【表紙】 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 抄録集(一般演題を除く) ど田舎にもお宝が・・・“肩寄せ合えば暖かい” 会期 2021年8月12日 木曜日から 9月12日 日曜日まで 形態 オンデマンドWeb(8月28日にライブあり) 主催 視覚障害リハビリテーション協会 主管 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 実行委員会 【テキスト版 凡例】 テキスト版にはページ番号の記載はありません。 目次の番号と項目名で検索してください。 テキスト文書の特性に合わせて、一部PDF版とは異なる編集をしている部分があります。 【目次】 1 大会長挨拶 2 参加者へのご案内 3 大会プログラム 4 特別講演 5 教育講演 6 ビッグなショート講演集 7 シンポジウム1 8 シンポジウム2 9 就労講座 10 障害年金講座 11 スポーツ・レクリエーション講座 12 パラスポーツ競技講座 13 視覚障害リハビリテーション協会主催企画 14 O&M研修会 15 プレ企画1 16 プレ企画2 17 プレ企画3 18 公開シンポジウム1 19 公開シンポジウム2 20 機器等の紹介 21 「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱 22 第30回大会案内 23 後援・協賛一覧 24 実行委員会メンバー 25 広告 【1 大会長挨拶】   皆様、大変長らくお待たせいたしました。ようやく、岡山大会を開会できる運びとなりました。ご参加いただき、誠にありがとうございます。また、本大会に一般演題をご応募くださった演者・共同演者の皆様に、心より感謝を申しあげます。どうもありがとうございました。  ここでプログラムの紹介はいたしません。ご参加の皆様は事前にホームページでご覧になり、折に触れて大会長挨拶のページも読んでいただけたのでは、と思います。また、本抄録集にもプログラムがあり、各企画を座長が紹介し、演者の抄録も載っています。どうぞ本抄録集および一般演題の抄録集で岡山大会の全容をご確認ください。そして今一度、本表紙に掲げた大会テーマをご覧いただけますか。ど田舎は日本中どこにでもあります。お宝は皆様のすぐ傍にも。  思い返せば、岡山での開催を打診されたのは2018年の7月、神戸大会時のことでした。10月に実行委員会が立ち上がり、2019年7月の盛岡大会閉会式ではカモンベイビー岡山を壇上で踊っていました。翌8月にホームページを立ち上げ、12月には中四国の実行委員が会場の下見を兼ねて岡山大学へ集結し、主なプログラムと役割分担の決定・確認をしました。  2020年4月には会員の皆様にチラシを配布しよう、と言ったところでしたが、コロナによる1年延期を余儀なくされました。  そして巡った12月、「コロナ手強し」で早々にWeb開催への変更を検討。今年1月に協会理事会で承認され、以後は新たな形式による開催へ向けて邁進して参りました。事務局の面々には二重の苦労をかけましたが、不平の一つも言わず、それぞれの役割を立派に果たしてくれました。総勢35人となった実行委員の各担当にも全面協力の姿勢で取り組んでもらえ、なんとか今日の日を迎えることができました。その他、お力添えくださった関係の皆様には、この場を借りて、心から御礼申しあげます。  最後に、視聴期間は1か月あります。でも、子供時代の夏休みよりは短いですよ!もう1つ、8月28日 土曜日の午後を空けてくださっていますか?協会企画のライブがあります!! オンデマンド配信はありません!!! 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 大会長 守本 典子(岡山大学 眼科学講座) 【2 参加者へのご案内】 1 視聴方法 参加登録が完了された方には、メールにてログインIDとパスワード(PW)を発行いたします。 会期中に大会HPトップページ画面中央部の『参加者専用ページ』よりID/PWを入力し、ログイン後にご視聴ください。 ※プレ企画3つ・公開シンポジウム2つ・機器等紹介は一般公開しています。 2 質疑応答 各動画下部のコメント機能にてご質問、ご意見を投稿していただけます。 ※一般演題にはすべて付いていますが、企画プログラムではコメント機能のないものもあります。座長・演者等の意向・事情によるため、ご了承ください。 質問は9月5日 日曜日までで締め切ります。 ※回答は9月9日 木曜日までに演者等から入れていただくようお願いしています。 3 注意事項 録画・録音、動画等の無断共有、チャットでの誹謗中傷は固く禁止させていただきます。 上記を発見した場合は、その後の参加をご遠慮いただく場合があります。 インターネット環境をご確認の上、ご参加ください。 大会参加にかかる通信料等はご自身でご負担ください。 ※8月28日 土曜日 午後の協会企画については「協会からのお知らせ」のページをご覧ください。 ※8月28日 土曜日 夜の懇親会については「懇親会のご案内」のページをご覧ください。 4 抄録集 抄録集(PDF版・ワード版・テキスト版・デイジー版)は「抄録集」のページからダウンロードをお願いします。印刷版は作成いたしません。 5 日本眼科学会専門医制度生涯教育事業 認定 事務局にて、大会参加登録時に日眼専門医番号を入力された方の視聴確認をいたします。皆様には本人控(通常開催時に会場でお渡しするレシートの代わりとなるもの)をメールで送信いたします。日本眼科学会専門医制度委員会へは事務局から本人控と同内容を報告します。個別のお問い合わせは、日本眼科学会事務局へお願いいたします。(現時点では岡山県眼科医会からWeb開催用の申請中のため単位数は未定です。) 6 日本視能訓練士協会生涯教育制度 認定 大会参加により3単位の取得が可能です。参加登録ページに記載しております通り、参加証は発行しませんので、単位申請時には大会名と参加者名を記した自動返信メールを印刷して日本視能訓練士協会事務局へご送付ください。参加費の領収書にも当大会の正式名称の記載が必要ですので、提出される振込時の受領書等には正式名称「第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山」を記載するようご注意ください。ご不明な点は協会事務局へお願いいたします。 【3 大会プログラム】 特別講演                                                                     見えなくても見えた支える笑顔 座長 片岡 美佐子(社会福祉法人 岡山県視覚障害者協会 会長) 演者 竹内 昌彦(NPO法人 ヒカリカナタ基金 理事長・岡山県立岡山盲学校 元教頭) 教育講演                                                                 視覚障害教育の最新事情 ICT・デジタル教科書・高大連携 座長 西村 壽倫(岡山県立岡山盲学校 前校長) 演者 氏間 和仁(広島大学大学院 人間社会科学研究科 准教授) ビッグなショート講演集                                                     もっとある!お宝からの贈り物 座長 守本 典子(岡山大学 眼科) 演者 森實 祐基(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 眼科学分野 教授)     「視覚障害認定全国調査について」    白根 雅子(公益社団法人 日本眼科医会 会長・広島県眼科医会 顧問・同 前会長)     「日本眼科医会の視覚リハへの取り組み 視覚障害者の理解を眼科医療者と社会に浸透させる活動」    田中 智(鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課  社会参加推進室 室長)     「鳥取県におけるロービジョンに関する取組について」    田淵 昭雄(川崎医科大学 眼科・川崎医療福祉大学 感覚矯正学科 名誉教授・日本ロービジョン学会 初代理事長)     「視能訓練士育成における視覚リハ教育 現状と今後」    吉野 由美子(高知女子大学(現県立高知大学) 社会福祉学部 元准教授・視覚障害リハビリテーション協会 前会長)     「高知の活動は今に通じる 今に通じさせるためにやるべきこと」    和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・元 愛媛県立松山盲学校 理療科・視覚障害リハビリテーション協会 会長)     「ICTで簡単便利な快適ライフを手に入れよう」    中村 猛(株式会社 Raise the Flag.)     「今、私たちは視覚障がいの歴史が変わる境界線に立っているのですよ」 シンポジウム1                                                                地方発 歩行訓練士の現状と将来像 座長 森 一成(神戸アイライト協会)    別府 あかね(町田病院) 演者 南 奈々(たかだ電動機株式会社 視覚障害者支援部てんとうむし)    中口 潤一(香川県視覚障害者福祉センター)    牧 和義(岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ)    前川 賢一(NPO法人 アイパートナー)         シンポジウム2                                                               視覚障害リハと視覚支援教育の展望 視覚支援学校に在籍する中途視覚障害者の自立活動の視点から 座長 上光 陽子(高知県立盲学校)    松友 輝子(愛媛県立しげのぶ特別支援学校・元 愛媛県立松山盲学校) 演者 本田 東(埼玉県立塙保己一学園)    田邊 佳実(新潟県立新潟盲学校)    樽本 圭司(愛知県立名古屋盲学校)    都筑 綾子(高知県立盲学校)    栗原 勝美(東京都立文京盲学校・日本理療科教員連盟 元会長)    牟田口 辰巳(広島大学教育学研究科 元教授) 就労講座                                                                  視覚障害者の一般就労事情2020 座長 和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・元 愛媛県立松山盲学校 理療科・視覚障害リハビリテーション協会 会長)    宇田 高広(愛媛大学医学部附属病院 眼科・いしづち眼科) 演者 大川 淳也(国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 職業訓練部)    初瀬 勇輔(株式会社 ユニバーサルスタイル) 障害年金講座                                                             当事者も支援者も聞いて得する障害年金請求の話 知っていますか?「3つの年金請求法」 座長 原 克典(島根大学 眼科)    田中 桂子(神戸アイセンター病院・鳥取大学医学部附属病院 眼科) 演者 辰巳 周平(辰巳社会保険労務士事務所) スポーツ・レクリエーション講座                                                  ちょっと聞いてみませんか?視覚障害者が楽しめる様々な趣味の耳寄りな話 座長 大松 寛(鳥取大学 眼科)    石田 博美(鳥取大学医学部附属病院 眼科) 演者 福原 隆行(桃モンキー:クライミング)    久保 瞳(ももたろうパートナーズ:マラソン)    梶野 雅章(岡山デビルバスターズ:サッカー)    田中 京子(Reading ACT:映画鑑賞)    山下 幸四郎(全国盲人将棋大会S級優勝者・岡山県立岡山盲学校:将棋)    佐藤 えり子(一般社団法人 岡山県ユニバーサルスポーツ文化協会) パラスポーツ競技講座                                                   「障がい者スポーツ医」と「パラリンピアン」から学ぶ視覚パラスポーツのススメ! 座長 横峯 弘隆(小郡第一総合病院 眼科) 演者 辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)    初瀬 勇輔(柔道パラリンピアン・日本パラリンピアンズ協会理事) 視覚障害リハビリテーション協会主催企画                                    「視覚リハ未来への挑戦 Part 5」 第1部『視覚リハ自分ごとプロジェクト』 8月28日午後のライブのみ ご存じですか?2025問題 超高齢化社会と視覚リハ 宿題報告者 田中 雅之(名古屋市総合リハビリテーション事業団)       新井 千賀子(杏林アイセンター)       内田 まり子(神奈川県ライトセンター) 参加者によるグループワークあり 第2部『研究トラの巻』其の5 現場から発信! 調査研究のツボ 講師 米沢 崇(広島大学大学院教育学研究科) O&M研修会  ※視覚障害リハビリテーション協会 O&M分科会 主催           8月28日午後のライブのみ 視覚障がい者の単独移動を支援する設備等の現状と今後の課題 講師 田内 雅規(岡山県立大学名誉教授・モビリティ研究所) 以下は一般公開企画 プレ企画1 6月中旬から一般公開                                          音声ユーザーでも安心!はじめてのWeb視覚リハ岡山大会 司会進行 阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ 視聴覚障がい者支援センター)      庄司 健(島根ライトハウス ライトハウスライブラリー) アクセシビリティ案内人 和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・視覚障害リハビリテーション協会 会長)             御園 政光(視覚障害リハビリテーション協会情報アクセス分科会)             品川 博之(「Voice_of_i 見えなくても使えるiPhone」ブログ管理人) プレ企画2 7月中旬から一般公開                                             見えない見えにくい方にも届けたい 看護師による聞いて得するプラスαの感染予防 講師 橋本 伸子(やわたメディカルセンター 眼科) プレ企画3 7月下旬から一般公開                                                  コロナ禍で生まれた オンライン・チャレンジド・ヨガ 今こそ!おうちでヨガ ハッピートレーニング 代表 高平 千世(一般社団法人 チャレンジド・ヨガ~視覚障がいの方のヨガ~) 共同制作者 ウッチー・城谷 直人・丸山 ゆみ・MIWA・Yoshie・﨑元 宏美・田村 さとみ・長谷川 伸介・佐藤 ゆみ・芳賀 優子・村上 智彦 公開シンポジウム1 ※大会実行委員会・公益社団法人 日本眼科医会 共催            これからの連携 より早く効率的な情報共有をすべての眼科医から 座長 奈良井 章人(広島大学 眼科・奈良井眼科)    星川 じゅん(かがわ総合リハビリテーション病院 眼科) 演者 永井 春彦(勤医協札幌病院 眼科)    金平 景介(高知県身体障害者連合会 ルミエールサロン)    工藤 正一(社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合)    平塚 義宗(順天堂大学 眼科 先任准教授・公益社団法人 日本眼科医会 理事) 公開シンポジウム2 ※ 視覚障害リハビリテーション協会 防災・減災委員会 主催     災害時に一人でも多くの視覚障害者を支えるために 専門家の災害支援のあり方を考える 講師 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)       「東日本大震災から10年間の視覚障害者の災害支援の動向」    辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)     「医療の立場からみた視覚障害者災害支援」    棚橋 公郎(岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふ)     「視覚障害者の生活支援専門家としての災害支援」 パネルディスカッション 今後起こるであろう災害時の視覚障害者への支援について様々な立場から考える 司会 良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター) パネリスト 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)       辻 拓也(久留米大学 眼科)       棚橋 公郎(岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふ)       加藤 俊和(日本盲人福祉委員会:支援体制構築の立場から)       田中 桂子(神戸アイセンター病院:視覚障害者の災害時の心理) 機器等の紹介                                                                     見えにくい・見えない人のための支援機器等の紹介コーナー 家庭や職場、学校で使える便利な道具をみつけよう 【4 特別講演】 見えなくても見えた支える笑顔 演者 竹内 昌彦(NPO法人 ヒカリカナタ基金 理事長・岡山県立岡山盲学校 元教頭) 座長 片岡 美佐子(社会福祉法人 岡山県視覚障害者協会 会長) 座長のことば  竹内昌彦先生は1945年のお生まれで、1歳の時に肺炎に伴う高熱で右眼を失明し、0.1くらい見えていた左眼も小学2年生の時に網膜剥離で0.02となり、5年生の時に物が当たって失明されています。  