコンの普及にともなう情報社会への対応 　４　無資格類似業者取締りなど視覚障害者の職域擁護 　５　相談支援事業所の設置運営 　６　中途失明者生活訓練事業所の運営 　７　社会的啓発広報活動の促進 【２】　平成２８年度において実施した社会福祉事業 　１　第一種社会福祉事業 　（１）障害者支援施設「岡星寮」の設置経営 　　　　障害者総合支援法に基づき、入所定員４０名をもって視覚障害と知的障害の重複障害者の自立支援に努めた。 　（２）養護盲老人ホーム「鶴海荘」の設置経営 　　　　老人福祉法に基づき、入所定員５０名をもって盲老人の健康の保持および生活の安定に努めた。１０月３１日閉鎖。１１月１日社会福祉法人天摂会へ譲渡 　（３）特別養護老人ホーム「第二鶴海荘」の設置経営 　　　　老人福祉法に基づき、併せて介護保険法の適用施設として、入所定員３０名をもって、常時介護を要する老人の心身並びに生活の安定に努めた。１０月３１日閉鎖。１１月１日社会福祉法人天摂会へ譲渡 　２　第二種社会福祉事業 （１）指定管理事業 　　　岡山県からの指定を受けて岡山県視覚障害者センター（視覚障害者情報提供施設） 　　の管理運営に努めた。 （２）受託事業 　　ア．点訳朗読奉仕者養成事業 　　　　視覚障害者の福祉に理解と熱意を有する者に、点訳・朗読技術の指導を行うことにより、点訳・朗読奉仕者を養成して視覚障害者の情報環境の整備を図った。 　　イ．自立支援拠点活動支援事業 　　　　盲女性、盲青年等および中途視覚障害者などに対して、地域における日常生活を支援するとともに必要な研修に参加した。 　　ウ．移動支援事業者情報提供事業 　　　　重度の視覚障害者が、都道府県、政令指定都市間において移動する場合、その目的地において必要とするガイドヘルパーを確保するための事業所情報を提供した。 （３）老人短期入所事業（指定短期入所生活介護事業）１０月３１日まで 　　　介護保険法の被保険者を対象として、第二鶴海荘において指定短期入所生活介護事業（いわゆるショートステイ）および介護予防短期入所事業を実施した。 　３　職員研修事業 　　　施設職員やガイドヘルパーなど視覚障害者の支援に携わるものに研修の機会を与えて、専門性や資質の向上を図った。 　４　自主事業 （１）視覚障害者情報化推進事業 　　　パソコン初心者を対象として音声装置や拡大画面を使った、視覚障害者向けのパソコン講座を開催した。 （２）更生相談事業 　　　随時本会事務所、視覚障害者センター等において、視覚障害者の更生相談に応じ、自立生活の援助を図った。また、相談体制を強化するため、毎月第一火曜日に窓口を設置し相談に対応した。 （３）支部助成事業 　　　寄付金の一部をもって支部活動を助成した。 （４）指導者研修事業 　　　５月２０日～２２日、青森県で開催された第６９回全国盲人福祉大会へ、代表者を派遣し、研修に努めた。その他、県経営協等の主催による各種研修会に代表を派遣して理解を深めた。 （５）第６５回日盲連中国ブロック盲人福祉大会（岡山大会）の開催 　　　共同募金の配分を受けて、９月１０日・１１日の両日、岡山ロイヤルホテルを会場に第６５回日盲連中国ブロック盲人福祉大会を開催した。中国各地から視覚障害者が参集し、関係者も含め延べ６００名の盛大な大会となった。 （６）会員研修事業 　　　５月２２日、青森県で開催された第６９回全国盲人福祉大会に２６名が参加、９月１０日・１１日の両日岡山県で開催された第６５回日盲連中国ブロック盲人福祉大会に岡山県から１５０名が参加した。 　　　１０月２３日には、本会会員等約１３０名を対象に岡山市ＮＰＯ会館において、大阪府立盲学校元英語教師新納季温子氏を講師に「見えない私の生活術について」講演会を行った。 （７）顕彰事業 　　　１０月２３日、岡山市で開催した第５８回岡山県視覚障害者福祉大会において、本会顕彰内規に基づき顕彰を行った。受賞者には寄付金の一部をもって副賞を贈呈した。 （８）共済事業 　　　寄付金の一部をもって、長期入院者等に歳末見舞金を贈った。 （９）交通安全対策事業 　　　バリアフリーの実現を目指して、県民への啓発、道路の点検、要請活動などを県下各地で活発に展開した。そのうち主なものは、本会各支部所属の理事・評議員等が、各県民局で実施している「福祉のまちづくり」アドバイザーに委嘱され、講習会に参加して研修するとともに、視覚障害者の立場から積極的な意見陳述を行った。 　　　