小学校3年生から専攻科を卒業するまで岡山盲学校で学ばれました。  卒業と同時に、はり、きゅう、マッサージの免許を取得され、東京教育大学の盲学校教員養成課程を経て、母校の岡山盲学校で37年間理療科教員として教鞭を執られました。  在職中の1991年1月から現在まで、全国各地を訪れ、約3千回の講演活動を続けておられます。その内容は主に、視覚障害に対する理解を深めるための啓発であり、かかわってくださった人への感謝の気持ちでした。これまでの体験をもとに、笑いあり涙ありの分かりやすく説得力のあるお話は、多くの人々に感動を与えています。この度もまた、沢山の人に元気と勇気を届けてもらえるものと期待しています。 演者抄録 見えなくても見えた支える笑顔 竹内 昌彦(NPO法人 ヒカリカナタ基金 理事長・岡山県立岡山盲学校 元教頭)  私の人生にはとても悲しいことが2つあった。1つはこの目が見えなくなったことであり、もう1つは長男に重い障害があり、その子を7歳で亡くしたことだった。  しかし、それらを埋めて余りあるほどの幸運にも恵まれた。  その第1は、すばらしい両親に育てられたことだった。障害を隠そうとする時代に、両親は私をどこへでも連れ出し、なんでも経験させ、本を読み聞かせ、水泳や山登りで私を鍛えた。  2つ目の幸運は、すばらしい先生方に出会えたことだった。私を助けようとする生徒を褒めることでいじめをなくした先生、学ぶ喜びと学ぶ意味を教えようとされた先生など、忘れられない恩師が大勢おられる。  3つ目の幸運は、すばらしい家族と仲間に、今、囲まれているということだ。長男のことなどの悲しみを越えられたのは愚痴を言わない妻がいたからだし、アマチュア無線の仲間たちが若い私たちを支えてくれた。退職後はワンダーシップというユニークな組織の仲間たちが、点字ブロックの石碑を作ったり、海外の視覚障害者児を支援する活動に参加してくださったりしている。  私は自分の幸福だけを求めて大人になった。そのわがままな心を長男は命を棄てて叩き直してくれた。人に喜びや幸せを与えることこそが本当の幸せであることを教えてくれた。今日ここに集まられた皆さんこそ、つまずいて倒れそうになっている人たちを助ける仕事についておられる。人に希望と喜びを与える皆さんのお仕事に心からのエールを送りたい。 演者プロフィール 竹内 昌彦(たけうち まさひこ) 1945年2月生まれ。1歳時、肺炎に伴う高熱で右目を失明。0.1くらい見えていた左目は小2時に網膜剥離で0.02程度となり、小5の時に物が当たって失明した。岡山盲学校卒業後、東京教育大学(当時)の盲学校教員養成課程を経て母校の教師となり、2005年に退職。 現在 NPO法人 ヒカリカナタ基金理事長    社会福祉法人 岡山ライトハウス理事長    社会福祉法人 岡山県視覚障害者協会副会長 著書に「見えないから見えたもの」(自分史)、「船長の粋な話」(エッセー集)他 【5 教育講演】 視覚障害教育の最新事情 ICT・デジタル教科書・高大連携 演者 氏間 和仁(広島大学大学院 人間社会科学研究科 准教授) 演者プロフィール 氏間 和仁(うじま かずひと) 広島大学大学院人間社会科学研究科准教授 博士(教育学) 1994.4~2006.3  愛媛県立松山盲学校教諭 2006.4~2008.9  福岡教育大学教育学部講師 2008.10~2011.3 福岡教育大学教育学部准教授 2011.4~ 広島大学大学院教育学研究科准教授 座長 西村 壽倫(岡山県立岡山盲学校 前校長) 座長のことば     これまで教科書と言えば、100年以上、紙媒体であった。視覚障害がある者にとって、全盲者には点字教科書であり、弱視者には拡大教科書が提供されるようになってきた。しかし、点字の読めない全盲者や様々な見え方がある弱視者に紙媒体では越えられないバリアが存在した。そうした中、2019年の法令の改正によって、ついにデジタル教科書が制度化された。視覚障害者にとって、新たな世界を切り開けるか、まさに正念場である。この教育講演は、視覚障害教育のICT分野の第一人者である広島大学氏間准教授から最新情報を聴ける貴重な場となる予定である。 演者抄録 視覚障害教育の最新事情 ICT・デジタル教科書・高大連携 氏間 和仁(広島大学大学院 人間社会科学研究科 准教授)  文部科学大臣は「PC端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。・・・多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるものです。」(2019年12月19日)といったメッセージを出した。PCに代表されるICTは紙や鉛筆と並ぶ道具であり、何らかの困難のある子供にとって紙や鉛筆と並ぶ道具の選択肢の増加は、学びや生活へ公平に参加するチャンスが増えることを意味している。  また、「新しい時代の初等中等教育の在り方 論点取りまとめ」(2019年12月)では,(1)一人一台のコンピュータや大容量通信ネットワークなどにより多様な子供たちの一人一人に応じた学びの提供、(2)特別な支援が必要な児童生徒等に対する個別支援の充実、(3)生涯を通じた心身ともに健康な生活を送るために必要な資質・能力の育成などが指摘されている。特別支援教育は、特別支援学校はもちろんのこと、広く地域の小中高等学校で実践され、それを推進するための強力なツールの一つとして、ICTが改めて注目されている。  このような特別支援教育およびICT活用の推進は、視覚障害のある児童生徒の学びの機会の拡大に貢献する。また、どのような学びをしてきたかが、大学進学や社会への旅立ちにも大きく影響を与える。  教育講演では、このような時代背景を概説した後、なぜ今、ICT活用なのか、そしてICT活用と深い関係にあるデジタル教科書、そしてこれらの先にある高大連携について事例を交えながら取り扱う。ICT活用については、20世紀末キャリア教育が日本で注目された時代、つまり単線型のキャリアモデルから複線型へと転換した時代から、生涯にわたる活躍を支える存在として認識されてきた。現在、Society5.0に象徴されるように、情報化やグローバル化といった社会的変化が、人間の予測を超えて加速度的に進展するようになってきている。このような複雑で予測不可能な時代の中でも、児童生徒一人一人が社会の変化に主体的に関わり、多様な他者と協働しながら、幸福な人生を切り拓き、未来の作り手となることができるような力を身につけさせることを教育では考えている。  新しい学習指導要領では、学習の基盤となる資質・能力の一つとして「情報活用能力」を挙げている。特に情報障害になりがちな視覚障害のある人々にとって、この情報活用能力を小中高校時代に身につけさせておくことは、とても大切である。さらに、この情報活用能力を生かして、大学受験や就職へとつながっていくことが期待できる。  これらのことを踏まえて、視覚障害教育におけるICT活用を軸に最新事情について取り扱う。   【6 ビッグなショート講演集】 もっとある!お宝からの贈り物 演者 森實 祐基(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 眼科学分野 教授)    白根 雅子(公益社団法人 日本眼科医会 会長・広島県眼科医会 顧問・同 前会長)    田中 智(鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課 社会参加推進室 室長)    田淵 昭雄(川崎医科大学 眼科 名誉教授・川崎医療福祉大学 感覚矯正学科 名誉教授・日本ロービジョン学会 初代理事長)    吉野 由美子(高知女子大学(現県立高知大学) 社会福祉学部 元准教授・視覚障害リハビリテーション協会 前会長)    和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・元 愛媛県立松山盲学校 理療科・視覚障害リハビリテーション協会 会長)    中村 猛(株式会社 Raise the Flag.) 座長 守本 典子(岡山大学 眼科)   座長のことば  中四国が誇る講師陣に、視覚障害に関わる活動等を披露していただきました。  岡山県の森實氏は網膜硝子体のトップレベルのサージャンでありながら、視覚障害認定の全国全数調査(18歳以上)を遂行され、今後の道筋を付けられました。信頼を得て、次の調査、集計も主導しておられます。  広島県の白根氏は早くからロービジョンケアに取り組んでおられ、現在は日本眼科医会の会長として多方面から全国的な取組を展開してくださっています。  県政と医療・福祉の連携より急成長を遂げている鳥取県の取組を、リーダーの田中氏から伺います。全国的にも珍しい、そしてとても羨ましい・・・いえ、夢物語ではありません!  長年、優秀な視能訓練士を輩出してくださっている倉敷市(がご希望)の田淵氏はたくさんのポケットをお持ちですが、今回は視能訓練士の活躍とその教育・育成について教えていただきます。  高知県の大学で教鞭を執られた吉野氏は、10年間で地域リハをグッと推進されました。後の10年間は会長として視覚障害リハビリテーション協会の発展に尽くされ、現在も高齢視覚障害者の問題に精力的に取り組んでおられます。  現協会長の和田氏は愛媛県の盲学校にご勤務中、情報機器の導入や視覚障害者用ソフトの開発に力を注がれ、現在は神戸アイセンターから全国へ発信されています。この7月には内閣官房の情報通信技術(IT)総合戦略室のアクセシビリティアナリストとなられ、9月に創設されるデジタル庁に参画されます。  香川県の開発者と言えば「みずいろクリップ」の中村氏。今回は仕上げの段階に入っているRtFグラスをご紹介くださいます。高い知識と技術と洞察力と実行力と・・・何より、その心意気を感じ取っていただければ、と思います。 演者抄録 視覚障害認定全国調査について 森實 祐基(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 眼科学分野 教授)  視覚障害は生活の質を著しく低下させ、教育や労働等の社会生活の維持に大きな影響を及ぼす。そのため、視覚障害の原因疾患を把握し、国および自治体の医療福祉行政に反映することが重要である。  しかし、これまでに計三回実施された全国調査はいずれも抽出調査であり、全ての自治体の実態を明らかにしたとはいえなかった。  演者が所属する厚生労働省の研究班(網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班)では、障害認定のデータが電子化されたことに着目し、2015年に本邦で初めて全都道府県全自治体を対象とした視覚障害認定の原因調査を実施した。  本講演ではこの全国調査の結果を概説する。 演者プロフィール 森實 祐基(もりざね ゆうき) 1996年 岡山大学医学部卒業 2006年 岡山大学大学院医歯学総合研究科修了 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 助教 2008年 米国ハーバード大学マサチューセッツ眼科耳鼻科病院 研究員 2013年 岡山大学病院 講師 2018年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 准教授 2020年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授 演者抄録 日本眼科医会の視覚リハへの取り組み~視覚障害者の理解を眼科医療者と社会に浸透させる活動~ 白根 雅子(公益社団法人 日本眼科医会 会長・広島県眼科医会 顧問・同 前会長)  日本眼科医会における視覚障害者支援は、1)眼科におけるロービジョンケア推進、2)国に施策を求める、3)視覚障害者への国民の理解を浸透させる、という3点を柱としている。  具体的には、全ての眼科医にとってロービジョンケアが身近なものになるよう「クイックロービジョンケア ハンドブック」を刊行し、眼科と支援機関の連携強化のためにスマートサイトの有効活用を進めている。  また、最近、NPO法人タートルが実施している就労相談会への協力も始めた。  さらに、QOL向上に寄与する新しい機器が補装具に認定されるための対策、省庁が主導する「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」への参画など、国との連携に注力している。  加えて、「アイするスポーツプロジェクト」を設置して視覚障害者スポーツを応援し、「ホーム転落をなくす会」が作成した啓発ポスターを全国の鉄道駅に貼付する活動を通して、視覚障害者が社会の中で安全に活動できる文化の醸成を目指している。 演者プロフィール 白根 雅子(しらね まさこ) 1983年 広島大学卒業、広島大学眼科入局 1985年 カナダ トロント大学眼科 clinical fellow 1987年 JR広島病院眼科 部長 1993年 医療法人 しらね眼科 <兼務>1989年~ 広島市更生相談所 視覚障害判定医     1993年~ 広島市立リハビリテーション病院眼科 非常勤医 <医会活動> 1999年 広島県眼科医会にて医会活動開始 2013年 広島県眼科医会 会長 2018年 公益社団法人 日本眼科医会 会長 演者抄録 鳥取県におけるロービジョンに関する取組について 田中 智(鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課 社会参加推進室長)  鳥取県では、障害者権利条約の合理的配慮などの理念を実践するため、障がいのある方が暮らしやすい地域共生社会を県民とともにつくる「あいサポート運動」を平成21年11月よりスタートさせ、平成29年9月には、障がい者が自分らしく暮らしやすい地域社会の実現を目指し、「あいサポート条例」を施行した。  地域共生社会づくりを進める中で、県議会においてロービジョンに関する議論が交わされ、取組が始まることとなった。  ロービジョン当事者も参画する協議会の意見も踏まえ、1)相談体制の強化、2)企業や県民の理解を深めるためのフォーラムの開催、3)眼科医などの皆様にロービジョンへの見識を深めていただくための講習会の開催、の3つを柱とした事業を開始した。  取組は始まってまだ3年であり、県民のロービジョンに対する理解や認識はまだまだ進んでいないと考えられることから、今後も皆様から意見を頂戴しながら取組を進めていきたい。 演者プロフィール 田中 智(たなか さとる) 2021年4月 鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課 社会参加推進室長 演者抄録 視能訓練士育成における視覚リハ教育~現状と今後~ 田淵 昭雄(川崎医科大学 眼科・川崎医療福祉大学 感覚矯正学科 名誉教授・日本ロービジョン学会 初代理事長)  視能訓練士 (Certified Orthoptist; CO)は1971年に制定された名称独占資格を持つ国家資格で、2021年4月には4年制大学10校、1~3年制専門学校16校で育成されている。  ロービジョンケア(LVC)の教育はカリキュラムの基礎専門分野の「保健医療福祉と視能障害のリハビリテーションの理念」で施行されるが、「LV学」が導入されたのは2003年頃である。教育内容は学校毎に異なり、川崎医療福祉大学のものを紹介した。  2020年の日本視能訓練士協会の調査では、COが従事している主な業務のうちLVCが10.0%であった。これはLVCの時間的、経済的問題、専門的技術習得の困難さなどに要因がある。一方、眼科医の承認なくCOの判断でLVCを施行できないため、施設のトップがLVCに関心を持つことが課題である。  COの今後の発展分野は、3歳児健診やLV関係で業務が定着することにある。 演者プロフィール 田淵 昭雄(たぶち あきお) 1968年3月 神戸大学医学部 卒業  1970年7月 兵庫県立こども病院眼科 1977年5月 川崎医科大学 助教授(眼科学) 1985年12月 ケースウエスタンリザーブ大学神経内科       眼球運動神経生理学研究所 Visiting Scientist 1989年9月 川崎医科大学 教授(眼科学)  1992年9月 川崎医療福祉大学 教授(感覚矯正学)併任  2004年12月 川崎医科大学 教授 退職  2005年4月 川崎医科大学 名誉教授 2013年4月 川崎医療福祉大学 特任教授 2015年4月 川崎医療福祉大学 名誉教授  2016年4月 川崎医療福祉大学 客員教授 現在に至る 役職 日本小児眼科学会 名誉会員(第4代理事長)、日本ロービジョン学会 名誉会員(初代理事長)、日本弱視斜視学会 名誉会員、日本眼科学会 名誉会員、日本神経眼科学会 名誉会員、日本臨床視覚電気生理学会 名誉会員、ASNOS 名誉会員 演者抄録 高知の活動は今に通じる 今に通じさせるためにやるべきこと 吉野 由美子(高知女子大学(現県立高知大学) 社会福祉学部 元准教授・視覚障害リハビリテーション協会 前会長)  現在、視覚障害者の7割以上が高齢視覚障害者である。高齢になって視覚障害になった人たちは、障害者手帳をとらず、視覚リハサービスを受けた経験も持たず、介護保険サービスに組み込まれることが多々ある。  介護保険サービスを受けている高齢視覚障害者や介護に従事している人たちのほとんどは、視覚リハサービスについて知識もなく、その効果についても知らないため、視覚リハサービスを必要とする高齢視覚障者の視覚リハサービスに対するニーズは、顕在化していない。  この状況は、私が、1999年に高知女子大に赴任した時の高知県の実情と類似している。  そこで、高知県で視覚リハサービスのニーズの掘り起こしを行った時の理念や方法や経験知が今役立つと考え、皆さんに聞いていただきたく、この講演をさせていただくことにした。 演者プロフィール 吉野 由美子(よしの ゆみこ) 1947年生まれ 73歳 1968年3月 東京教育大学付属盲学校(現筑波大学付属視覚特別支援学校)高等部普通科卒業 1970年4月 日本福祉大学社会福祉学部に初めての点字受験者として入学 1974年3月 同上卒業 1974年4月 名古屋ライトハウス 明の星 声の図書館(現 名古屋ライトハウス情報文化センター)就職 中途視覚障害者の相談担当 1976年3月 同上退職 1977年4月 東京都児童相談センター就職 1988年3月 同上退職 1991年4月 日本女子大学文学研究科社会福祉専攻前期課程修了(社会学修士) 1991年10月 東京都立大学人文学部社会福祉学科 助手 1999年4月 高知女子大学(現県立高知大学)社会福祉学部 講師、10年間勤めて準教授で退職 2009年4月 視覚障害リハビリテーション協会会長、10年間務めて退任 演者抄録 ICTで簡単便利な快適ライフを手に入れよう 和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・元 愛媛県立松山盲学校 理療科・視覚障害リハビリテーション協会 会長)    情報通信技術(ICT)の目覚ましい進歩は、インターネットで世界中の人を繋いだ。人工知能(AI)の登場でビッグデータが扱えるようになり、ビッグデータや人工知能(AI)で人が行っていた高度な仕事がAIに置き換えられるようになった。  視覚障害者の支援機器においても、AIを利用して、文字の読み上げや風景の説明、移動のナビゲーションなど見えなくてできなくなったことをできるに変える機器が開発され利用できるようになった。  一般の情報機器においてもパソコンやスマホだけでなく、AIを利用して、声で話しかけるだけで利用できるスマートスピーカーも開発された。パソコンやスマホの操作が苦手な高齢者にも操作の容易さから利用されている。  本講演では、最新の視覚支援機器の機能、便利で操作の簡単な視覚障害者用パソコンソフトの操作法、簡単に使えるスマホの操作方、スマートスピーカーの便利な活用法を紹介する。 演者プロフィール 和田 浩一(わだ こういち) 愛媛県松山市出身。 中学2年で網膜の難病と診断され、30歳で文字が読めなくなり、現在は全盲。 盲学校の教員として35年間勤務し、2018年4月から神戸アイセンター内のビジョンパークで勤務。 1980年代に盲学校に情報機器の導入を推進し、視覚障害者用ソフトの開発や情報技術を視覚障害教育に積極的に活用した。 また、誰もに優しいインクルーシブなデジタル社会形成に力を注いでいる。 2019年4月に視覚障害リハビリテーション協会会長に就任。 2021年7月から内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 アクセシビリティアナリスト。 演者抄録 今、私たちは視覚障がいの歴史が変わる境界線に立ってるのですよ 中村 猛(株式会社 Raise the Flag.)  弊社が開発している、視覚に頼らず周囲の環境を「正確に」「感覚的に」認識できるコア機能を中心に、生活におけるあらゆる場面にて視覚の不自由さを補完する機能を持つメガネ型デバイス(RtFグラス)。  個々の障がい特性に合わせたセッティングを行うコトで着用者のもつ能力を最大限に引き上げ、不便を解消させるコトを目的とした「人の能力×テクノロジー」を組み合わせた次世代型製品です。  今回、その原理試作機を用いた実証実験動画を中心に ご紹介させていただきます。  長い間 変化のなかった視覚障がいの世界に今、革新が起きようとしているコトを感じていただきたいです。よろしく お願いいたします。 演者プロフィール 中村 猛(なかむら たけし) 1972年生まれ。 株式会社Raise the Flag. 代表取締役。 営業職などを経て 2017年 同社設立。   「視えないコトは不便なだけで不幸ではない」幼い全盲の女の子の発言を聞いた時に衝撃が走った。 とても嬉しかった。「不便」であれば、解消してあげられる!と思い、とても嬉しかった。 あの女の子が困るコトのない未来を創ろうと決めた。必ず 創る。今日を忘れないように。 これは、約4年前にノートに走り書きしている内容です。全ては この日から始まりました。 そして今日、この目標に手が届くまでに至りました。 明日からも膨大な無駄と少しの成功を繰り返しながら、この未来を形にする作業を繰り返します。 4年前のノートの走り書きから始まった開発、公の場での初公開が このような立派な会であるコト、心底 嬉しく思っています。 皆さま、ご意見やご感想がございましたら ぜひ、お知らせください。開発の参考にさせていただきたく思います。よろしく お願いいたします。 【7 シンポジウム1】 地方発 歩行訓練士の現状と将来像 演者 南 奈々(たかだ電動機株式会社 視覚障害者支援部てんとうむし)    中口 潤一(香川県視覚障害者福祉センター)    牧 和義(岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ)    前川 賢一(NPO法人 アイパートナー) 座長 森 一成(神戸アイライト協会)    別府 あかね(町田病院)     座長のことば    日本で歩行訓練士の養成が始まり、昨年50周年を迎えました。また、全国にスマートサイトが作成され、医療と福祉の連携が進み、歩行訓練士に求められることも多くなってきています。しかし、地方では一人で奮闘している歩行訓練士が多く、課題も多くあります。  このシンポジウムでは主に訪問形式で訓練事業に関わり、地方で奮闘している4人の歩行訓練士が現状と将来像を語ります。演者間議論では、一人職場ならではの悩みや、その解決方法などについて盛り上がりました。  ご参加の皆さまにも、これからの歩行訓練士の将来像について一緒に考えていただきたいと思います。 演者抄録 佐賀県の場合 南 奈々(たかだ電動機株式会社 視覚障害者支援部てんとうむし)  たかだ電動機(株)視覚障害者支援部てんとうむしは、平成25年に事業を開始し、今年で8年目になる。昭和49年に先代が創業し、「たかだ電機」としてモーター等の修理、整備事業を約40年営んできた当法人は、8 年前、株式会社設立時に、地域へ社会貢献をしていきたいという代表の思いから福祉部門を展開することとなり、「視覚障害者支援部てんとうむし」を発足させた。 てんとうむしでは現在、3つの柱を掲げて活動している。 (1)『視覚障害当事者向けの支援・訓練』 (2)『当事者を支援するヘルパー向け支援・指導』 (3)『一般向けの支援・アドバイス』  てんとうむしを設立する以前(平成17年~)からフリーランスの活動として、所属の歩行訓練士は当事者への支援・訓練(中途視覚障害者緊急生活訓練等事業)に取り組んでいた。てんとうむし設立後は、(1)の活動も法人として取り組み、(2)や(3)、さらに「他機関との連携」を重視したいと考え、活動している。現在、事業の大部分が(1)の活動で占められている現状があるため、他の業務へ注力しづらい現状がある。連携を強化することが当事者への情報提供を活性化し、相談・訓練の希望者増につながってくるため、今後、今の事業・業務の中でどのように連携強化を行うべきかが課題である。   演者抄録 香川県における活動の現状                中口 潤一(香川県視覚障害者福祉センター) 1.香川県視覚障害者福祉センターについて 点字図書館業務や社会リハビリテーション事業等を香川県から受託し、(公財)香川県視覚障害者福祉協会が運営を行っている視覚障害者情報提供施設である。 2.歩行訓練士の現状 (1)職務について  平成16年から実働を開始した社会リハビリテーション事業を主に担当し、点字図書館業務は録音図書の返却・貸出作業も週に1日行っている。また、香川県視覚障害者福祉協会主催行事の運営補助も行っている。 (2)事業実施体制について  1)一人で担当している弊害  訓練において内容や目標設定、見きわめの判断等、他者の意見が入らないことが弊害である。  2)補完するために心がけていること  県内に限らず、県外にある同職種の訓練施設も視野に入れ、連携しての支援を考えるようにしている。また、相談の場面においても、次の支援に繋がるような対応を心がけている。 (3)仕事環境にあるメリット  所属施設柄、「録音図書を読んでみませんか?」と紹介しやすい。また、協会会員(当事者)と共に講師として講習会を開くなど、一緒に仕事がしやすい。 3.歩行訓練士の将来像  様々ある社会資源を活用した視覚障害者への支援を考えた場合、県内での自分の役割は訓練を提供することと思う。訓練体制の維持と発展に努めていきたい。 演者抄録 岡山県の場合 牧 和義(岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ)  地域生活支援事業所みちしるべは、平成26年に岡山市の指定を受けて訓練事業を開始した。運営は、社会福祉法人岡山県視覚障害者協会(以下、協会)が行い、岡山県の視覚障害者歩行訓練事業の受託、岡山市・倉敷市の視覚障害者歩行訓練補助事業を行っている。歩行訓練士は2人が実働して年間延べ600人の訓練を計画している。  協会は岡山県の指定管理の情報提供事業、生活介護事業(入所型)、指定特定相談等を行っており、訓練事業を実施するうえで経済的な後ろ盾となっている。  岡山県の歩行訓練事業の開始は全国的には遅いほうであるが、岡山県視覚障害を考える会という任意団体が平成9年から活動しており、スマートサイトの活用も比較的早い。このため、岡山県立岡山盲学校、国立吉備高原職業リハビリテーションセンター、用具販売・同行援護等を行うNPO法人岡山県視覚障害者自立支援センター、くらしき健康福祉プラザ視能訓練室など、相談や訓練の状況に応じて紹介することができる資源がある。また、岡山大学の視覚リハ(ロービジョン)外来が中心となって開業医までが相談・訓練事業等の紹介をすることで訓練等の相談は継続的となっている。  歩行訓練士の業務は、視覚障害当事者からの相談や訓練が中心であるが、協会の特性として音響信号機敷設の要望、点字ブロックの敷設、日常生活用具の給付申請などの相談に対応する機会も多い。  視覚障害者を支援する事業者側からは当然と思われるようなことも当事者側からすれば困惑する場合も多々見られる。訓練用に折りたたみ白杖が欲しかったが携帯しやすいとの理由で伸縮式の杖を業者が出してしまった、音声時計の申請をしたが触読式時計が読み取れないことを示すために医師等の意見を付さないと受理できないなど、相談は受けたが歩行訓練士の認知度不足、そのための力不足となる場合も多い。訓練事業の周知と合わせて、社会と関わる資格としての歩行訓練士の認知がより必要と感じている。 演者抄録 三重県における活動の現状 前川 賢一(NPO法人 アイパートナー)  アイパートナーは、三重県で平成12(西暦2000)年から活動を開始し、今年で22年目となる。  視覚障害者(児)に対し、歩行訓練士(現在5人)等による各種訪問訓練の実施を主な活動とする。1日約15人から20人を訪問し、年間の訓練対象者数が約250人、延べ訪問訓練回数は約3500回を数える。  予算形態は、公的事業契約(県事業・市町事業)、個人契約、寄付金、法人持ち出しの4種となる。現在、公的事業契約による訓練が、全体の90%以上を占める。訓練と並行して、関係機関との連携連絡は日常業務に含む。  更に、各機関が参集して三重視覚支援研究会を設立し、領域交流や情報交換、各々の資質向上に貢献している。連携連絡の充実は、当事者の自立生活支援に多面的な貢献をする一方、課題もある。  近年、NPO法人らしさと自負してきた迅速な訪問対応が、少しずつ鈍化してきた。事業のない市町、契約手続き中の空白期間、身体障害者手帳の未取得などを背景に、訓練開始までに時間を要するケースが増加傾向にある。既に対策は講じたが、今後も特に緊急性のある内容について、ただちに訪問訓練できる枠組みの強化を目指している。 【8 シンポジウム2】 視覚障害リハと視覚支援教育の展望 視覚支援学校に在籍する中途視覚障害者の自立活動の視点から 演者 本田 東(埼玉県立塙保己一学園)    田邊 佳実(新潟県立新潟盲学校)    樽本 圭司(愛知県立名古屋盲学校)    都築 綾子(高知県立盲学校)    栗原 勝美(東京都立文京盲学校・日本理療科教員連盟 元会長)    牟田口 辰巳(広島大学教育学研究科 元教授) 座長 上光 陽子(高知県立盲学校)    松友 輝子(愛媛県立しげのぶ特別支援学校・元 愛媛県立松山盲学校) 座長のことば  平成19年(2007年)4月、「特別支援教育」が学校教育法に位置付けられ、質の高い支援のための「教育・福祉・医療」の連携が推進されてきた。  そのなかで、視覚障害リハビリテーションと視覚障害教育との連携は、特に視覚支援学校・理療科に在籍する中途視覚障害の生徒の「卒業後の社会的自立」に大きく関わると考えられる。しかし、卒業後、新たな人生を歩んでいかなければならない生徒の「生活の質」に関しては、教師・生徒がともに考えていく時間が不十分な状況がある。  そこで本シンポジウムは、全国調査から得られたデータを踏まえ、直接指導に当たっている先生方から実情と課題について報告してもらい、視覚障害リハビリテーションと視覚支援学校との「専門性を重視した連携の必要性」について、「地域で視覚支援に携わる皆さんにまず知っていただき、今後に繋げていく」という視点で進めていきたい。 座長によるプレゼン 特別支援学校における自立活動とは 松友 輝子(愛媛県立しげのぶ特別支援学校・元 愛媛県立松山盲学校)  特別支援学校には、「生活面全般での困難を改善又は克服するための支援」としての「自立活動」という独自の授業がある。盲学校の自立活動とは何か、その目的と内容について、昨年まで在籍していた愛媛県立松山盲学校の実践もふまえて紹介する。 演者抄録 視覚障害のある理療科教員からみる指導の状況と課題について 本田 東(埼玉県立塙 保己一学園)  理療科教員として「国立障害者リハビリテーションセンター」で「視覚障害者のリハビリテーションに関して」の研修を受け、自立活動の指導にも関わる立場として、「理療科における自立活動の大切さとその課題」について、視覚障害のある自身の経験も含めて考察する。 演者抄録 新潟盲学校の取組について 田邊 佳実(新潟県立新潟盲学校)  生活訓練等指導者の資格をもつ立場として、校内の自立活動等の指導、教育相談や外部との連携に関わっている現状を通して、新潟盲学校理療科の取組、 理療科生徒の生活訓練等の支援、外部との連携の実態などについて報告する。   演者抄録 名古屋盲学校(特に理療科)における生活訓練等の自立活動の内容について 外部リハビリテーション機関との連携を通して 樽本 圭司(愛知県立名古屋盲学校)  名古屋盲学校では外部リハビリテーション機関(名古屋市総合リハビリテーションセンター・名古屋ライトハウス)と連携して、歩行やパソコン指導などの日常訓練を行っており、理療科生徒も必要に応じて訓練を受けている。また職員間の交流により情報共有も行われている。ここではそれに至った経緯と、成果と課題を挙げ、今後より一層の連携のために何が必要か考察する。 演者抄録 中途視覚障害者としての経験から 外部機関の利用と情報の必要性について 都築 綾子(高知県立盲学校)  中途視覚障害者として、受障から盲学校入学までに長い期間を経て教員となった経験、また卒業後、視覚支援サービスの情報を得にくい、サービスを使いにくいという体験を踏まえ、いかにすべての地域での情報提供が必要か、そのために盲学校在学中からの情報取得の手段を学ぶ必要があるか、を上光(司会)とのインタビュー形式で紹介する。 演者抄録 理療科における教育の実態と課題、および視覚リハの必要性について 栗原 勝美(東京都立文京盲学校・日本理療科教員連盟 元会長)  理療科には、視覚支援学校の少人数化とも相まって様々な課題があるが、今回は日本理療科教員連盟の調査データに基づき、(1)あはき課程の実態 (2)校内指導体制の課題 (3)外部機関との連携の課題 (4)視覚障害者にとってのあはきの重要性について触れ、その中で視覚リハの必要性について述べていく。(「あはき」とは、あん摩・マッサージ・指圧師、鍼師、灸師免許に係る略称) 演者抄録 教育とリハの連携 牟田口 辰巳(広島大学教育学研究科 元教授)    特別支援学校の教育課程の特徴は、「自立活動」が位置づけられていることである。「自立活動」は、1971年に「養護・訓練」という名称で位置づけられ、2000年に「自立活動」と改称したが、その内容は視覚リハでいう「生活訓練」と同義と考えて差し支えない。  視覚リハでは、生活訓練の後に理療教育へという流れが定着している。一方、視覚支援教育では、「秋田視覚支援学校」が中途障害者等を対象に、リハ的内容を取り上げた学科「生活情報科」を新設したが、他の盲学校に広がる雰囲気は感じられない。  中国四国地区の盲学校は、在籍者が20人に満たない学校が多く、今後は視覚単独での学校経営が困難となり、他障害との併置が増えることは明らかである。