また、３月１８日の点字ブロックの日には本会関係者も参加し、岡山駅前で点字ブロックの上に障害物を置かないようシールとチラシ入りのティッシュ配りを行った。 （１０）第５８回岡山県視覚障害者福祉大会並びに平成２８年度本会総会の開催 　　　平成２８年１０月２３日に岡山市ＮＰＯ会館において開催した。関係者１３０名が参加して、上記（８）の顕彰を行った。 （１１）文化事業 　　ア．文芸作品コンクールの開催 　　　　会員から短歌・俳句・川柳の短詩型文芸を募集し、土師康生先生に選を依頼して、優秀作には記念品を贈って創作活動を奨励した。参加者３０名 　　イ．オセロ大会の開催 　　　　６月２６日、視覚障害者センターにおいて開催し、中国ブロック盲人オセロ大会（９月１１日、岡山県で開催）の選手選考を兼ねて、１８名の参加者が日頃の腕 　　　　前を競った。 　 　　ウ．カラオケ大会の開催 　　　　７月１７日、岡山市のカラオケ店において開催し、中国ブロック盲人カラオケ大会（９月１１日、岡山県で開催）の選手選考を兼ねて、２２名の参加者が自慢の喉を競った。 　　エ．点字に親しむ会の実施 　　　　１１月２７日、視覚障害者センターにおいて実施、点字離れの進む中で、点字に関心を持ってもらおうとゲーム性の高い内容で開催した。１０名の参加者で和やかに進行できた。 （１２）スポーツ事業 　　ア．卓球競技 　　　　日盲連卓球連盟登録会員を中心に、卓球愛好者が盲学校等において活動した。 　　イ．フロアーバレーボール競技 　　　　日本フロアバレーボール連盟登録会員を中心とするフロアーバレーボール愛好者が、盲学校や身体障害者スポーツセンターで活動するとともに、３月、全日本選抜フロアバレーボール愛知大会ＡＮＧＥＬ　ＣＵＰに出場した。 　　ウ．グランドソフトボール競技 　　　　日盲連グランドソフトボール連盟登録会員を中心とするグランドソフトボール愛好者が、盲学校等において活動した。５月１４日・１５日（土、日）岡山市立操山中学校で、第４５回中国ブロックグランドソフトボール大会兼第１６回全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技中国地区予選会。岡山県は準優勝。 　　　　参加者は１３０名。 （１３）女性部事業 　　　受託事業である自立支援拠点活動支援事業を実施したほか、第６２回全国盲女性研修大会（福岡県）や中国ブロック盲人福祉大会など関係の会議に代表を派遣し、研修するとともに交流を図った。 （１４）青年部事業 　　　受託事業である自立支援拠点活動支援事業を実施したほか、第６２回全国盲青年研修大会（千葉県）や中国ブロック盲人福祉大会など関係の会議に代表を派遣し、研修するとともに交流を深めた。 （１５）老人部（さわやかクラブ）事業 　　　受託事業である自立支援拠点活動支援事業の一環として、「さわやか交流会」を１０月３０日視覚障害者センターで開催し、昼食交流会後、副音声付きの映画観賞をして楽しんだ。 （１６）三療部事業 　　　三療業に従事する会員をもって組織し、日盲連あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう協議会活動に参加して、技術の向上や業権の擁護拡大に努めた。特に無資格者取締りに関する活動を日盲連とともに進め、８月６日には岡山駅地下街で５００枚のチラシとティッシュペーパーを通行人に配布して無資格者に関する啓発を行った。 　また、平成医療学園あはき法１９条無効訴訟の裁判傍聴３回大阪地裁へ行った。 （１７）音楽部事業 　　　箏曲師範等の音楽家会員をもって組織し、中央での会議、三曲演奏会に代表を派遣して研修を深めた。１月２９・３０日、岡山県で第５４回三曲演奏会、第５５回全国盲人音楽家福祉大会の共催。 （１８）情報宣伝・啓発事業 　　　本会の活動状況等を収録した「視障協だより」第３８号および第３９号（デイジー版）を発行し会員に配布したほか、視覚障害者の全国組織である日本盲人会連合（日盲連）発行の情報誌「愛盲時報」を県下の各市町村に配布した。また、ホームページを活用し、啓発・情宣活動と情報開示に努めた。 （１９）視覚障害者用具の斡旋販売事業 　　　一般の商店においては入手困難な視覚障害者用具を斡旋販売し、会員の利便を図った。 （２０）みちしるべ事業 　　　指定特定相談支援事業、指定障害児相談支援事業所運営 　　　地域生活支援事業所みちしるべ事業（岡山市、倉敷市、全県下）の中途視覚障害者等生活訓練、歩行訓練事業所の運営。