リハとの連携が盲学校存続の必須条件となる。              本シンポジウムでは、このような現状と課題を踏まえ、「教育とリハの連携」について考察する。 【9 就労講座】 視覚障害者の一般就労事情2020 演者 大川 淳也(国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 職業訓練部)    初瀬 勇輔(株式会社 ユニバーサルスタイル) 座長 和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・元 愛媛県立松山盲学校 理療科・視覚障害者リハビリテーション協会 会長)    宇田 高広(愛媛大学医学部附属病院 眼科・いしづち眼科) 座長のことば  本邦における視覚障がい者の就労は、あん摩、鍼、灸のいわゆる、あはき業に従事することが圧倒的に多くを占めると思われます。しかし、近年、急速に発達しつつあるIT機器やオンライン環境、そしてコロナ禍の現在、視覚障がい者を取り巻く就労の状況は、どのように変化しているでしょうか?視覚障がい者就労支援のスペシャリストの講師の先生方に、実際の就労支援の様子や、現場で求められているスキルなど、ポストコロナの社会も見据えて、熱く語っていただきます。ご視聴のほど、よろしくお願いいたします。 演者抄録 国立吉備高原職業リハビリテーションセンターにおける訓練及び就職状況について 大川 淳也(国立吉備高原職業リハビリテーションセンター)  視覚障害者の事務的職種での就職は、按摩マッサージ指圧、鍼、灸の「三療」に比べれば依然として少数に留まっています。事務的職種は、ペーパーレス化が進む中でも、その職務の多くが紙媒体と結びついており、視覚障害者の雇用経験のない多くの事業所では、視覚障害者に対してどのような職務が可能か想定しづらいことが、雇用に結び付かない理由として考えられます。このため、どのような職務に対応できるかを事業所に対してアピールすることも必要となり、事業所で行われている職務を想定した実践的な職業訓練を実施することが求められます。  事務職として勤務されている視覚障害者は、パソコンを活用してその業務のほとんどを行っています。そのため、就職にあたって必要とされる知識・技能の習得には、パソコンを利用するための基本的操作の習得が前提となります。具体的には、Windowsの基本的な操作、タッチタイピング(文字入力・変換を含む)や支援機器ソフトの利用といった内容を習得することが求められます。  職業訓練による知識・技能の習得や障害の状況に応じて支援機器やソフトを活用することにより、「できる」幅が広がり、一般事務という職域での就職は可能です。また、検定資格取得や職場実習制度利用等事業所に対するアピール材料が増えると、より効果的です。  視覚障害者は、職業訓練の実施により、事務的職種での就職の可能性は高まります。しかし、事業所の多くが、視覚障害者の職務イメージを持てていないのが現状であり、職業訓練の成果が実るため、就職後長く勤めるためにも、就職促進に向けて事業所側の理解の拡大を図ることが今後の大きな課題であると考えられます。 演者抄録 障がい者雇用の現状と課題 初瀬 勇輔(株式会社 ユニバーサルスタイル)  2021年3月に障害者雇用率が上がりました。障害者雇用促進法や差別解消法もあり、障害者が働きやすい環境が徐々に整ってきています。とはいえ、視覚障がい者の働きづらさはまだまだ解決されているとは言えません。  コロナの影響で多くの人の働き方が変わる中、障害者雇用がどう変化していくのか、現状と課題、そして未来についてお話しします。 【10 障害年金講座】 当事者も支援者も聞いて得する障害年金請求の話 知っていますか?「3つの年金請求法」 演者 辰巳 周平(辰巳社会保険労務士事務所) 座長 原 克典(島根大学 眼科)    田中 桂子(神戸アイセンター病院 眼科・鳥取大学医学部附属病院 眼科) 座長のことば  「障害年金ならこの人!」と言われる辰巳周平社会保険労務士に、ご講義いただきます。  今回は、障害年金に関する基礎的な内容でありながら、実はとても奥が深い「3種の請求」がテーマです。「障害認定日請求」「事後重症請求」「初めて2級の請求」の3種類の請求についての正しい理解をベースに、受給要件の考え方、申請に関する注意点や却下された場合の対応などについて、辰巳先生の豊富なご経験に基づいた知見を発揮していただきます。  各分野からご参加の皆様に、ぜひ知っておいていただきたい内容になること間違いなしです。ご期待ください。 演者抄録 当事者も支援者も聞いて得する障害年金請求の話 知っていますか?「3つの年金請求法」 辰巳 周平(辰巳社会保険労務士事務所)  障害年金には3つの請求方法がある。  「障害認定日請求」「事後重症請求」「初めて2級の請求」である。患者にとって最も有利な請求方法は「障害認定日請求」であるため、まずはこれを最優先に考える必要がある。  障害認定日とは初診日から1年半後を指す。実務的には初診日から1年半経過後3ヶ月以内の現症診断書を用意する。  もっとも、その期間に受診・検査等が行われておらず診断書を用意できない場合であってもすぐにあきらめてはいけない。指定期間を挟み込むような形で前後それぞれ1通ずつの診断書を用意できれば、傷病の特性によっては指定期間の状態を推察することは可能である。マニュアルに縛られるのではなく柔軟な対応が求められる。  この障害認定日時点で障害等級に該当していれば、障害認定日が属する月の翌月分から支給を受けることができる。ただし遡及して支払われるのは最大5年分である。  なお、障害認定日からすでに1年以上が経過している場合は、合わせて現症診断書も必要となる。  次に、上記「障害認定日請求」が叶わない場合に行うのが「事後重症請求」である。提出日より3ヶ月以内現症の診断書を用意する。この請求は提出月の翌月からの支給であることがポイントである。そのため、月をまたぐと1か月分の年金をふいにしてしまうことから、迅速な作業が求められる。  そして、異なる傷病が2つ以上混在している場合に用いるのが「初めて2級の請求」である。前発傷病のみでは等級に該当しないが、新たに発症した後発傷病を加えることによって初めて2級以上の等級に該当するケースに用いる。事例では網膜色素変性症と緑内障を参考に解説する。  この請求方法も提出月の翌月分からの支給となるため、「事後重症請求」同様、迅速な手続きが必要である。  また、これらの請求方法の解説に加え、両眼の視力が0.6以下や他眼の視力が0.1以下等の比較的軽症な状態であっても障害年金受給が可能となるケースを紹介する。 【11 スポーツ・レクリエーション講座】 ちょっと聞いてみませんか?視覚障害者が楽しめる様々な趣味の耳寄りな話 演者 福原 隆行(桃モンキー:クライミング)    久保 瞳(ももたろうパートナーズ:マラソン)    梶野 雅章(岡山デビルバスターズ:サッカー)    田中 京子(ユニバーサル鑑賞推進団Reading ACT:映画鑑賞)    山下 幸四郎(岡山県立岡山盲学校:将棋)    佐藤 えり子(一般社団法人 岡山県ユニバーサルスポーツ文化協会) 座長 大松 寛(鳥取大学 眼科)    石田 博美(鳥取大学医学部附属病院 眼科) 座長のことば   視覚に障害がある方にとって、趣味や生きがいを持つことは健常者と同じく、もしくはそれ以上に大切なことでしょう。視覚障害があっても、スポーツ等いろいろな活動をしている人がいる一方、その存在すら知らない人もいると思います。  今回、視覚障害のある方でも参加でき、楽しめる活動として、クライミング、マラソン、サッカー、映画鑑賞、将棋について、当事者あるいは支援者として楽しんでいる方々にご紹介いただきます。また、その他についても網羅的に紹介していただく予定です。  この講座をきっかけに、ひとりでも多くの方々に余暇活動を奨励していただき、笑顔が広がることを期待しています。 演者抄録 パラクライミング   福原 隆行(桃モンキー)  現在44歳。18歳でレーベル病を発症し、中心視力のない弱視です。  パラクライミングとの出会いは11年前。(社福)日本視覚障害団体連合青年協議会のスポーツ出前講習でNPO法人モンキーマジックの小林さんを岡山に招いて行ったクライミング体験会がきっかけでした。しかし、その時は続けていく趣味にはできませんでした。  一昨年、再び小林さんからの呼びかけで、眼科の先生や山岳連盟の方と共に、桃モンキーというクライミングイベントを始めました。障害の有無や性別、年齢、国籍に関わらず、みんなで一緒にクライミングを楽しむ会です。  今では毎週(個人的には)クライミングジムで楽しんでいます。視覚障害者が登る時はナビをしてもらいます。H(方向)、K(距離)、K(形)を聞きながら登ります。例えば、「右手を2時の方向、少し遠く、下から持てるホールドがあるよ」という感じに。ナビも登っている私もコミュニケーションを含めて楽しんでいます。パズルのように頭も使って動きを考え、課題ができた達成感は気持ちいいものです。  はしごに上るくらいの力があれば、子どもから高齢者まで楽しめます。まだ始めたばかりですが、パラクライミングは、障害の有無にかかわらず誰もが一緒に楽しめるコミュニケーションツールとなり得ると思っています。 演者抄録 ブラインドマラソン  久保 瞳(岡山ももたろうパートナーズ)  見えなくなって得た走れる喜び。  見えなくなって、歩くこともままならない中、見えていた頃のようにもう一度、新緑の中、風を感じて走ってみたい。そんな思いの中、伴走者さんに巡り合えて、岡山でもできた「ももたろうパートナーズ」というランニングの会。視覚に障害があっても、走る楽しさを、また四季折々の風を感じられる喜びを味わえるのです。  練習は毎週月曜日と第1・第3土曜。今から15年前、視覚障害者2人と伴奏者さん2人の4人で始めたマラソン練習。今では視覚障害者や盲聾の人、また盲学校の生徒さんも参加され、伴走者さんも合わせて30人から50人近くのメンバーが集まって練習しています。  見えないという大きなマイナスは運命と受け止めて、開き直って覚悟を決め、自分に何ができるかと一歩踏み出して出会えたマラソン。今、「今日が幸せと思える私がいることが幸せ」と思えるのです。そんな幸せを皆さんに御裾分けできたら、と。 演者抄録 ブラインドサッカー   梶野 雅彰(岡山デビルバスターズ)  ブラインドサッカーは視覚障害者が行うサッカーで、フットサルのルールをベースにしています。競技には3つの特徴があります。  一つ目は、転がると音の出るボールを使っていることです。大きさはフットサルボールと同じですが、ボールの中に特殊な鈴が入っており、目の見えない選手たちは、その鈴の音でボールの位置や転がる方向が分かります。  二つ目は、ピッチの両サイドライン上に高さ1mほどのサイドフェンスを設置します。これは、ボールがサイドラインを割らないことや、選手がピッチの大きさや向きを把握することを助けます。フェンスの跳ね返りを使ったパスや、フェンスを使ったボールキープなど、独特なプレーにも繋がっています。  三つ目は、目の見える人との協力です。フィールドプレーヤーは4人で、全員がアイパッチを貼った上でアイマスクを着用します。国内ルールでは晴眼者も同様に視覚のない状態でプレーします。また、目の見える選手としてゴールキーパーが、自陣での守りについて選手に声で指示します。敵陣のゴール裏には「ガイド」と呼ばれる役割の人が立ち、攻めている場面でゴールの位置と距離、角度、シュートのタイミング等を声で伝えます。もう一人、サイドフェンスの外側に立つ監督は、選手交代などに加えて、ピッチ中盤でのプレーに声を出します。選手同士の声の掛け合いを含めたコミュニケーションがこのスポーツの勝負のカギになります。  このように、ブラインドサッカーは障害者と健常者が協力し合い勝利を目指すユニバーサルなスポーツです。 演者抄録 音声ガイドを使った映画鑑賞   田中 京子(Reading ACT(リーディング・アクト)代表)  誰もが映像や舞台を楽しめることを目指して、2004年より映像や舞台の音声ガイドに取り組んでいます。鳥取県米子市を拠点に活動。自治体のバリアフリー上映会の音声ガイド台本制作・ナレーションの生放送などを経て、音声ガイド勉強会を主宰。鳥取県の公共事業のほか、市民団体による上映会での音声ガイド放送や、テレビ局の音声ガイド台本制作を受託。近年は大阪府や東京、島根でも舞台の解説などを実施しています。  かつて映画の音声ガイドは福祉テーマのものなどジャンルは限られ、民間団体によるボランティア制作が多かったが、音声ガイドアプリの普及により日本映画については一気に増加。2016年の「障害者差別解消法」施行から翌年にかけて10倍ほどに増え、テレビの音声ガイドも民放のバラエティ番組に付くほどになっています。  本講演では、鑑賞サポートの現在について最新情報をお伝えします。 「音声ガイド」とは  視覚から得られる情報、つまり場所の状況や人物の外見や表情、ナレーションがない字幕などを読み上げて、主に“見えない・見えにくい”人の鑑賞をサポートするものです。他の呼び方として「解説放送」や「状況解説」などと言われています。通常は利用者のみに配信できるよう、赤外線やFM送信などの機器を利用します。テレビではリモコンで副音声を選択すると聴くことができます。 演者抄録 将棋   山下 幸四郎(全国盲人将棋大会S級優勝・岡山県立岡山盲学校)  視覚障害者が将棋をしている姿が想像できますか?実は視覚障害者にとって将棋はとても相性がよいゲームです。江戸時代に石田検校という棋士がおられました。彼は視覚障害者でありながら、「石田流三間飛車」という現代でも人気の戦法を編み出しています。将棋は昔から日本人の娯楽として大衆に親しまれていたことを教えてくれるエピソードです。  本講演では、健常者たちと一緒に楽しめる工夫のされた将棋盤と駒の現物を提示し、将棋大会の様子などをお伝えできたらと考えています。将棋を知らない、興味がないという人にもご参考になると思います。 演者抄録 スポーツレクリエーション 佐藤 えり子(一般社団法人 岡山県ユニバーサルスポーツ文化協会)  私たちの法人は、スポーツや文化活動を、障害者、健常者が分け隔てなく楽しむ事を目的として、3年前に設立しました。とても長い名前ですみません。近年は学校を含め様々なところから体験会や講義の依頼もあり、スポーツを通じて、視覚障害に対しての正しい理解を深めてもらう活動をしております。また、他のスポーツをされている方とイベントなどで交流する事もあり、今後は文化活動を含めた多種の活動の場を提供できるようになっていければと思っています。  私自身も、娘が全盲で生まれた後で、たくさんの方に色んなスポーツや趣味の事を教えていただきました。障害があっても、中にはこんなことまで出来ちゃうんだ!とビックリした事もありました。また、活動している中で障害を持っている方の方がすごいという逆転現象がしばしばあり、もっと伸ばせる能力が眠っているのではと感じています。  今回の会で、1つでもやってみたいなというものに出会え、ご縁がつながれば幸いです。 【12 パラスポーツ競技講座】 「障がい者スポーツ医」と「パラリンピアン」から学ぶ視覚パラスポーツのススメ! 演者 辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)    初瀬 勇輔(柔道パラリンピアン・日本パラリンピアンズ協会 理事) 座長 横峯 弘隆(小郡第一総合病院 眼科)     座長のことば            視覚パラスポーツは、視覚に障がいがあってもなくても、みんな一緒になって楽しむことができるスポーツが多くあります。また、陸上競技における伴走、ブラインドサッカー、タンデム(2人乗り自転車)でのパラサイクリングなどでは、健常者と力を合わせて競技に挑みます。視覚パラスポーツは、健常者と障がいのある方との共生、インクルージョン実現というパズルのピースとなるものだと感じています。  今回、辻先生からは「障がい者スポーツ医」として、視覚パラスポーツのご紹介と、実際の競技大会での視覚パラスポーツ選手のクラス分けについてお聞きしたいと思います。また、「パラリンピアン=パラリンピック競技大会に出場経験のある選手」である初瀬先生からは、パラアスリートとしての視点から、スポーツの魅力や経験談をお聞きできればと思います。 演者抄録 視覚障がい者スポーツ 辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)  視覚障がい者スポーツ(VI sports: Visual impairment sports)はパラリンピック競技を含め私たちが思っているより沢山の競技があります。全てをご紹介することはできませんが、いくつかご紹介したいと思います。また、実際に国際の大会に出る場合はどうしたら出ることができるの?基準は?クラス分けってなに?といったことについてもお話しします。 これを機に、VI sportsに少しでも興味を持っていただき、興味がある方はさらに興味を持っていただけたらと思います。 演者抄録文 パラスポーツの魅力 初瀬 勇輔(柔道パラリンピアン・日本パラリンピアンズ協会 理事)  オリンピックとパラリンピックが一緒に語られることが当たり前になってきました。  東京への招致が決定したのが2013年、そこからパラリンピックを取り巻く環境は大きく変わりました。パラアスリートとして競技を続け、また各協会の理事としても活動している立場からパラリンピックの魅力についてお話しします。これを機会にパラスポーツ、パラリンピックにもっともっと興味をもっていただきたいと思います。 【13 視覚障害リハビリテーション協会主催企画】 視覚リハ未来への挑戦Part5 大会連携委員会 委員長 岡島 喜謙  今年度の「自分ごとプロジェクト」は、「ご存じですか? 2025問題~超高齢社会と視覚リハ~」と題して、ライブ企画で行います。  今からわずか4年後の2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、一気に介護保険料や医療費の増大が見込まれています。また一般的に高齢者は見え方に困難を抱えることが多く、高齢者からの視覚リハのニーズも増加することが予想されています。これに伴い、国の福祉や医療の施策が大きくシフトしており、予算配分の見直しや、介護人口を支える若年者の不足を補うワークシェアリングなど、専門職の職域の見直しが始まっています。今後、視覚リハもこうした施策の影響を受けることが予測されます。  高齢化に関しては、近年の視覚障害原因疾患は、加齢に伴う疾患が上位を占めています。このような高齢者のニーズは、社会復帰を主とした視覚リハとは異なり、多くの施設は、既存の枠組みをなんとか工夫して努力をしつつも、課題を抱えていると考えています。今後も高齢者の増加に伴い、視覚リハの変化がさらに求められることが予測できます。  さらに、高齢者の増加の一方で、それを支える若年層は少子化に伴って減少し、福祉や医療の予算不足から視覚リハ専門職のポストの維持の問題が明確化し、職能や役割の変化が求められていく可能性があります。  こうした時代の変化に伴った課題を共有し、視覚リハの未来像を検討することを目的に、組織や施設で今起きている実際の事例の課題を参考に、視覚リハの未来を自分ごととして考え、共有する機会になれば幸いです。  「研究トラの巻」は、これまで代表的な研究法である「事例研究」、「調査研究」、「実験的研究」をテーマに開催してきました。今年度は再度「調査研究」をテーマにオンデマンド形式で行います。未来への挑戦の武器として、日々の仕事を振り返り、かつ様々な現場で役立つ臨床研究手法を学ぶ場としていただきたいと考えています。 開催概要 第一部 視覚リハ自分ごとプロジェクト     Zoomによるライブのみ 『ご存じですか? 2025問題 超高齢社会と視覚リハ』 日時 2021年8月28日 土曜日 16時から18時まで 申込 大会参加者限定の事前申込み制(定員150名) 内容 ①宿題報告者による報告      田中 雅之(名古屋市総合リハビリテーション事業団)      新井 千賀子(杏林アイセンター)      内田 まり子(神奈川県ライトセンター)    ②グループワーク(Zoomのブレイクアウトルームを利用します) 第二部  研究トラの巻 其の5  大会参加者のみ、会期中のオンデマンド視聴 『現場から発信! 調査研究のツボ』 講師 米沢 崇 (広島大学大学院教育学研究科)   【14 O&M研修会】 開催概要 Zoomによるライブのみ 日時 8月28日 土曜日 タイムテーブル 13時15分 入場開始 13時30分から14時30分まで 講演 14時30分から15時まで 質疑応答 申込 大会参加者限定の事前申込み制(定員なし) 視覚障がい者の単独移動を支援する設備等の現状と今後の課題 講師 田内 雅規(岡山県立大学名誉教授・モビリティ研究所)  視覚障がい者の単独移動は自立の促進に大きな役割を果たすものである。その単独移動を実現するためにはO&M(Orientation and Mobility)の知識や技術が必要になる。Orientationとは移動を実施するために必要な情報の側面を指し、その基本は自己の位置と進むべき方向に関する手がかりである。一方、Mobilityは移動を実施するための動作、運動等に係る技能であって、OrientationとMobilityが連動することによって移動が可能になる。単独移動の支援設備は概ねOrientation情報を提供すること及び高度のMobility技術を駆使せずに移動を容易にすることの双方の機能を有している。現在利用されている主な支援設備には視覚障害者誘導用ブロック、音響信号機、エスコートゾーン(道路横断帯)等がある。それらの現状について限界と可能性を確認し今後の発展性について検討したい。 プロフィール 田内 雅規(たうち まさき) 1973年東京農工大学農学研究科大学院修了、東京女子医科大学(医学博士)、国立岡崎研究機構・生理学研究所、ハーバード大学医学部、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所を経て、岡山県立大学保健福祉学部教授を務める。現在、同大学名誉教授でモビリティ研究所主宰。 神経生理学を専門分野とし、その視点から視覚、聴覚の機能障害の評価法、障害者の支援機器開発、モビリティの促進などの研究に従事。特に点字ブロックの標準化研究や鳴き交わし式音響信号機の開発において中心的な役割を果たす。 米国視覚障害者教育・リハビリテーション協会(AER)、米国神経科学協会などの会員。 【15 プレ企画1】 音声ユーザーでも安心!はじめてのWeb視覚リハ岡山大会 司会進行 阪井 紀夫(徳島県立障がい者交流プラザ 視覚障がい者支援センター)      庄司 健(島根ライトハウス ライトハウスライブラリー) アクセシビリティ案内人       和田 浩一(公益社団法人 NEXT VISION・内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室・視覚障害リハビリテーション協会 会長)      御園 政光(視覚障害リハビリテーション協会情報アクセス分科会)      品川 博之(「Voice_of_i 見えなくても使えるiPhone」ブログ管理人)  今回の大会は「視覚障害リハビリテーション研究発表大会」初のWeb開催となりました。見えない見えにくい方の参加は、他の学会に比べると圧倒的に多いと思われる中、音声読み上げ機能(音声ガイド/スクリーンリーダー等)を使われる方(以下、音声ユーザー)も少なくないと考えられますし、その中にはICTを得意としない方もいらっしゃると思います。そこで、そうした音声ユーザーの中でもICTに長けた方々を「アクセシビリティ案内人」としてお招きし、大会の参加申し込みや動画コンテンツの再生、質疑応答のためのチャット機能など大会参加に必要な部分について、そのレイアウトや操作方法などを、音声ユーザー向けに解説した動画を作りました。  ICTを得意としない音声ユーザーはもとより、該当の方以外にとっても、音声ユーザーがどのようにしてホームページを利用しているかを知る良い機会になるかと思います。  このプレ企画によって、Web開催となった岡山大会に、より多くの方が安心して参加されることを願っています。 【16 プレ企画2】 見えない見えにくい方にも届けたい 看護師による聞いて得するプラスαの感染予防 講師 橋本 伸子(やわたメディカルセンター眼科)  感染予防策の情報は、見えない、見えにくい方にきちんと伝わっているのだろうか。以前から気になっていたテーマである。そんな時、新型コロナウイルス流行以前に正しい手洗い方法について講習する機会を2度いただいた。2018 年の視覚障害リハビリテーション研究発表大会in神戸と2019年の日本ライトハウス展である。その時の参加者の反応が「初耳」「新鮮」というものが大半だったことから、ロービジョンケアの中では予防的支援がまだまだ不足していることを実感していた。  そして現在では、メディアからはストップ・ザ・感染拡大という呼びかけが何度も繰り返され、町を歩けばどこに行っても咳エチケット、マスクの着用、こまめな手洗いをお願いするポスターが貼られている。誰もに情報が行き渡っているように錯覚するが、しかし、どうだろう。その啓発のほとんどはイラストや写真で、視覚に訴えるものが多い。  そんな時、とある会議で視覚障害がある方から「世の中の人は本当にみんなマスクを付けて外出しているの?」という素朴な疑問が投げ掛けられた。続けて「本当に食事の席でも会話する時はマスクをしているの?」と。私はハッとした。お伝えしなければいけないのはそこからなのである。今、私たちが目にしている世の中の新しい生活様式の現状からなのである。  そのことを踏まえ、感染予防策と実施されている現状を伝え、プラスαとして長期間に渡って外出の機会が減っていることからの筋力低下に対する予防的支援も加えて、再びやってくる明るい日常を健康で迎える準備のお役に立てればと思っている。 【17 プレ企画3】 コロナ禍で生まれた オンライン・チャレンジド・ヨガ 今こそ! おうちでヨガ ハッピートレーニング 代表 高平 千世(一般社団法人 チャレンジド・ヨガ~視覚障がいの方のヨガ~) 共同制作者 ウッチー・城谷 直人・丸山 ゆみ・MIWA・Yoshie・崎元 宏美・田村 さとみ・長谷川 伸介・佐藤 ゆみ・芳賀 優子・村上 智彦  どうやってオンラインでヨガをするの? そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。  現在ではオンラインクラスは、全国10か所で定期開催されているんですよ。  ヨガ動画を仲間たちと一緒に創ってみました。自由に選んで、実際にやってみてはいかがでしょうか?  動画を通じて、チャレンジド・ヨガの感謝と想いが届いたなら幸せです。  (今回は、様々な方にお楽しみいただけるよう、音声だけでなくポーズ動画と字幕付きです)    6つの動画構成  1 はじめに   ・ コロナ禍で生まれた オンライン・チャレンジド・ヨガ   ・ ヨガ動画を楽しむための3つのポイント  2 片鼻呼吸法(いつでもどこでも! 自律神経調整法)  3 猫と牛のポーズ(朝に! 背骨から やる気スイッチ!)  4 亀のポーズ(夜に! 睡眠の質をあげたいあなたに)  5 英雄のポーズⅠ(日常のトレーニングに! 脚力、背筋ピーン!)  6 感謝の瞑想(1日1分の瞑想を日常に! 心を静かに・穏やかに)    ここからは、動画ではお伝えできなかった私たちの想いも、少し書かせていただきますね。  発足とオンラインヨガという道  2013年、当事者の声をきっかけに、対面クラスから活動を開始し、現在25か所で開催中。  ヨガの語源YUJ(ユジュ繋がる)を大切に、共に生きる社会を目指しています。  2020年3月、コロナ禍ですべての対面クラス・イベントが中止になった時、まず参加者(当事者)へアンケートを実施しました。  その結果から、ZOOM接続やカメラ位置など事前サポートを整える事から動き出しました。  次にモニター体験会で、課題点の改善と工夫の繰り返しです。  2020年5月、いよいよスタート!    2つのオンラインヨガの目指すこと   1 意識改革(オンラインの良い所に焦点をあてる)   2 区別化(心の眼で観る・感じる、本来のヨガ)  動画では、オンラインヨガの特徴も説明しています。    変化・繋がり、そして今後   継続する中で、オンラインならではの新たな形、地域を越えた繋がりも生まれています。   これは、コロナ禍の代替手段というだけでなく、目的が理解され、事前サポートによる安心感が生まれたからこそと考えられます。   どんな時もできる! と希望を持ち、楽しむ心を忘れず、当事者の声を大切に!   今後もヨガを通じて繋がり、皆と共に変化・成長し、内側の幸せへと続く道を歩み続けていきたいと思います。 【18 公開シンポジウム1】 これからの連携 より早く効率的な情報共有をすべての眼科医から 演者 永井 春彦(勤医協札幌病院 眼科)    金平 景介(高知県身体障害者連合会 ルミエールサロン)    工藤 正一(社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合)    平塚 義宗(順天堂大学 眼科 先任准教授・公益社団法人 日本眼科医会 理事) 座長 奈良井 章人(広島大学病院 眼科・奈良井眼科)    星川 じゅん(かがわ総合リハビリテーション病院 眼科) 座長のことば  視覚機能の障害によって日常生活に支障を感じている方へ適切な視覚障害リハビリテーションの情報を提供することは眼科医の義務です。  そのツールとして日本眼科医会では「ロービジョンケア紹介リーフレット」(通称:スマートサイト)の全国整備を進めています。  このシンポジウムでは1)医療から視覚障害リハビリテーションへと繋ぐ連携の歴史、2)福祉サイドの視点、3)当事者団体サイドの視点、4)日本眼科医会の「繋ぎ」への取り組みと展望について4名の演者に講演をいただき、福祉との社会的連携の必要性について再確認をしたいと思います。 演者抄録 医療から視覚障害リハビリテーションへと繋ぐ連携の歴史 永井 春彦(勤医協札幌病院 眼科)  視覚障害リハビリテーションを必要とする人々にとって、その障害を持つに至った早い段階で適切な情報が提供されることは、自立と社会参加のために重要である。歴史的には、時代とともに「障害」そのものの概念が変わり、同時にリハビリテーションの内容や方法にも変化がみられるが、どの時代においても、疾病治療の限界を判断し障害を最初に発見してリハビリテーションのニーズに気付くべき立場にあるのは眼科医である。眼科医療とリハビリテーションの「連携」が長年の課題とされてきたが、鍵となるのは眼科医の意識と行動であり、その改善に向けたいくつかの取り組みが進められている。その歴史を振りかえり、今後を展望する手がかりとしたい。     演者抄録 福祉サイドの視点 金平 景介(高知県身体障害者連合会 ルミエールサロン)  高知県は、人口約68万人。少子化、過疎化などが全国に先駆けて進んでおり、県中央に位置する高知市周辺に医療機関、福祉施設が集中している超高齢化社会の最先端の地域である。2020年に、高知県眼科医会が主体となり、医療、福祉、教育、そして、行政を巻き込み、改訂版ロービジョンケア紹介リーフレット「通称:高知家のいっぽ」を作成した。リーフレット作成に伴い、多職種の横の連携が深まり、勉強会を開設する気運が高まった。視覚障害リハビリテーション関係機関が少ない高知県だからこそできた「ロービジョンケア紹介リーフレット」における福祉の果たす役割と今後の課題についてお話しし、全国の地域の参考としていただければと思う。 演者抄録 当事者団体の役割 工藤 正一(社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合)    日本視覚障害者団体連合(以下、日視連)は1948年、視覚障害者自身の手で“自立と社会参加”を実現するために設立された視覚障害者の全国組織で、60の視覚障害者団体で構成される連合体である。主な活動は、国や地方自治体の施策に視覚障害者のニーズを反映させることにあり、相談事業はその基礎となる。  日視連は2016年、総合相談室を設置し、リーフレット「見えにくくなったときの道しるべ」を作成した。その頃から、スマートサイトという言葉が聞かれるようになり、現在では各地方組織もそれに名を連ねている。弱視者や、中途視覚障害者の相談は、組織拡大にも繋がることから、全国組織の果たす役割と今後の社会的連携の在り方について述べる。 演者抄録 日本眼科医会の「繋ぎ」への取り組みと展望  平塚 義宗(順天堂大学 眼科 先任准教授・公益社団法人 日本眼科医会 理事)  日本眼科医会は予防、治療、そしてリハビリテーションまで含めはじめて眼科医療は完結すると認識している。視覚リハビリであるロービジョンケアを地域の医師が積極的に推進できるようバックアップする取り組みについて、2011年からロービジョンネットワーク検討会を立ち上げ、継続的な検討を行ってきた。その中の重要な活動に全国的なスマートサイトの整備がある。スマートサイトとは、ロービジョン患者が、それぞれの悩みに応じた適切な指導や訓練などが受けられるような相談先を紹介する簡単なリーフレットのことを示す。2017年にはAMEDから「スマートサイトによるロービジョンケア連携システム構築に関する研究」という研究開発が委託され、スマートサイト作成講習会を通してスマートサイトの全国展開を目指してきた。本シンポジウムでは、日本眼科医会の今までの取り組みとAMED研究開発の成果について述べる。 【19 公開シンポジウム2】 災害時に一人でも多くの視覚障害者を支えるために 専門家の災害支援のあり方を考える 講師 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)    辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)    棚橋 公郎(岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふ) パネルディスカッション 今後起こるであろう災害時の視覚障害者への支援について様々な立場から考える 司会  良久 万里子(鹿児島県視聴覚障害者情報センター) パネリスト 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)       辻 拓也(久留米大学 眼科)       棚橋 公郎(岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふ)       加藤 俊和(日本盲人福祉委員会:支援体制構築の立場から)       田中 桂子(神戸アイセンター病院:視覚障害者の災害時の心理)    東日本大震災のときに組織的な視覚障害者支援が始まって10年。熊本や北海道などの地震、毎年のように起こる豪雨、暴風などの大きな災害が日本を襲っており、私たちが見つけることができていない視覚障害者も多くおられる中、災害時に視覚障害者をどのように必要な支援に結びつければよいのか、災害支援のあり方について考えたいと思います。三つの立場からの講演のあと、支援体制の構築や災害時の心理の専門家も加えて、「今後起こるであろう災害時の視覚障害者への支援について様々な立場から考える」をテーマにパネルディスカッションを行い、視覚障害者の災害支援への展望を明らかにすることを目指しています。 演者抄録 講演1 東日本大震災から10年間の視覚障害者の災害支援の動向 原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)  大災害が発生したとき、視覚障害者支援は「どのタイミングで」・「誰が」・「どのように」実施するのか、これが決まっていなければ全国的な支援は展開をすることができません。東日本大震災から10年、ようやくその形が整ってきました。今回は今までの経過と体制について紹介をします。  2011年の東日本大震災では、支援体制は整っておらず、震災直後からどんな対応が可能か話し合いがされ、結果、日本盲人福祉委員会を中心に支援が開始しました。課題はありましたが、形ができたのは大きな一歩でした。その後の災害では経験を生かして、熊本地震では支援者を派遣し、西日本豪雨・九州北部豪雨・南関東の豪雨等で現地と連携し支援を提供しました。ただこれは災害のたびに必要な支援者に声をかけるという方法で体制という意味では不十分でした。  そんな中2018年4月に日本盲人福祉委員会の中に被災視覚障害者支援体制構築プロジェクト推進委員会が発足しました。そして支援体制を確立することを目的とした災害時被災視覚障害者支援リーダー養成セミナーを開催し、支援員の募集を行ったところ、現時点で45名の参加が表明されました。まだこれから決めるべきことも多いですが、一つの形ができました。 演者抄録 講演2 医療の立場からみた視覚障害者災害支援 辻 拓也(久留米大学 眼科 助教)  災害時に視覚障害者の方に医療従事者として何が出来るか。福岡県南部の筑後地区における豪雨災害において被災視覚障害者への支援を体験し、今後の医療の立場からの災害対策について検討しました。発災時の被災視覚障害者の把握ですが、自治体は避難所設置などで忙しく困難ですので、当事者団体、支援団体、福祉サービスなどの会員、利用名簿などを利用して行われます。しかし、眼科に受診している患者さんの多くは緑内障や糖尿病網膜症をはじめとする中途視覚障害であり、そのような団体の会員でない方や施設などを利用していない方が多いのが現状です。そこで、視覚障害者手帳1・2級基準相当の重度視覚障害者を有事の際に連絡が取れるようにリスト化することで、支援を必要としている被災視覚障害者の把握が更に出来るようになるのではと考えています。  視覚障害者に対する災害支援は、医師としての医療行為だけではなく、様々な垣根を越えてのサポートが必要と感じています。医療従事者として病院に来ている人たちだけが患者さんではないという意識を持ちながら、「感じ・考え・行動に移す」ということが必要と考えています。 演者抄録 講演3 視覚障害者の生活支援専門家としての災害支援 棚橋 公郎(岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふ)  視覚障害者にとっては  (1)安全に一人で自由に移動できない(移動の困難性)  (2)読む・書くという文字処理が自由にできない(文字処理の困難性)  (3)生まれつき視力がない人は、色、形の実態が分らない(視認の困難性)   (出典:日本視覚障害者団体連合)  の不自由が日常的にあります。  災害になればすべてが変化します。道に亀裂が入り、倒壊した建物によってふさがれている状況の中での避難、さらに避難先での刻一刻と入ってくる情報はラジオなどで取得できますが、避難所の状況はわかりません。帰宅しようとしても自宅の屋根や建物の被害状況などもどうなっているのか誰かに尋ねなければわかりません。  タイトルにあるように視覚障害者の生活支援専門家と聞いて一歩引いてしまうのではなく、視覚障害とかかわり、視覚障害者の目になることにより、支援の手法が見つかると考えています。また熊本地震では視覚障害者が支援にもかかわっています。現地だけでなく遠隔地においてもどのような支援ができるのかを考えてみたい。 【20 機器等の紹介】 見えにくい・見えない人のための支援機器等の紹介コーナー 家庭や職場、学校で使える便利な道具をみつけよう 会社一覧(50音順)全22社 1 株式会社アイフレンズ 2 株式会社アメディア 3 株式会社インサイト 4 株式会社インテック 5 ViXion株式会社 6 株式会社エッシェンバッハ光学ジャパン 7 欧文印刷株式会社 8 錦城護謨株式会社 9 株式会社高知システム開発 10 株式会社KOSUGE 11 株式会社コネクトドット 12 参天製薬株式会社 13 株式会社システムギアビジョン 14 シナノケンシ株式会社 15 東海光学株式会社 16 公益財団法人日本盲導犬協会 17 株式会社日本テレソフト 18 株式会社ポニーキャニオン 19 三菱電機株式会社 20 みんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier) 21 有限会社安久工機 22 株式会社リモートアシスト 1 株式会社アイフレンズ(動画あり・カタログあり)                                アイフレンズは、視覚障害者関連機器の総合販売店です。 音声拡大読書器「とうくんライト」や視覚情報支援ソフトウェア「よみとも」をはじめ、パソコンや周辺機器、視覚障害者用ソフトウェアはもちろん、点字プリンタや点字ディスプレイ、視覚障害者用拡大読書器などを数多く取り扱っています。 また、一般市販商品でも、音声ガイダンス付き製品など、視覚障害者にも使いやすい製品や、音楽CD全集なども積極的に販売しています。 日常生活用具対象製品もアイフレンズにご用命ください。 給付申請される方には見積書をお送りしますので、お気軽にお申しつけください。 住所 〒554-0012 大阪市此花区西九条1-33-13 電話 06-6462-1594 2 株式会社アメディア(カタログあり)                                            株式会社アメディアが紹介する音声拡大読書器は、スキャナーで画像を取り込み音声で読上げる「よむべえスマイル」とカメラで画像を取り込み音声で読み上げる「快速よむべえ」3種があります。携帯型の拡大読書器エキスプロは、音声は出ませんが携帯に便利な画面が5インチと8インチがあります。骨伝導ヘッドホンAS401は、有線タイプでイヤホンジャックにさすタイプです。さんさんビューは、書画カメラとセットのソフトで、PCを音声拡大読書器として使用できます。タッチパネル対応のPCでは操作がとても簡単ですし画像も整理して保存できます。 住所 〒176-0011 東京都練馬区豊玉上1-15-6 第10秋山ビル1階 電話 03-6915-8597 3 株式会社インサイト(動画あり・カタログあり)                                  株式会社インサイトでは拡大読書器を取り扱っております。 携帯型、据置型など幅広いラインナップでユーザー様のニーズにお応えしていきたいと願っております。 各商品の詳細はホームページをご覧ください。 住所 〒981-3212 宮城県仙台市泉区長命ヶ丘3-28-1 電話 022-342-6801 URL http://www.s-insight.jp 4 株式会社インテック(動画あり・カタログあり)                                  株式会社インテックは2015年に福祉や健康関連の製品を扱うブランド「GRUS(グルス)」を立ち上げました。当事者のご意見を伺いながら、実用性だけではなくデザインや使用用途などユーザーのQOLを高められる製品開発をおこなっています。 動画では今年発売予定の【音声タイマー】、2017年発売【音声式電波腕時計】2019年発売【音声式クッキングスケール】を紹介いたします。 カタログでは上記の商品に加え2019年発売【ロービジョンウォッチ】、2022年発売予定の【GNSSボイス腕時計】を紹介させていただきます。 今後は日本のみならず、世界中の方に使っていただける製品開発を目指しています。 住所 〒110-0005 東京都台東区上野3-2-4 電話 03-5817-0751 URL https://grus.tokyo/ 5 ViXion株式会社(動画あり・カタログあり)                                   「暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HiKARI」   さらに視野支援へ   夜盲症でお困りの方には、暗所や夜間で、より明るい視界を   視野狭窄でお困りの方には、より広い視野をご提供します 独自開発の低照度高感度カメラで捉えた像を、目の前のディスプレイに投射する、眼鏡タイプのウェアラブルディスプレイです。暗闇の中のわずかな光を増幅させ、対象物の色彩を自然に再現します。 暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HiKARI事業は、2021年4月にHOYA株式会社からViXion(ヴィクシオン)株式会社へ事業継承し、HOYA関連会社として分社化しました。 「日常生活用具」の給付対象となる地域が、ますます拡充! 住所 〒169-0075 東京都高田馬場2-14-2 新陽ビル1001 電話 0570-003-487 (平日10時から17時まで) URL https://Vixion.jp 6 株式会社エッシェンバッハ光学ジャパン(動画あり・カタログあり)                 私たちは、ドイツの光学機器メーカーです。長年、世界中のご高齢・ロービジョンの方々にルーペをはじめ拡大読書器や単眼鏡・弱視眼鏡等の補助具全般をご愛用いただいています。私たちは、ただ「見える」だけではなく、使用する方の「使いやすさ」「快適さ」を大切にした製品を開発しています。 最もご好評をいただている「LEDワイドライトルーペ」は、3倍~12.5倍の10種類を展開しています。ライトを照らし、文字をはっきりと読むことが出来ます。 「ヴィゾルクスデジタルXL FHD」は、12インチの大画面携帯型拡大読書器です。タブレット感覚で読みたいものを拡大できるタッチパネルを搭載しています。 エッシェンバッハは、ルーペだけで200種類を超えるラインナップを取り揃えています。 読めない、読みにくいとお困りの皆様、ぜひ一度お試しください。 住所 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-15-4 電話 03-3293-8570   7 欧文印刷株式会社(動画あり)                                                 2013年より点字印刷・触知図印刷サービスを開始しました。当社のUV点字による点字印刷および触知図印刷は、視覚障害者と晴眼者とが同時にコミュニケーションがとれる共用品として情報アクセシビリティに配慮したものです。設置型ではなく配布型の印刷物として、墨字と点字を同じ紙の上に印刷することにより、晴眼者、視覚障害者が同じ情報ツールを使用でき、視覚障害者への情報保障の合理的配慮の一つを行なうことができると考えています。 これまでに、駅構内案内触知図、点字付与防災マップ、テーマパーク触地図ガイドブック、冨嶽三十六景触察本などを作ってきました。毎年製作している点字墨字共用ポケットカレンダーは好評をいただいています。 住所 〒113-8484 東京都文京区本郷1丁目17番2号 電話 03-3817-5914 8 錦城護謨株式会社(動画あり)                                                 屋内の施設で「ここに点字ブロックがあったらなぁ」 と感じたことはありませんか?視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くん」は屋内専用のユニバーサルデザインの誘導路です。 全盲の方には床との質感の違いや白杖で叩いた時の音の違いで、弱視の方には床面との色のコントラストで認識いただけます。表面は突起物が無く、外周もなだらかなスロープ形状になっており、台車や車いすなどもスムーズに通行いただけます。両面テープでの施工となるため、大規模な床工事は不要です。後付けが可能なので、受付からお手洗い、エレベーターまでの延伸など、点字ブロックを設置して欲しくても設置してもらえなかった箇所に最適です。 住所 〒581-0068 ?阪府?尾市跡部北の町1丁?4番25号 電話 072-992-2328 URL http://guideway.jp 9 株式会社高知システム開発                                                      弊社は、高知県の自然豊かな環境で、1983年から「視覚障がい者の生活支援、社会参加支援」を目的に、視覚障がい者向け各種ソフトウエアの開発、販売、アフターサービスを行っており、日本全国、多くのユーザーの方々にお使いいただいております。 PC-Talker Neo Plusを 市販のWindows パソコンにインストールすることで、表示されるメニュー、入力する文字、メッセージを読み上げます。 初心者のかたから上級者のかたまで幅広く安心してご利用いただける商品を提供しております。 専用の機械ではないので、今使っているパソコンの画面を観ていると疲れるなと思った時に 補助としてご利用してはどうでしょうか。 住所 〒780-0048 高知市吉田町2?23 電話 088-873-6500 URL http://www.aok-net.com 10 株式会社KOSUGE(カタログあり)                                            株式会社KOSUGEでは、以下の商品を販売しています。 1.視覚障害者安全つえ アラミド繊維補強樹脂製パイプを使用し、軽量で耐衝撃性の特長に加えて、携帯用白杖では避けられなかった長期間使用により発生するガタつきを抑制する発明を付け加えたMyCane?Ⅱを、新規キャップ付き白杖として6月頃から発売を開始します。価格は、従来と同一の7,200円です。 2.エンジェルアイスマートリーダー 特長は、メガネのツルに付けて、両手でつかんでいる文書の位置を音声にて案内してもらえ、ワンショットで読み上げることができます。インターネット接続必要なし。 ・価格(非課税)19万8千円 「視覚障害者用読書器」 住所 〒173-0013 東京都板橋区氷川町11-11 電話 050-3372-3002 URL https://www.my-cane.com/ 11 株式会社コネクトドット(動画あり・カタログあり)                              ものタグアプリとNFCタグ:ものタグアプリは、NFCタグを付け、スマホでスキャンすることによって、ものを識別するアプリです。触るだけでは分かりにくいもの(CDやクレジットカード、同系の衣類等)の識別にお使い頂けます。データの公開範囲を設定し、タグを介して友人と情報を共有することもできます。 7月にAndroid版ものタグアプリをリリースしました。iPhoneユーザとデータを共有できます。 ものタグでご利用いただけるタグは、「ランドリタグ」(10個900円より)、「シールタグ」(10枚370円より)、「クリップ付きタグ」(3個500円より)、「キーリング付きタグ」(5個460円より)の4種類です。 住所 〒604-0866 京都市中京区西方寺町160-2 船越メディカルビル 電話 075-746-3550 URL http://www.connectdot.jp/mono-Tag      12 参天製薬株式会社                                                            Santenは、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界約60を超える国・地域で製品を販売しています。 Santenが目指す理想の世界、「WORLD VISION」(Happiness with Vision)の実現に向け、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、「見る」を通じて人々の幸せを実現するSocial Innovatorとして、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。 製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組み、視覚障がいの有無に関わらず交じり合い・いきいきと共生する社会の実現に向けて、社会への貢献を果たしていきます。 住所 〒530-8552 大阪府大阪市北区大深町4-20グランフロート大阪タワーA26階 電話 0120-310-106 URL https://www.santen.co.jp/ja/      13 株式会社システムギアビジョン(動画あり・カタログあり)                       弊社は世界中から集めてきた数々の機器を通して、「見えない」「見えにくい」ことでお困りの方のQOLを向上するお手伝いをしております。 今回は3つの商品をご紹介します。 「メゾ・フォーカス」はシンプルな操作で使いやすい据置型拡大読書器です。 「コンパクト10スピーチ」は読み上げ機能を搭載した携帯型拡大読書器で、内蔵のアーム式カメラを使えば筆記にも便利です。 「エンジェルアイ スマートリーダー」はメガネに装着する読み上げ読書器です。 文書の位置を音声でガイドする機能を搭載しており、読みたい文書を読み取りに最適な位置に簡単に移動することが出来ます。 それぞれの製品は動画で詳細にご紹介しております。ぜひ、そちらもご覧ください。 住所 〒665-0051 兵庫県宝塚市高司一丁目6番11号 電話 0797-74-2206 URL http://www.sgv.co.jp/company/ 14 シナノケンシ株式会社(動画あり)                                             シナノケンシのプレクストークは、見えない方・見えにくい方向けに図書館から貸し出されるデイジー形式の音訳小説や音声解説付きの映画(シネマデイジー)を楽しむことができ、音声ガイドを搭載しているので操作も安心です。 卓上型サピエ対応のプレクストークポータブルレコーダーPTR3、小型でポケットにも入るリンクポケット等、お客様のライフスタイルにあわせた製品ラインナップを取り揃えております。 PTR3ではインターネットラジオが聴けて、点字データも読むことが可能となる「お楽しみ機能追加オプション」もご利用いただけます。 詳しい情報は、弊社ホームページWWW.PLEXTALK.COMでご確認いただけます。 住所 〒386-0498 長野県上田市上丸子1078 電話 050-5804-1177(月~土 9:30~17:00) URL www.plextalk.com 15 東海光学株式会社(動画あり)                                                ・レンズ レンズカラーは、全26色(CCP8色、CCP40018色)です。 また、紫外線によって濃度変化する調光機能付きの CCP-Aや乱反射・ぎらつきを低減する偏光機能付きの CCP-ACTもあります。 ・フレーム メガネの上から装用できるオーバーグラスタイプのビューナル、ビューナルプラスや普通のフレームと違い上部や横からの光の侵入を和らげるシールドが付いた遮光眼鏡専用フレーム「ヴェルジネ」をご用意しております。 カラー合わせ用としてトライアルキットもご用意しています。 住所 〒444-2192 愛知県岡崎市恵田町下田5-26 URL https://www.eyelifemegane.jp/ 16 公益財団法人日本盲導犬協会(動画あり)                                        目の見えない人、見えにくい人が、   行きたい時に、行きたい場所へ行くことが出来るように、   私たちは、安全で快適な盲導犬との歩行を提供します。 私たちは、この使命のもと、4つの訓練センター(仙台市 横浜市 富士宮市 浜田市)で、盲導犬との歩行から、白杖歩行、スマホやパソコン、調理など、訪問訓練や宿泊型の訓練プログラムも用意しています。また、盲導犬の社会への理解を広げるために、テレビCMや学校、事業所での盲導犬受け入れセミナーの実施、昨年からはオンラインの各種セミナー開催やYoutube動画を配信してきました。ウィズコロナにおいても、目の見えない、見えにくい人に寄り添っていきます! お近くのセンターまでお気軽にご相談ください。 住所 〒223-0056 横浜市港北区新吉田町6001-9(神奈川訓練センター) 電話 022-226-3910(スマイルワン仙台) 045-590-1595(神奈川訓練センター) 0544-29-1010(富士ハーネス) 0855-45-8311(島根あさひ訓練センター)   17 株式会社日本テレソフト(動画あり)                                            当社は、拡大読書器・点字ディスプレイ・点字プリンターを製造・販売しております。最新の音声読書器Smart Reader HDは、読み取りも良く音声も聞きやすいと評判です。軽量で操作も簡単になっており、機械を触るのが苦手な方でも安心して使うことが出来ます。しばらくは展示会での出品ができませんので、お近くの販売店にて触ってみてください。お近くに販売店が無い場合は、当社までお問合せ下さい。 住所 〒167-0034 東京都杉並区桃井2-1-3 吉田ビル3階 電話 03-6913-5641 URL https://www.nippontelesoft.com/ 18 株式会社ポニーキャニオン(動画あり・カタログあり)                          出展機器名:読書支援サービス YourEyes(ユアアイズ) 読書支援サービスYourEyes(ユアアイズ)は、ご自分のスマートフォンで本のページを撮影する事で、そこに書かれている内容を読み上げる、日本初の読書に特化した読み上げサービスです。HOYA株式会社の合成音声エンジン・ReadSpeakerを採用し、人間に近い自然な朗読を実現。目の不自由な方でも、別売りの「ユアアイズボックス」を使う事で、正確に本のページの撮影を行う事が出来ます。無料で提供されるボランティア向けのパソコンソフト「ボランティアツール」で読み上げが修正登録された本であれば、より正しく本の読み上げも可能になります。 住所 〒106-8487 東京都港区六本木1-5-17 URL https://youreyes.jp/ 19 三菱電機株式会社(動画あり・カタログあり)  三菱電機のユニバーサルデザイン「らく楽アシスト」 三菱電機の「らく楽アシスト」は、ユニバーサルデザインの視点から、子どもから高齢者、身体の不自由な人まで、できるだけ多くの人があん心して、らくに、楽しく使えるデザインを通じて「暮らしのクオリティ」向上を目指す取組です。 今回ご紹介の動画では、6つの商品をピックアップし、その特長、らく楽アシストポイント、基本的な操作方法を紹介します。 動画 らく楽アシスト商品紹介1 音声ガイダンス付き+UD視点盛込み商品 ・レンジグリル ZITANG ・ジャー炊飯器 本炭釜 ・IHクッキングヒーター らく楽IH 動画 らく楽アシスト商品紹介2 音声ガイダンスなし+UD視点盛込み商品 ・コードレススティッククリナー iNSTICK ZUBAQ ・ブレッドオーブン ・衣類乾燥除湿機 サラリ                               住所 〒100-8310 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル15階 電話 三菱電機お客さま相談センター(家電品の購入相談・取り扱い方法)    0120-139-365(受付時間365日24時間)無料    03-3414-9655 有料    0570-077-365(携帯電話・PHSの場合) 有料 URL https://www.mitsubishielectric.co.jp/sq/assist/rakuraku/ 20 みんなで勝ち取る眼球困難フロンティアの会(G-frontier)(カタログあり)            「視覚障害周知啓発キーホルダー」 「B…見えない L…見えにくい P…目が使いにくい 視覚に障害あります!」という文字を周囲に表したキーホルダーを作成いたしました! 中央にはキャップをかぶった目が悪そうな黄色い顔のキャラクター、キャップにはBLPと書かれてあります。 他、当事者に関わらず、誰でも付けられる缶バッジも3種類ご用意しました。こちらは周辺の文字がなく、キャラクターのみです。黄色の他に赤紫と青があります。 是非当事者の方には視覚障害アピールとして、非当事者の方も周知啓発としてご利用ください! 詳細はBLPキャンペーンウェブサイトへ 住所 〒359?0038 埼玉県所沢市北秋津687?3秋津サンライズ201 URL https://g-frontier.xyz/2020/09/04/blp/ 21 有限会社安久工機(動画あり・カタログあり)                                 ラピコは小さなお子様にも持ちやすいようにデザインした視覚障がい者用触図ペンです。 内蔵したヒータ(70度弱)でインクの“みつろう”が溶け、ペン先を軽く用紙に押し付けることで溶けたみつろうが用紙の上に出てきて線が描けます。15秒程で固まるので自分で描いた線を手で確認できます。グリップ部分は断熱性ゴムで出来ており溶けたろうに触れてもやけどの心配はありません。紙・プラスチック・ガラス等様々な素材に描画出来ます。描いた後はヘラ等で削って剥がすことも可能。剥がしたみつろうはインクとして再利用できます。 みつろうはリップクリームにも使われており、アレルギーも少なく間違って食べても体に影響はありません。 住所 〒146-0092 東京都大田区下丸子2-25-4 電話 03-3758-3727 URL http://mitsuroupen.jp/index.html 22 株式会社リモートアシスト(カタログあり)                                        遠隔支援カメラリモートアシスト 見えない、見えにくい方の「今すぐ知りたい」をお手伝いする遠隔援護サービスです。「どこからの郵便物か」「賞味期限は?」「胃薬はどれ?」など、知りたい事をカメラからの映像を見て、ボランティアサポーターが答えてくれます。利用時間の8:00~20:00の間、ワンボタンで繋がり、誰でも簡単に使えます。 また、[家族でサポート]という新サービスも始まりました。 このサービスは一般のサポーターには繋がらず、ご家族またはご友人(合計5名まで登録可)にのみ接続されます。利用時間の制限はありませんので利用ルールをご家族内でお決め頂きます。 住所 〒567-0086 茨木市彩都やまぶき2-2 C-1207 電話 090-1070-8266 URL https://remote-assist.jp/customer/   【21 「視覚リハビリテーション研究」論文募集要綱】  視覚障害リハビリテーション協会では、2010年度の第1回理事会で議題3として研究紀要の復刊が承認されたことを受け、編集委員会を設置しました。編集委員会では、研究紀要の復刊に伴い、これまで通り大会発表論文とともに新たに原著論文を募集すること、そして年2回発行することなど、これまでの大会論文集を一新し、新たに「視覚リハビリテーション研究」を発行することとしました。それに伴い、新しく募集する原著論文に関する執筆の手引きの案を作り、その執筆の手引きは同12月21日の第9回理事会で認められました。  原著論文とは、英語ではオリジナル・ペーパーとかオリジナル・アーティクルとか呼ばれます。内容は研究について記載した論文ですが、研究内容が他の雑誌などに出版されていないオリジナルなものとして認められるものです。また、通常、仮説に基づいて実証的な研究を行い、結果として得られた根拠に基づいて考察している形式であることも求められます。オリジナル・ペーパーとして掲載するのに妥当かどうかは、通常、専門を同じくする複数の人が匿名で査読(ピアレビュー)ということをして決めます。  査読は掲載の可否を決めるプロセスですが、同時に、投稿されてきた原著論文に注文をつけて、より良い論文として掲載できるよう修正を手伝うという側面を持っています。論文の著者と意見が一致しないとか気に入らないというのは査読者にとっては掲載を拒否する理由になりません。専門を同じくする人が、掲載に値するものかどうか、値するようにするにはどういう修正をすべきか意見を述べることで、交換されようとしている専門知識の内容(原著論文の中身)をより高めていくプロセスが査読です。この専門家の査読のプロセスを得て刊行される原著論文だからこそ、一定の信頼と価値が生まれるとも言えます。  研究発表大会で発表した内容についても、これまで通りの査読のない発表論文としてか、あるいは査読のある原著論文としてか、どちらか選んで投稿いただくことができます。査読が終わって採択されたものから、もっとも刊行の近い号に順次掲載していきます。(以前の大会論文集に既に掲載されたり、「視覚リハビリテーション研究」に発表論文として刊行されたりしたものは、同じ内容の再掲になるためいずれの論文としても掲載できません)。  2012年度の第6回理事会では、発表論文と原著論文の他に掲載するカテゴリとして、特定のテーマについて解説・レビューする「総説」と、原著ではないが掲載にふさわしい有用な内容をまとめた「報告」というカテゴリの2つを新設することが認められました。この2つのカテゴリについては上述したような厳密な意味での査読は行われませんが、掲載にふさわしいかどうかについては編集委員会で評価をし、修正をお願いすることがあります。また、原著論文の査読結果、不採択となった場合、「報告」に切り替えて掲載できる可能性もあります。  2015年の編集委員会にて、これらの4つのカテゴリについては一部不文律であったページ数の制約を明記することが決まりました。また、これまで書式の統一性が低かった発表論文や報告について対策を講じる検討がなされ、刊行から5年を経過していることに鑑み、「視覚リハビリテーション研究」における形式を原著論文の形式に一本化することが決まりました。総説・発表論文・報告の執筆についても、原著論文の書式に従ってください。 原著論文等執筆要綱  (2010年12月21日第9回理事会承認、2016年2月1日、2020年8月11日、2021年3月4日編集委員会にて微修正) 1. 原稿の仕様 1.1. 原稿は電子データを以下の1.2に述べる書類と共に提出する。要約や図表を本文に配置した完成形 (以下、レイアウト原稿とする)での提出を原則とする。 1.2. 原稿の構成は原則として次の通りとする。 (すべて電子ファイルで提出ください) 1) 連絡票 2) レイアウト原稿(視覚リハビリテーション研究のレイアウトに従ってレイアウトをしたもの。Wordファイルの例については以下のJJVRのWebページからダウンロードして用いて下さい。(https://www.jarvi.org/journal_rule/) 3) 写真・図表説明原稿(通常の図表の説明以外に、視覚的な表現では分からない読者のためにテキストだけで説明した内容を別途用意してください。別ファイルでなくても、本文の最後に追加した形で構いません。) 4) 著作権譲渡同意書(著者全員が同意の上、その全員の名前の記載があるもの。提出によって、著者全員から、提出した著者が許諾を得たものとみなします。書式のWordファイルを以下のJJVRのWebページからダウンロードして用いて下さい:https://www.jarvi.org/journal_rule/) 2. 原稿の提出 2.1. 連絡票、レイアウト原稿、写真・図表説明原稿と著作権譲渡同意書を電子メールで編集委員会へ投稿する。編集委員会のメールアドレスは jjvr@ml.odalab.org である。 2.2. 電子媒体やレイアウト原稿の提出が難しい場合は、編集委員会まで電子メールあるいは郵便にてあらかじめ相談し、提出方法について検討する。 2.3. 提出期限  すべての原稿は、査読や編集委員会での判断・修正作業が終わり次第、近い号に掲載するため、とくに期限を定めない。発表論文については、1号については9月末ごろ、2号については12月末頃におおまかな締め切りを設けているが、掲載論文の数などによって変動する。 3. 著者校正  査読終了後、印刷前に1回著者校正を行う。査読終了後の大幅な内容の訂正は認めない。 4. レイアウト原稿  レイアウト原稿には、タイトル(和文論文題名)、英文論文題名、著者名、著者所属、著者名英語表記、所属英語表記、和文要約、キーワード、英文要約、英語キーワード、本文、文献、図表及び写真が含まれる。ただし、原著論文以外のカテゴリについては、英文論文題名、著者名英語表記、所属英語表記、英文要約と英語キーワードがなくても良い。  レイアウト原稿のフォーマットをJJVRウェブサイト(https://www.jarvi.org/journal_rule/)からダウンロードして使用する。掲載する論文カテゴリごとの長さは、レイアウト後の枚数で以下の通りとする。 ・原著論文・総説 最小6ページ~最大10ページ  ・発表論文・報告 最小2ページ~最大6ページ 4.1. 連絡票  連絡票には、下記の1)から9)までの事項を記載する。 1) 論文の種類:原著論文と明記する。 2) 表題:論文内容に即したものとし、一連の研究の場合は類似した表題は避ける。 例:「△△△△におよぼす××××の効果」 3) 著者名:著者が複数の場合は[・]で区切る。 例:視覚太郎・山田里葉子 4) 所属機関名:大学の場合は、学部名等も記す。 例:点字大学教育学部 、白杖リハビリテーション医院 5) 表題の英訳: 例:The effects of ×××× for △△△△ 6) 著者名のローマ字表記:原則としてヘボン式を用いる。 例:Taro SHIKAKU and Rihako YAMADA 7) 所属機関名の英訳: 例:Faculty of Education, University of Tenji, Hakujyo Rehabilitation Hospital 8) 所属機関所在地のローマ字表記:市名、郵便番号 (7桁)のみとする 例:Yamahana-shi, 000-0000 9) 発表論文の場合には発表した研究発表大会の年度と発表番号と発表タイトル: (ア) 例:2019年度、O-1-3、ICTを利用した視覚リハビリテーションの1事例 4.2. 要約とキーワード  和文については300字以上400字以内の要約と3~5項目のキーワードをつける。それぞれのキーワードの間は半角スペースで区切る。   英文要約をつける場合(原著論文では必須)、ネイティブチェックを受けた200語以上300語以内の英文要約、3~5項目の英語のKeywordsをつける。  和文と英文の要約は内容的に一致している必要がある。ただし一語一句一致している必要はない。 4.3. 本文  本文は、「目的」「方法」「結果」「考察」の4章、あるいは事例・症例について報告する論文の場合には「目的」「症例」「結果」「考察」の4章に分け、章ごとに内容を分けて記載する。ただし、総説については、これに従う必要はなく、記載する内容に合わせて適切に章立てを行うこと。 4.3.1. 論文構成に用いる記号  論文構成に用いる記号は半角数字を半角ピリオドでつないだものを用い(例:1. はじめに、2.1. 実験参加者、3.2. 主観的評価の結果)、見出しの数字で階層が分かるようにする。階層が深くなりすぎないよう、論文構成に配慮する。 1) 大見出し:算用数字1字を用い、上に1行をあける。数字の後ろにピリオドをつけ、全角1マス空けて見出しを書く (例:1. はじめに)。本文は改行して始める。 2) 中見出し:算用数字2字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から1字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く (例:2.3. 手続き)。本文は改行して始める。 3) 小見出し:算用数字3字をピリオドでつないだものを用い、上に行をあけない。左端から2字あけて書く。全角1マス空けて見出しを書く (例:4.1.2. 先行刺激の効果が無かった原因の検討)、コロン (:)で区切って本文を書き始める。 4) これ以下の小見出しについては、必要な数の算用数字をピリオドでつないで用いる。表記法は小見出しに準じる。 5) リストの表記:算用数字に閉じ括弧 )をつけたものを用いる。 4.3.2. 表記について 1) 文体:原則として「である」調とする。 2) 句読点:「、」「。」とする。 3) 年号:原則として西暦使用とする。 (例:「2004年」) 4) 記号:以下の記号をその使用例のように用いることができる。 ・中点 (・) 並列する同種の語を列挙する場合。 ・ハイフン (?) 外国語の対語・対句の連結の場合。 ・引用符 (" "または「 」) 引用文に用いる。 ・括弧 ( )または[ ]を用いる。 ・コロン (:) 例、説明などを導く場合などに用いる。 ・セミコロン (;) 引用文献を列挙する場合、あるいは検定結果を列挙する場合に用いる。 ・省略符 (・・・) 引用文の一部あるいは前後を省略する場合に用いる。 5) カタカナ:本文中の外国語の使用はできるだけ避け、原則として日本語化した外国語を記述する時にのみ用いる。 6) 英数記号:原則として半角英数記号を用いる。 7) 略語:一般に用いられているものに限る。ただし、必要な場合には、初出の時にその旨を明記する。 8) 検定結果の表記:各種統計的検定の結果を示すときには、以下のように検定統計量、自由度ならびに有意水準等を明記する。 (F(1, 50) = 7.05,p< .05)、(χ2(5) = 1.54,p< .05)など F, t, pなどは斜体 (イタリック)とすること 4.4. 文献 4.4.1. 引用文献:本文において引用されたすべての文献を、著者名のアルファベット順に論文の後に「文献」として一括リストして記載する。同一著者の複数の文献は発行年順とする。同一著者による同一年の文献が含まれる場合は、発行年の後に小文字のアルファベットを付けて区別する。また、引用文献においては、題目・雑誌名・巻号の区切り文字の「.」「,」 は半角に統一する。 4.4.2. 文献リストの書式 1) 雑誌: 著者名 (西暦年) 題目. 雑誌名, 巻数(必要な場合は号数), 開始頁-終了頁. 2) 著書: 著者名 (西暦年)書名. 出版社, 出版地, 開始頁-終了頁(必要な場合). 3) 分担執筆: 著者名 (西暦年)章題. 編者名 (編), 書名. 出版社, 出版地, 開始頁-終了頁. 4) 訳書: 原著者名 (西暦年)原書名. 出版社, 出版地, 訳者名 (西暦年)書名. 出版社,開始頁-終了頁 (必要な場合). 欧文の書名 (原書名)および雑誌名は斜体 (イタリック)とする。 和文著書の場合、出版地は省略する。 5) Webページ: 著者名 (西暦年) 題目. Webサイト名, URL, (アクセス年月日). 例: 1) 雑誌(和) 同一著者・年はa、bで区別。 鈴木太郎・田中花子(2010a)視覚障害幼児への早期リハビリテーションに関する調査研究. 早期研究, 2, 12‐17. 鈴木太郎・田中花子 (2010b)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの一事例. 実践早期研究, 3, 47-51. 2) 雑誌 (欧): 著者3名以上では&の前に (,)を必ず入 れる。雑誌名は斜体。 Leg, E. G., Bail, A., & Pel, E.(2007)Effects of early intervention for blind children. International Journal of Videology, 48, 611-618. 3) 著書 (和): 田中花子(1995)視覚障害の基礎.拡大社. 4) 著書 (欧): 書名は斜体。 Kooman, A. (1997) Visual field. The Sample Press, Amsterdam. 5) 分担執筆 (和) 田中花子 (1988)視覚障害者のリハビリテーション.鈴木太郎 (編),障害者リハビリテーション.山花出版,9‐41. 6) 分担執筆 (欧):編者1名:(Ed.) 、編者複数:(Eds.) 、編者3名以上は& の前に (,)を挿入。 書名は斜体。 Keller, A., Miller, B., Dodd, C., & Brian, A. (2001) Vision care. In W. M. Taylor & D. Reynolds (Eds.), The world of vision rehabilitation. Tsunami Press, London, 35‐72. 7) 訳書 :原書名は斜体。 Barry, F. & Allen, G. (1999) Rehabilitation and education for low vision. Long Cane Press, New York. 鈴木太郎・山田次郎監訳 (2009)ロービジョンのリハビリテーションと教育.白杖学術出版社,39‐74. 8) Webページ 田中花子(2015)視覚障害幼児への早期リハビリテーションの新しい提案. 幼児教育フォーラム, http://www.earlyintervention.org/tanaka/2015/article.html, (2015/12/29). 4.4.3. 本文中の引用の仕方  著者名の省略は避け、全員の名前を明記する。ただし,著者が3名以上である場合は「 (筆頭著者名)ら」 (欧文の場合は「 (筆頭著者名)et al.」)と記す。著者名の連記は以下の例に従うこととする。 1) 文中の場合 例:鈴木・田中 (1995)および山田 (1987)は・・・ 。佐藤ら (1990)が・・・。 Ryan and Nelson (1984) は・・・。 (&記号は用いない) ・・・Cameron et al. (1991)によると・・・。 2) 文末などの( )内の場合 例:・・・と指摘されている (鈴木・田中,1981;山田, 1980)。 ・・・と指摘されている (Ryan and Nelson, 1984; ・・・)。  引用文献が複数の場合はセミコロン (;)で連ねる。 カッコ内の引用順は、論文末にあげる文献リストの順に準ずる。 4.5. 図表及び写真 4.5.1. 図表は本文中の適切な位置に割り付け、引用順に図1、 表1のようにする。 写真も図に含める。それぞれに簡潔で適切な見出しをつける(例:図1 訓練前後での歩行速度の比較) 。掲載する図や表について、必ず本文中でその内容についての触れ、十分な説明をすること。 4.5.2. 写真を掲載する場合には、内容が理解できる程度の解像度を確保するとともに、過度に高い解像度のためにファイル容量が増大することの無いよう留意すること。また個人情報保護に特に注意をはらうこと。 4.5.3. 図表、写真にカラーの原稿を用いても構わないが、仕上がりはモノクロとなるので、モノクロでも鮮明な画像となるよう留意すること。 4.6.  註釈  注釈が必要である場合は、本文中にその箇所を明示したうえで、1), 2)のように上付きで通し番号をつけて註を付す。また、本文、あるいは謝辞がある場合には謝辞と引用文献リストの間に、すべての註を1)、2)のように番号順に記載する。 本文例: (前略)ABC共和国における眼鏡の価格はおよそ500円で平均年収のおよそ10%に相当する1)。(後略) 注欄例: 註 1) 2005年当時の為替レートで計算した。なお、本稿掲載時には調査時、執筆時とは状況が大きく異なっている可能性がある。 2) (後略) 5. 写真・図表説明原稿  本誌を点字版やデータ版で読んでいる会員が、図や写真を理解しやすいよう、説明原稿を用意する。図と写真は文章化し、表はテキストデータを提出する。図表の作成に使用した基本ソフトとアプリケーションソフトを明記する。 6. 研究倫理の遵守  投稿者は所属機関等の倫理規定に従い、投稿する論文の内容について充分に人権及び研究倫理上の配慮をしなければならない。また、研究実施の際に配慮した研究倫理に係る事項があれば、論文中に記載すること。 なお、二重投稿や著作権・肖像権の侵害などの倫理的問題を避けること。倫理上の問題のある論文は掲載できない。 7. 著作権譲渡同意書  論文を投稿する場合には、著者全員の名前が記された著作権譲渡同意書を1部、他の原稿とともに電子的に提出すること。提出によって、著者全員から、提出した著者が許諾を得たものとみなしますので、提出者は必ず著者全員から同意を得ておいてください。JJVRのWebページ(https://www.jarvi.org/journal_rule/)からダウンロードした著作権譲渡の書式を用いること。  この譲渡によって、視覚障害リハビリテーション協会は、視覚リハビリテーション研究に刊行された原著論文やその電子的形態による利用を含めた包括的な著作権を有する。しかし、これは著者自身が自著の原著論文を複製,翻訳,翻案等の形で利用することを禁止するものではない。ただし、その全部あるいは大部分を他の著作物に利用する場合には,その旨を協会(事務局)に申し出るとともに,出典を明記すること。また一部分を利用する場合にも,文献あるいは図説の下に出典を明記すること。このことは、原著論文にのみ適用される。 8. 投稿の資格  投稿時に筆頭著者が視覚障害リハビリテーション協会の会員であり、年度会費を納入済みであること。 【22 第30回大会案内】 第30回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 未来を語ろう! 誰一人取り残さない!視覚リハのSDGs 会期 2022年7月15日から17日まで 会場 名古屋国際会議場(白鳥ホール他) 第30回大会 大会長 和田 浩一(視覚リハ協会会長) 大会長からのメッセージ 30回の節目となる研究発表大会は、視覚障害リハビリテーション協会の理事全員が運営の中心となり、これまでの30年に渡る歴史を踏まえて、未来の視覚リハのあり方を考え、視覚リハにおけるSDGsをテーマとして取り組むこととしました。名古屋で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。 演題登録期間 2022年1月11日から3月31日まで(予定) 参加登録期間 2022年4月15日から6月15日まで(予定) 主催 視覚障害リハビリテーション協会  事務局長 田中 雅之(協会副会長) メール 30th_taikai_nagoya@jarvi.org 現地開催またはハイブリッド(現地+オンライン)での開催を予定しています。 最新の情報は大会ホームページからご確認ください。(9月公開予定) 【23 後援・協賛一覧】 寄付・助成 岡山県眼科医会   小山基金 後援(五十音順)    一般財団法人 安全交通試験研究センター   岡山県   岡山県眼科医会 岡山県教育委員会   社会福祉法人 岡山県視覚障害者協会   岡山県視覚障害者センター   岡山県視覚障害を考える会 岡山県網膜色素変性症協会 岡山市  岡山市教育委員会   岡山市視覚障害者協会 倉敷市   倉敷市教育委員会   倉敷市視覚障害者協会   視覚支援機器用具事業者協議会   社会福祉法人 視覚障害者文化振興協会 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会   全国盲学校長会   公益社団法人 日本眼科医会   公益社団法人 日本視能訓練士協会   日本歩行訓練士会   社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合   社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会   公益財団法人 日本盲導犬協会   公益社団法人 日本網膜色素変性症協会   日本ロービジョン学会      協力 岡山県視覚障害者センター 一般財団法人 安全交通試験研究センター 岡山県視覚障害を考える会 川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部 視能療法学科 朗読ボランティアグループふらここ                                                   【24 実行委員会メンバー】 大会長  守本 典子  岡山大学病院 眼科 名誉会長 森實 祐基  岡山大学病院 医歯薬学総合研究科 眼科学分野 教授 副大会長 辻 俊彦   岡山県眼科医会 会長      片岡 美佐子 岡山県視覚障害者協会 会長 事務局長 岸本 和宣  岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ 事務局  熊瀬 有美  岡山大学病院 眼科・くませ眼科      藤原 篤之  川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部 視能療法学科      金永 圭祐  岡山大学病院 眼科      牧 和義   岡山県視覚障害者協会 地域生活支援事業所みちしるべ 実行委員 大松 寛   鳥取大学医学部附属病院 眼科      石田 博美  鳥取大学医学部附属病院 眼科      田中 桂子  鳥取大学医学部附属病院・神戸アイセンター病院 眼科      原 克典   島根大学病院 眼科      庄司 健   島根ライトハウス ライトハウスライブラリー      山田 大   日本盲導犬協会 島根あさひ訓練センター      奈良井 章人 広島大学病院 眼科・奈良井眼科      上原 知子  八本松病院 眼科・奈良井眼科      氏間 和仁  広島大学大学院 人間社会科学研究科      細川 義之  広島県立広島中央特別支援学校 高等部      新川 邦圭  周南市立新南陽市民病院 眼科      湧田 真紀子 山口大学病院 眼科      福村 美帆  山口大学病院 眼科・福村眼科      佐藤 洋一  山口大学病院 眼科      河野 清美  下関市立市民病院 眼科      横峯 弘隆  小郡第一総合病院 眼科      星川 じゅん かがわ総合リハビリテーション病院 眼科      中口 潤一  香川県視覚障害者福祉センター      四宮 加容  徳島大学病院 眼科      阪井 紀夫  徳島県立障害者交流プラザ 視聴覚障がい者支援センター      宇田 高広  愛媛大学医学部附属病院 眼科・市立宇和島病院 眼科・いしづち眼科      松友 輝子  愛媛県立しげのぶ特別支援学校・元愛媛県立松山盲学校      林 しの   町田病院 眼科      別府 あかね 町田病院 眼科      上光 陽子  高知県立盲学校 高等部理療科      金平 景介  高知県身体障害者連合会 ルミエールサロン アドバイザー      田淵 昭雄  岡山県視覚障害を考える会 会長・日本ロービジョン学会 元理事長      渡辺 英臣  岡山県眼科医会 前会長      西村 寿倫  岡山県立岡山盲学校 前校長      藤尾 愛一郎 岡山県立岡山盲学校 校長      奥村 俊通  岡山県網膜色素変性症協会 前会長      木村 健三  岡山県網膜色素変性症協会 会長      吉野 由美子 視覚障害リハビリテーション協会 前会長 【おくづけ】 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 抄録集(一般演題を除く) 発行日  2021年7月4日 編集・発行 第29回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in岡山 実行委員会 事務局  岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学眼科学講座 【25 広告】 テキスト版では企業名のみ掲載します(五十音順)。 一般財団法人 安全交通試験研究センター ヴィアトリス製薬株式会社 大塚製薬株式会社 興和株式会社 参天製薬株式会社 千寿製薬株式会社 ノバルティス ファーマ株式会社 バイエル薬品株式会社 三笠産業株式会社 みんなで勝ち取る 眼球困難フロンティアの会(G-frontier) わかもと製薬株式会社